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#11 読書録「売上の地図」

今回の読書録は「売上の地図

著者はトライバルメディアハウス代表取締役社長の池田さん。
Twitterで評判が良かったことと「3万人を指導したマーケティングの人気講師が教える「売上」を左右する20のヒント」というサブタイトルに惹かれてポチりました。

内容も非常にわかりやすく、体系的に書かれていました。今後何かあった時のための逆引きとして本棚に置こうと思っている一冊です。

今回も私の中で「付箋を貼っておきたいポイント」をまとめていきたいと思います。


マーケティング業務従事者ならばZMOT、FMOT、SMOT、TMOTという用語を聞いたことがあるかもしれない。
〜中略〜
どれも重要だが、筆者はZOMTに注目すべきだと考えている。ZMOTとは、2011年にGoogleが提唱した「ネットを使った情報収集が一般的になったことで、店頭に行く前から商品・サービス、ブランドと消費者との交流が発生している。それによって、消費者は店頭に行く前にすでに購入するブランドが7〜8割がた決まっていることを明らかにした概念」だ。
〜中略〜
ZMOTは「FMOTの前にすでに勝負は決まっている」ことを示したのだ。

一応、マーケティング業務従事者と言えなくもない私ではあるが、この用語は初見でした(すみません…)

  • ZMOT(Zero Moment-Of-Truth):認識/熟慮

  • FMOT(First Moment-Of-Truth):購入(トライアル)

  • SMOT(Second Moment-Of-Truth):使用/レビュー

  • TMOT(Third Moment-Of-Truth):ブランド体験(リピート)

ZMOTから始まりTMOTにたどり着く。
購入の意思決定やブランド体験の流れを示す概念です。

要は消費者は購入する前に、広告やSNSで商品の情報に触れているわけで、その時点でほとんど購入するかどうかの意思決定は済んでいるわけです。
どんなに優れた商品であっても、そもそもの認知がなければ土俵にすら立てていないとも言えます。

ZMOTを形成する「刺激」には、テレビCMや情報番組、ネットのニュース、同僚とのランチトーク、友人や知人のツイート、インスタの発見タブやレビューサイトのクチコミなどさまざまなものがある。気づいただろうか。そう、ソーシャルメディア時代におけるZMOTの多くは、既存顧客のTMOTなのである。
〜中略〜
市場2位以下のプレーヤーは、ZMOTからTMOTへの流れを強く意識し、既存顧客のTMOT経由で新規顧客を獲得する「良質なZMOTを形成する戦略」が有効である。

「認知が大事」といっても、多額の広告予算がある会社ばかりではありません。では、どうしたらいいのか。

まずは、既存顧客の購入体験、使用体験を最大化しましょう。なぜなら最高の体験が既存顧客のクチコミやUGCを誘発するからです。
これを見て感動や共感を覚えた新規顧客がZMOTからTMOTへの階段を登るのです。

と、ザッとこんなイメージと認識しました。このように考えた上で、自分たちの打ち手を再検証してみてもいいかもしれないですね。

2000年代の後半から、大手企業を中心に、Always On(常時接続)という概念が重視され始めた。これは、大規模なクロスメディア型の広告キャンペーンやテレビCMの出稿時だけ消費者と接点を持つのではなく、中長期的なAlways Onの関係づくりを重視していこうとするマーケティングコミュニケーションの転換点である。
春や秋の新商品発売にあわせて行われる大規模キャンペーンは、俗に「打ち上げ花火」とも称される。大きな予算が投下されるだけに効果は出るものの、1〜2ヶ月ほどの広告出稿期間が終わってしまうと、消費者とのブランド接点はなくなってしまう。
〜中略〜
「最初に思い出してもらえるブランド」であるためには、フリークエンシー(頻度)が重要なのだ。

Always On、知りませんでした。(知らないことだらけ…)
読んでいて思ったのですが、メールマーケティングもこれに近いのではないでしょうか。

メールマーケティングも顧客と継続的な接触を重ねることで、顧客にとって自社が必要な時に、思い出してもらう存在になることが一つの目的です。
テレビCMといった多額の広告予算のない企業において、メールはフリークエンシーを高めるための手法の一つだと思います。

ニーズが顕在化した時に、どのように自社をキャッチしてもらうか。とっても大事ですね。

ブランドは、消費者の認識(ブランドのパーセプション)の数だけ存在する。これは、企業から発信された情報だけでなく、支援者(サポーター)とブランドとの関係や、支援者(≒既存顧客)から一般消費者(≒新規顧客)へのクチコミによって大きく影響を受ける。テレビや雑誌にきらびやかな広告を出稿しても、周りの友人や同僚がそのブランドをこき下ろしていれば、それが消費者の「認識」としてセットされてしまう。ソーシャルメディア時代のブランドマーケティングは、かつてなほど、レピュテーションマネジメントが問われる時代になった。

先ほど記述したZMOTを形成するTMOTにも通じる話。
クチコミは自社の味方にもなれば、敵にもなる。どのように向き合うかをきちんと考えないといけないですね。

競合よりもマーケットシェアが低い企業は、どう戦えばよいのだろうか。
ニューバランスジャパンでマーケティングディレクターを務める鈴木健氏は、3つの戦い方があると説く。
1つは、接触頻度を高めることによるメンタルアベイラビリティーの向上、2つ目が徹底したクリエーティブの工夫によるマーケティング効果の向上、3つ目は業界大手企業の戦略ミスへの準備である。
ビジネスやマーケティングの世界に即効性のある魔法のつえは存在せず、一貫性のある戦略を高いクリエーティブで実行し続け、上位企業が戦略ミスをした際、シェアの逆転劇が発生するよう、杖に虎視眈々と準備をしておくほかないという。

中小企業の皆さまへ特に届いてほしいですね。
ビジネスやマーケティングの世界に魔法のつえはない。私たちが戦う方法は地道にコツコツ、できることを継続するしかないのです。

企業の広告宣伝担当、プロモーション担当、商品パブリシティーの担当、事業部の商品担当は、口をそろえてこう発言する。「その施策は、どのくらい"実際の売り(売上)"につながるのですか?」と。
しかし、「売上目標〇〇万円の達成」「売上10%向上」「マーケットシェアを5%引き上げる」などの目標は、マーケティング全体の目標であって、広告の目標ではない。前出のダトカ博士も、「広告だけでこういった目的(売上やマーケットシェアの向上)はできない。トータルマーケティングの努力に対する広告の特定の貢献を測定したいのであれば、会社は広告の目的をもっと特定しなければならない」と喝破している。

上記は「広告」を引き合いとして出していたが、他の施策も同様だと思います。それ単体で売上やマーケットシェアが向上することはありません。さまざまな要素が集まって、それらは形づくられます。

一つの施策にフォーカスしすぎる、数値測定をガチガチに行うのではなく、売上を形成する要素をトータルで見にいきたいと思います。


以上、売上の地図の読書録でした。
他の読書録もそうですが、書きたいことが多すぎる…今回もかなり端折りました。笑

実は1回目に読んだのは少し前でしたが、改めて読書録としてまとめることで、さらに理解が深まった気がします。
読書録をまとめるのってやっぱりいいです。

売上の地図、事あるごとに何度も読み直したいと思います。

Twitterがんばっています。よければ覗いてみてください。

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