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【LOY2023受賞】地方新卒フリーランスとランサーズの9年間

フリーランスでコピーライターをしています、中新 大地(なかにい だいち)と申します。
このたび私は、クラウドソーシングサービスの「ランサーズ」さんにて、年間表彰にあたる”Lancer of the Year 2023”を受賞させていただきました。

本記事では、ランサーズ歴=フリーランス歴の私が、ランサーズ登録から受賞までの約9年間や近年の動きを振り返りつつ、これから同じような道を志す皆様へのメッセージをお届けできればと思っています。

\中新 大地 プロフィール/
1994年生まれ 岡山県出身 フリーランス
フリーランス コピーライター/認定ランサー・新しい働き方LAB 岡山コミュニティマネージャー/岡山県高校地域コーディネーター
2014年、大学2年生の夏にランサーズに登録し、SEOライターの領域を開拓。大学卒業時も企業に就職することなく、新卒でそのままフリーランスに。
現在はコピーライターとして法人・個人・行政を問わず、上場企業から地域の工務店まで、広報やブランディングの領域をサポート。見えざるポテンシャルとバリューを最大化・見える化することをモットーとしている。
また、純粋なコピーライター業務のほか、コミュニティマネージャー/コーディネーターとして、多様なキャリアや価値観を広めるための講演・発信活動も行っている。

LOYアーカイブ
・表彰式(37:42)
・トークセッションPART1「新卒フリーランスという働き方」(1:00:45)
・トークセッションPART2 「つながり」から広がる新しい可能性(1:37:58) ・パネルディスカッション テーマ:「進む中小企業のフリーランス活用」企業はなぜランサーに依頼をするのか(2:16:14)

LOY2023受賞と近年のアクション、新卒フリーランス

受賞された皆様との記念撮影、右から2番目が私

受賞させていただいたLancer of the Year 2023のテーマは「つながる、つなぐ」でした。ちなみに今回で9回目の開催。

Lancer of the Year とは?
ランサーズで活躍中のフリーランスを表彰する、年に一度のセレモニーです。表彰式だけでなく、トークセッションやパネルディスカッションなども実施します。フリーランスの方、フリーランスとしてもっとレベルアップしたい方、フリーランスに興味のある方、副業や複業を始めたい方にとって、+αの思考やノウハウを得られる内容となっています。

【視聴無料】働き方の選択肢と‘‘学び‘‘を得る1日。新しい働き方の実践者の祭典 ~Lancer of the Year2023~
https://loy2023-online.peatix.com/  より引用

私自身もつながりに生かされているキャリアであることを実感していますし、そうしたつながりを次へ次へと紡いでいくために動いています。ランサーズが母体のコミュニティ「新しい働き方LAB」でのコミュニティマネージャー業、地域の教育機関や行政でのコーディネーター・講演業、専業副業を問わずフリーランス的キャリアを目指す方たちへのメンター業もそうした取り組みの一環です。ランサーズさんにはプラットフォーム上の数値だけでなく、こうした近年のアクションも評価いただいたと感じています。

また「新卒でフリーランスとなった(正確には大学2年生、20歳からフリーランス)」という点、もっと言えば新卒フリーランスでありながら、家庭を持ち生計を立てている点などのキャッチーさもあるかもしれません。
事実、私が参加させていただいたトークセッションも、新卒フリーランスに関するものでした。

新卒でフリーランスになった理由

まず、多くの方によく聞かれるそもそも…の話をしたいと思います。
私は大学卒業時に企業に就職することなく、新卒でフリーランスになりました。正確には大学2年生頃から現在のような仕事(当時はSEOライターが主戦場)をしていたので、「大学卒業後もフリーランスを継続することにした」の方が正確かもしれませんが…。

新卒でフリーランスになった理由は主に2つ。

1.幼少期から両親が共働きで家にいないことが多かった。自分の子どもには一緒にいてあげられる時間を柔軟に確保したい

2.地方の働き方の選択肢は限られている。自分は新卒フリーランスという働き方を生きながらにして開拓、ロールモデルとして体現していきたい

新卒フリーランスというと、インターネット上ではキラキラした方の発言やアクションが目立つ印象です。一部では『フリーランス最高!会社員じゃなくて良かった!』といった声も。しかし、私はフリーランスと会社員のどちらが良い悪いではなく、個人の大切にする価値観やライフスタイルによって、誰かに否定されることなく選べる社会にすることが大事だと思っています。
ここで深掘りはしませんが、価値観云々の前に昨今は介護・育児の問題も深刻です。家族の多様な形や必要に応じて、働き方も柔軟に変えられると良いと思うんですよね…。
そうした社会の寛容性を育むためにも、「ちゃんとやっていけている人がいるんだ」というロールモデルが必要だと思っていて。自分ならその役割を担えるのではないかと思い、新卒でフリーランスになる(続ける)という道を選びました。

ちなみによく言われる『親からの反対は?』ですが、「なかった」というのが正直なところです。
私は中学の頃から母子家庭育ちとなったのですが、母の教育方針は”放任ではなく放牧”であり、自分の力で生きていけるのであればやりたいようにやればいいというスタンスでした。
逆に大学のキャリア担当の方からは、『厳しいと思うよ』とはっきり言われましたが、「それでもやりたいです」と全くぶれなかった自分の意志にホッとしたのを覚えています。
ありがたいご意見ではありましたが、やはり最後に信じるべきは自分です。自分を信じられたからこそ、乗り越えられた壁があります。
現在では大学や高校を含めて、さまざまな場所で講演をさせていただけるようになり、フリーランスに対する風向きも変わりつつあるのを感じています。
↓参考いただきたい別記事↓

つながりから生まれる経済圏・心理的安全性

私たち大人を取り巻くキャリアや教育論にもさまざまなトレンドがあります。最近では「リスキリング」や「リカレント教育」などでしょうか。なんだかどれもカタカナで難しいですね(笑)。
ただ、数あるトレンドのなかでも私個人が特に注目しているのが「本来は個であるフリーランスが、同じフリーランスや会社員の方々とチームで働く」というトレンド。より具体的に言えば、そうした「”つながり”によって生まれる経済圏と心理的安全性の創出」です。これは一過性のものではなく、今後も長きにわたって重要視されていく、フリーランスの生存戦略になるように思います。
もしかすると、私たちフリーランスに一匹狼の印象を持つ人は多いのかなと思いますが、これからを生きるフリーランスであればこそ、連携は欠かせないと実感しています。連携ができなければ、増加傾向にあるフリーランス人口のなかで差別化ができないだけでなく、最近注目されているAIへの有効な対抗策も打てないのでは…とも感じています。

それぞれの領域でプロとして生きる自分のアウトプットと誰かのアウトプットによる相乗効果は絶大。私自身も多くのフリーランスや会社員の方とチームを組み、さまざまな仕事に取り組んできました。
最近取り組んだものだと、福岡県にある能古島の離島DX企画とか、Udemy Japanさんとのメンター企画とか

フリーランスのチーム化によってクライアント(発注)側・フリーランス(受注)側ともに多くのメリットを享受できます。ここでは一部をご紹介します。
なお、LOYでもこの話題はほかの受賞者の方がお話されていました。私の周囲でも一定の収入を得ているフリーランスこそ、チームで動いている印象を受けます。

~クライアント側メリット~

・フリーランス個々へ依頼を出す労力の節約、リソースの確保
→フリーランスのディレクターを挟むクライアントも増えている印象です。社内で決裁権を握り舵取りをするはずの社長さんがバタバタしているケースを見かけます。間にディレクターを挟めば、社長さんが本来行うべき業務にリソースを集中できるようになり、業績が上がる可能性も。
・外部人材の登用による、公平な意見の集約
→社内の方は『意見して仕事を増やしたくない』『そもそも上司が作ったものに文句は言えない』といった背景がありますが、フリーランスはそういったしがらみがありません。事業の今後を考えて、俯瞰的視点から改善策を提案することができますし、チームであれば打てる手段も豊富です。

~フリーランス側メリット~

・プロ同士のスムーズな連携
→クライアント同様、フリーランスも互いにスムーズに連携がとれるので、業務がスムーズに進みます。
・制作物の昇華
→私の場合、以前は自分のキャッチコピーが、納品後に意図しないデザインで用いられることがありました。が、事前にデザイナーと連携することで、自分にとってもクライアントにとっても、より良い形で完成させられるようになりました。
・上流にある大型プロジェクトへ挑戦できる
→得意を引き出し、苦手を補い合えるフリーランスのチーム。プロジェクトの立案などの上流部分から携われるようになり、ひとりでは難しかった案件にも挑戦できます。

ちなみにフリーランス同士の連携は、仕事のみならずフリーランスとしてのキャリア構築やメンタルケアにおいても、大きな心の支えとなります。私も以前は個人プレーが多く、自分の社会的な立ち位置や人材として価値を客観視ができなかったことで孤独感を強めていました。
しかし、自分と近いワークスタイル、ライフスタイルを持つ人たちと情報共有できるようになってからは、メンタルが安定しただけでなく、自分の持つスキルを言語化・客観視できるようなり、結果として仕事のパフォーマンスも向上したように思います。

話は戻りますが、横断的に利用できる経済圏や心理的安全性を持っておくことで救われる方は多いはず…。これは専業フリーランスに限らず、副業を志す会社員の方も同じなのではないでしょうか。

選択肢は誰かに選ばされるものではなく、自分で選ぶ・自分で選ばないもの

多くの人が前述のような経済圏や心理的安全性を確保できるようになれば…。
あるいは実験体とも言うべき私のような存在が、継続的に社会に貢献できていることが証明されれば…。今はまだまだ一般的ではないフリーランスという働き方が、ひとつの選択肢として考慮されるようになると思っています。

また、
「選択肢はできればたくさんあるに越したことはなく、誰かに選ばされるものではなく、自分で選ぶことも、選ばないこともできる状況が良い」
と私は思っています。現在、地方だとどうしても働き方や職業の選択肢が限られていたり、情報格差や学習・交流などの機会損失だったりに直面することが多いです。こうした状況も少しずつ打破していきたい。。。

その先には
・自分も家族も無理なくゆるやかに過ごせる未来
・多様な生き方や働き方を誰かに非難されず、応援される社会
・地方でも自分の持ち味を存分に発揮できる
があると思っています。

繰り返しになりますが、私が一部の方から無謀と言われても新卒でフリーランスを継続してきたのは、一種の成功例…というよりは実際に生存できることのロールモデル(早い話、実験体です汗)となるためであり、そうした将来へ多くの方がアクセスできるよう動線づくりをするためです。

今後もイベントの企画や運営、講演やメンタリング、コラムの執筆などを行っていけたらと思いますので、お手伝いできることがありましたら気軽にお声がけください。
Twitterからで大丈夫です

駆け出しフリーランス、副業へ挑戦される方へのアドバイス


大変僭越ではありますが、駆け出しフリーランスの方や、これから副業へ挑戦される方へのアドバイスをさせていただきます<(_ _)>ここでは絞りに絞って5つだけ。
現状仕事が上手く獲得できていない方や、他のフリーランスとの差別化で苦心されている方はご参考ください。

1.「できる」だけでは不十分、そこから提供できる価値にも言及しよう

『SEOライティングができます』『魅力的なキャッチコピーを提案できます』『ロゴが作れます』『Webサイトを構築できます』と、”できる”が言える方は多いです。逆に言えなければ仕事はとれないので当然ではありますが…。
ただ、できるその先に待っている”価値”に言及できている方はグッと減ってしまいます。SEOライティングによって導き出せる数値的な効果、コピーライティングによって企業が叶えたかったブランディングなどなど…。
これが言えるようになると、発注側は依頼イメージがしやすいだけでなく、社内での稟議も通しやすくなるはずです。
自分のできること、そして”できるに紐づく価値”を言語化し、クライアントが享受できるメリット・果たされる明るい未来を売り込みましょう。

2.初心者アピールをせず、スマートに動こう

駆け出しの方の多くが、仕事を提案する際に『初心者ですが、精一杯頑張ります』とPRをされているのを見かけます。ですが、これはおすすめしません。
クライアントは社内ならともかく社外の人材を一から育てるのに、それほど多くのコストは払ってくれません。厳しい言い方にはなりますが、最初から依頼したいのはプロなのです。初心者だからともじもじしている人に依頼を出すのは、リスクととられかねません…。
もっとも、親切かつ長期的なお付き合いを検討しているクライアントであれば、根気強くサポートしてくれるでしょう。しかし、その場合は足元をみられかなり安い単価で依頼を出されるケースも…。もちろん、勉強代・修行ととらえられるのであれば構いませんが、どこかで脱初心者は必ず果たされなくてはなりません。
『じゃあ経歴を盛ればいいのか?』という話でもありません。皆さんに心がけていただきたいのは、クライアントに対して根拠のある丁寧な提案、そしてしっかりとした受け答え。そして、自分が持っている経験やスキルと、クライアントが求める人物像とを照らし合わせて、適切に魅せていくスマートさです。

3.クライアントの悩みのその先へ

フリーランスに依頼をしてくるクライアントは、多くの悩みを抱えています。しかもそれは表面上に出ている悩みAのほかに、実はどうしようか悩んでいるが優先順位の低い悩みB、クライアントがまだ気づいていない悩みC
もあったりします。
悩みAの相談の際にもらう資料やクライアントのやり取りから、悩みBや悩みCを察する→改善策を提案できるようになれば、それが信頼となり仕事となります。
クライアントの別の悩みや隠れた悩みを察し、その先を提案できるようになりましょう。

4.コミュニティに入ろう、SNSでつながろう

前述の『つながりから生まれる経済圏・心理的安全性』の項でもふれましたが、フリーランスのチーム化は大きな可能性を秘めています。
向き不向きもあるとは思いますが、誰かと一緒に働く可能性を完全に捨てるのはもったいないのでは…と私は思います。
もちろん、すべての仕事をみんなでやれというわけではありません。
時にはひとりで時にはみんなで…。プロジェクト・場所・業務・必要スキルによって、チームを組む、ゆるやかなつながりで良いと思います。
チームを組みたいと思える人と出会うためにも、コミュニティに入ったり、SNSで仲間を見つけたりするのがおすすめです。お互いの興味関心や得意を開示し、チームを結成・成長させていきましょう。

5.旗を立て続けよう、旗を振り続けよう

最後です。
あまり精神論は言いたくないのですが、、、やはり”続けること”が何よりの秘訣だったりします。
どれだけランサーズの活用方法やフリーランスとして身を立てていくための計画があったとしても、続けなくては何も意味がありません。成功を目指して、しっかりと旗を立て続けましょう、旗を振り続けましょう。自分はここにいるよ、と。

私はこの9年間でたくさんの失敗も、いくつかの成功も経験しました。皆さんにお伝えしたいことはまだたくさんあるのですが、一旦ここまで。。。このほかは私のTwitterの発信個別相談のご依頼新しい働き方LABのイベント等でご相談・ご注目いただければと思います

Lancer of the Year 2023受賞をピークとしないために

最後になりますが、Lancer of the Year 2023という素晴らしい賞をいただけことに、最大級の感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
過去に開催されたLOYにも、オフラインオンライン含め、私は何度も参加させていただいていました。受賞されていく方々は皆さんキラキラと輝いていて、同じフリーランスとして尊敬の念を抱くと同時に、遠い存在のような距離感を感じていたこともあります。
ただ、実際にお話してみると優しく素敵な方ばかりですし、地道な努力を続けてこられたことがよくわかります。誰しも最初は駆け出しの時期があり、挑戦を続けてきたのです。そして今も、挑戦を続けています。

歴代の受賞者の方々がそうであったように、私も挑戦を続けていこうと思います。
今まで以上にクライアントの皆様とのお仕事に真摯に取り組むこと、スキルを精進させていくことをお約束いたします。そして”LOY2023受賞”という肩書きを胸に、ランサーズユーザーをはじめとした、多くのフリーランスの方の参考となるような発信を強化してまいります。
その先にはきっと、たくさんの素敵な「つながる、つなぐ」が待っていると信じています。

LOY2017の懇親会で秋好さんと。大学卒業直後、これからゆく道への想いを強くした1日でした。
LOY2023の表彰式で秋好さんと。ここから気持ちを新たに、前へ進み続けます。

いつも私の力を信じてくださるクライアントの皆様。素敵な場所を整えてくださるランサーズの皆様。そして、私を支えてくれる家族、友人、仕事仲間のみんな。
本当にありがとうございます。ありがとう。
今後ともよろしくお願いいたします。

2023.03.04 コピーライター/中新 大地


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