見出し画像

#47 「人望が集まる人の考え方」

今回の読書録は「人望が集まる人の考え方

私はwebディレクターにとって人望は不可欠だと考えています。なぜなら人望がない人からのお願いに気持ちよく応えたい人はいないからです。
webディレクターの仕事の多くは誰かに何かをお願いすることであり、人望の有無は仕事のクオリティに大きく関わると個人的には思っています。

本書は人間関係の小手先のテクニックを教えてくれるものではありません。人間の習性に基づいた実用的なノウハウを教えることが目的です。だからこそ多くの人に読まれているのだと思いますし、私自身もこの読書録で紹介したいなと思いました。ポイントを絞ってまとめてみます。


人間関係の最重要ポイント

本書では人間関係の最重要ポイントは「人々はたいてい自分の自尊心を満たすために行動する」ことであると述べられています。
これは相手の自尊心を満たせば人間関係はうまくいくとも言えます。

では"自尊心を満たす"とはどういうことでしょうか。自尊心を辞書で調べるとさまざまな意味や言葉が出てきます。
自分自身を大切にする気持ち、プライド、誇り、自負心…
プライドを満たすってなんだ?と、私自身これまでイマイチ腑に落ちていませんでした。ただ書籍の中の1つのフレーズが自分的に腹落ちできたのでご紹介します。

自尊心を満たす、それは「相手が自分自身をより好きになるのを手伝うこと」です。

人は自分が一番大切です。自分に一番興味があります。自分が重要だと感じたい生き物です。だからこそ自分を好きになる言葉づかいや振る舞いをしてくれる人に好感を覚えるのです。
書籍では別の表現で「相手の価値を確認するのを手伝う」とも書かれていました。

目の前の人が自分自身を好きになるためにはどんなコミュニケーションが必要だろう、そんな思考を持ちながら人と接すると関係を良好なものにできそうですね。

自分が求める言動と態度をとる

心理学の法則に「人間は相手の行動と態度に対して同じように反応する」というものがあります。
あなたが微笑むと相手も微笑みますし、あなたがしかめ面をすると相手もしかめ面をします。

webディレクターはプロジェクトメンバーにこんなことを期待するでしょう。

  • 困ったら相談してほしい

  • 些細なことでも報告してほしい

  • 不満や不安があれば素直に言ってほしい

こう望むのであればまずはディレクター自身が誰よりも相談し、報告し、素直になるべきです。相談されないディレクターは、相談しないディレクターです。
メンバーは自分の写し鏡であると考えましょう。

自信にあふれた態度が人をひきつける

書籍内ではこんなフレーズが紹介されています。

自信にあふれた態度をとることは、自分の魅力を高めるための最も重要なことのひとつ

例えば優秀なセールスマンは自信にあふれた態度をとり、自信にあふれた表情をしています。顧客はそんな姿に魅力や期待を感じ、そのセールスマンに信頼を寄せるのです。

ここでいう"自信にあふれた態度"というのは偉そうにすることではありません。ちょっとした仕草や振る舞いから相手はあなたに自信を感じます。
例えば

  • 背筋を伸ばして堂々と歩いている

  • ハキハキ話している

  • 言葉尻を言い切っている

自分を信じているように振る舞えば、相手はあなたを信頼する。このことをよく覚えておこうと著者は述べています。私も意識していきたいです。

話を聞く人は「利口な人」と評価される

聞く力が大事〜といったことはさまざまな書籍で語られています。私がこれまで書いた読書録の中でも何度も出てきたフレーズです。
そしてこの本でもそれは語られていました。

ほとんどの人は利口そうな発言をして自分を高く評価してもらおうとします。しかし多くの場合、それは"利口ぶる人"という評価で留まってしまいます。
著者は利口な人と評価してもらいたければ、相手の話にじっくり耳を傾ければいいと述べています。
なぜなら人は自分の話を聞いてもらいたい生き物だからです。ゆえに自分の話をキチンと聞いてもらえる、それだけで自然とその人を高く評価します。

ある賢者はこんな言葉を残しています。

神様は人間にふたつの耳とひとつの口を与えた。話す量の2倍を聞くことにあてるように意図したからだ。

相手の面子をつぶさない

仕事をしていると時には議論になることもあります。議論においても自尊心を守ること、傷つけないことが非常に重要です。自尊心を傷つけられるとこちらの考え方を頑として受け入れようとしません。
そのためのルールが6つ紹介されていましたが、そのうちの1つ「相手の面子をつぶさない」を取り上げたいと思います。

相手があなたに賛同して自分の意見を変えたい、そんな時もあるでしょう。この時に注意しないといけないのは相手はすでに自分の意見を表明しているので、今さら立場を変えづらい状態にあることです。あなたに賛同する=自分の間違いを認めることになるわけです。

相手の面子をつぶさないために私たちがしなければならないのは、相手が面目を保てるように逃げ道を準備することです。
逃げ道を準備する具体的な方法として「相手が事実関係を把握していなかったことにする」があります。
例えば

  • 事実関係を把握していなかったのですから、そう考えるのも当然です

  • 私も最初はそう思ったのですが、事実関係を知って考え方が変わりました

  • このような状況では、どんな人でもそう考えると思います

このように自分と相手との間に情報の非対称性があったことを示すことで「それなら仕方ないか…」と相手は面目を保つことができます。

webサイト制作のプロジェクトでもクライアントや社内メンバーと議論になることは少なくありません。スムーズな進行管理を任されるディレクターとして、相手の面子をつぶさないコミュニケーションを心がけていきたいと思いました。


以上、人望が集まる人の考え方の読書録でした。

本の帯に「半世紀を超えて読み継がれる人間関係のバイブル」と書いてありましたが、事あるごとに読み返したい素晴らしい1冊でした。
冒頭にも書きましたが本書の目的は、人間の習性に基づいた実用的なノウハウを伝えることです。その片鱗がこのnoteでも伝わっていたらうれしいです。
他にもさまざまなノウハウが書かれていましたので、気になった方はぜひ読んでみてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

X(Twitter)がんばってます。ぜひ覗いてみてください。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?