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開けてビックリな家

外観と内観の印象が全く異なる家ってありますよね!
玄関を開けたら、あまりにイメージが違ってビックリ!!
と言うことでしたら、毎日の帰宅が楽しくなりそうですね!!

しかし、マイナス面の「開けてビックリ」もあるのです。


■見えないところが大事なのは分かっているはずです

1、人の健康も内臓や骨が大事です

肌がスベスベ、ツヤツヤであることは老若男女問わず良いことだと思いますが、肌に直接塗るなどの肌ケアと共に、日々の食生活、睡眠なども重要ですよね。

表面だけをいくらケアしても、見えない部分、内蔵やストレスなどの影響の方がむしろ重要であると思います。

住宅も同様です。
壁紙やフローリングなども大事ですが、骨組みであったり、断熱であったり、見えない部分によって、その家の健康状態は大きく変わってきます。

2、見えないところに魂が宿る

「職人」と呼ばれる技術者が激減している現代では、技術の継承はおろか、現場で作業する人材の確保ですら危ぶまれています。

しかし、職人の人口が多かった昔でも、その全てが確かな技術・知識を持ち、自分の仕事に誇りを持つ職人とは限りません。

昔から、薄利多売なローコスト住宅はたくさんありましたし、むしろ、現代よりも人口が増加していた時代、かつ、持ち家志向が強かった時代、ですから、同じような姿形をした超低価格建売住宅もたくさん造られていました。

そうした現場には、どうしても、人件費が安い作業員が集められがちですので、必ずしも、大工職人と名乗れるほどの技術者が作業したとは限りません。

もちろん、技術は無くとも、良い家を造ろうとする強い気持ちさえあれば、見えない箇所にまで気を配るでしょうが、そうならない事の方が多いように思います。

そして、開けてビックリ現場が生まれていきます。

3、昔はリフォームなんて考えていなかった

日本の住宅は諸外国と比べると、圧倒的に短いサイクルで建替えられてきました。

もちろん、耐久性の懸念があるなどの理由で超低価格建売住宅たちがサイクルを短くしてきた面はありますが、日本人は古い家を住み継ぐよりも、新しい家を好む傾向があったのではないかと思うほど、世代が変われば、家も変わってきたのが日本の住宅環境だったと思います。

ですから、見えないところに何かがあったとして、
次に開けられるのは、その住宅が解体される時だと想定されていたのかもしれませんが、急激に住宅のストックが余りつつある現代では、政府もストックの有効利用を推進する動きが加速しています。

それにより、建て替えよりも、大型リフォーム、大規模リフォーム、リノベーション、を選択する消費者が増えてきています。

そうして、隠されていた時限爆弾が露わになってきているのです。

4、どんなビックリがあるか

私の経験で最も多いのが、意味が分からない不思議な納まり です。

意味が分からない不思議な納まり
はおそらくは知識不足による構造や性能を満たさない設計・施工、設計者と現場の連携不足、などが原因ではないかと思いますが、なぜ、このようになっているのか見ても理解出来ない納まりを見かける機会が少なくないです。

施工ミスや設計ミスを隠しているのではなく、単純に分かっていない方が設計したか、施工したか、としか思えない状況に見えます。

次に多いのが、不自然な材料の使用 です。

不自然な材料の使用
は本来使うべき材料を使わずに、別の材料や半端な材料などで何とか納めているのを度々見かけます。

材料が足りなかったのか、それとも、使う材料を理解していなかったのか、とにかく、材料の有効利用とは到底思えないような不自然な材料で何とかしている状況に見えます。

5、開けるまでは何とか保っている

設計・施工品質や材料の品質などが著しく低くても、
大規模な災害などに見舞われなければ、意外ともっている住宅はたくさんあると思います。

しかし、開けて見ると、これまで保っていたのが不思議なほど、脆弱な構造、事故や劣化を誘発しそうな納まり、などが露わとなります。

もしも、何かあったのであれば、もっと前に何らかの処置が必要になるので当然のことですが、いざ、リフォームをしようと工事がスタートしてみてから発覚する現場があるということです。

6、対処方法は2つ

直すか、直さないか、です。
見て見ぬふりをするかどうかということです。

直す方が良いに決まっていますが、
当然、リフォーム費用にプラスとなります。

初めから想定されていて、見積りに含まれていれば良いですが、
相見積などコスト重視で計画した場合には「省かれている」ことが殆どだと思います。

なぜなら、依頼されていないこと だからです。

想定して、見積り金額が上がったことで受注できなかったら元も子もないですから、言われていないことは含めないですよね。

しかし、
開けてビックリがあったとして、その後の対応がカギとなります。
現場を止めて、直すか、見なかったことにするか。

元請け業者が自社施工しているのであれば、瞬時に判断、決断して、変更等に対応できるかもしれませんが、下請け、孫請け、となっている現場では、立ち止まる猶予はないでしょうし、判断出来る方が現場にいないことも多いので、対応するのは難しいかもしれません。

止めたとしても追加の費用をいただけないのであれば、依頼されていない工事ですから、そのまま工事を再開せざるを得ないです。

プロだとしても、見えないところまでは想定できませんし、そもそも、金額の安さを求められていたはずです。

■だから見積書が大事

見積書の表紙を見比べて、一番数字が低い所を選んでも全く問題ありませんが、なぜ安いのかについては少しは想像しておいた方が良いかもしれません。

■だから造る人が大事

初めから、しっかり造られていれば、その後の修理修繕、メンテナンスで費用を抑えることが出来るかもしれません。

■最後までお読みいただきありがとうございます