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「葬送のフリーレン」、最初の2話で感じるキャラクターの厚みの話

「ガルクラ」の感想記事が多くのアクセスを頂けてまして、放送中アニメって強いな~と、昨年オトナプリキュアでも感じたことを再認知しております。
自発的にアニメを1話から観る事が少なく、周囲で話題になっていて「観てみるか…」と腰を上げることが多いので、常に一歩二歩遅れて視聴する私ですが、ガルクラはなんとかトレンドに乗れているようです。

さて、そんなガルクラとは別に、また一段と遅れて観ている作品があります。「葬送のフリーレン」です。

本放送が終わってから追い始める辺り、昔の地方民のようですね私

架空のキャラに必要な要素が詰まっているフリーレン

わざわざ記事にしている割には…ですが、まだ2話までしか観られていません、なので作品の感想を語るところまで行ってない、のが実情です。
じゃあ何を書くんだ、って話ですが観るのはこれからであっても、この作品が先日まで半年間放送され高い人気と話題性を誇っていた事は知っています。そして最初の2話を観た段階で、「キャラ造り」の重要な部分を感じ取ったので、創作者として記しておきたくなったんですね。


80年代からアニメを観てきた中年の私ですが、特に2000年代以降アニメが「キャラクタービジネス」に偏向しているのを感じています。もちろん昔からそれはありますが、特に美少女キャラ盛りだくさんのアニメが増え始めたのは21世紀に入ってからではないでしょうか。登場するキャラクターそれぞれのグッズが、人数が多いほど沢山売れる…それに則った作品が増えて、アイドルものなどが目立ってきたんですね。
その是非については語る気はありませんし、キャラクター人気が第一な作品が悪いとも思っていません。

この「葬送のフリーレン」も、主人公はエルフの魔法使い、そして相棒?弟子のフェルンも少女…つまり、メインキャラは美少女です。
可愛い女の子が出ていれば男性視聴者は食いつきやすい訳ですが、極端にも男が一切出て来ない作品まであったりしますね。スタァライトなど、警察に行く場面でも婦警さんしか出てこなくて笑っちゃったほどです…一応男はキリンが居ましたが。

そして、アニメキャラは何年経とうとその美少女のままで居ます。二次元の存在の強みですが、触れられない存在であるがゆえに何年でもそのままを好きでいられる訳です。
ところが、このフリーレンは何年経とうと見た目が変わらないことが人間の仲間を失っていく寂しさとして本人に覆いかぶさっている…という、言わば「漫画キャラの特性」を皮肉ったかのような物語になっています。

例えば、先日のオトナプリキュアのように少女だったキャラの数年後を描いた作品であれば「その後の姿」を見る事になります。あれは全員とても綺麗に大人になっており、中学生のイメージのまま大きくなっていたようですが。
現実ではなかなかそうもいかず、子供の頃からは想像も出来なかった風貌に変わっている人もいますよね。だからこそ変わらない漫画・アニメのキャラに安心感を覚えたりするのですがフリーレンはそれこそが主人公の葛藤になっている、ここが新しいと思いました。
ここで言いたいのは、「美少女なままのアニメキャラはまやかしの存在だ」というパラドックスではなく、

「心から好きになったキャラクターとは、結局内側に惹かれているものである」

という、虚構であればこその真理を感じたという話です。

フリーレンは、かつて共に冒険した勇者ヒンメルのことを知るべく旅路を再び辿ることにします。晩年のヒンメルを見ていても、フリーレンが語るのは「困った人を放っておけない」人間性の話です。
この作品が人気になったのは、そんなフリーレンの寂しさと仲間への慕情に共感する人が多かったためではないでしょうか。
人を惹きつけるために美少女の外見ではあるけども、人気の根幹はその性格、にじみ出る感情にある…架空のキャラクターとして、その生きた年月分の厚みを感じさせるのが、フリーレンではないかと感じましたね。

少し斜に構えた性格なのも、主人公としては珍しいかもしれません

人生は、何年あれば良いのか

この「葬送のフリーレン」、1話は勿論ですが2話でもフェルンの修行に4年、花探しに半年と時間経過がかなり豪快です。
このテンポだとフェルンもすぐに大人になってしまいそうですが、改めて思うのは人間の一生は短い、ように描かれることが多いというフィクションの傾向なんですね。

昭和の時代に、平均寿命は一気に延びたと言われています。医学の発達、生活様式の変化が主な要因であり、今や人生百年時代と言われています。長生き出来るようになったのは素晴らしいことです…が、それは心身が健康であるならば、という前提条件も付きますね。
思えばウルトラマンも、地球人の命の短さを自分達と比較して憂いていたものですが、だからといって人間が2万年生きられてもおそらくは辛いだけですよね、40代まで生きていても昔のことを全て覚えてはいられないのですから、あまりに長いと五体満足でも心が常に疲れている状態になりそうです。ウルトラマンと同じというのは極端ですが、そうでなくとも「ただの長生き」には意義がない…と考えます。そこに、フリーレンの設定とリンクするものを感じて、これは良い作品だな、と感じました。

まことに無知で申し訳ないのですが、フェルンは普通の人間ですよね?

ともかく、マイペースの極みになるとは思いますがこのフリーレンもボチボチ観ていこうと思っています。


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