U-30ドリームトーナメント新利根編二日目

なんとか起床して会場へ。
フラフラになりながらセッティング。
他の運営陣の優しさを感じながら準備。

この日のフライトは40番台。
まぁ・・・悪くはないけども・・・


スタート前の独特の雰囲気。本当に好きです。

この日も勿論上流方向。
心なしか昨日より選手が多い。
多分初日スノヤワラで外した選手が川でまとめに来たんだろう。
ただそれも折り込み済み、だから遠くまで行くと決めた。

今朝の水神屋さんのメニューは混ぜご飯。
美味い。

移動中、中流域からかなり濁っている。
また浮草や藁?のゴミなんかも流れている。明らかに田んぼからの濁り水。

ただ新利根川でこういった時に濁り水が入ってくる水門はチェック済み。
川上流の真珠棚下水門と金江津の水門。
なのでこの二つを越えた自分のエリアは濁ってない・・・はず。
ちゃんと調べて分かってはいるけどドキドキしながらこの二つを越える。

メインエリアに到着。
昨日と変わらない!水温も!
イケる!

二日間、ずっと魚探はこの状態。
移動時のスピード、振動子によるプレッシャー(ホントにあるかは知らんけど)etc.を考慮して。
あくまで地図と時計。時々水温だけチェック。
もうプラの時点でメインエリアの地形は全部見た。
画面ばっか見てても僕は釣れない。

昨日と同じくビーバーのハイフリーリグで流していく。
しかし反応はない。
プラの時点で1日1本ずつは反応があったけど、仕事の兼ね合い上、二日連続で出れた日がほとんどなく、一番懸念していた事態が起きる。

これ二日間連続では釣れなくね?

これが2dayの本当に怖いところ。
昨日まで自信に満々で、ちょっと前まではイケる!と思ってたメンタルにヒビが入る。
移動?ルアーを変える?待つ?
ぐるぐると思考が巡る。

寝不足と疲れ、緊張で吐きそうになる。

けどここで迷ったら負ける・・・気がする。

対岸にも似たような矢板。
ただしあんまりプラの反応は良くなかった場所。(メインエリアはインサイドで流れが弱いけど、対岸は流れが当たり続ける。)

ただ水深はあるし、浮いてるメスという狙い方ではなく、フィーディングの魚なら?と考え、角の一番流れがキツく当たる場所へ投げる。


これの右手前側に矢板が入っている。
Basser谷川さんによる写真。
僕みたいな下手くそでも上手そうに
撮ってくれる天才。

投げる。ラインがバラに引っ掛かる、ミスキャスト・・・。しかしそのままラインが横に走る。
とっさにクラッチを切って、体勢を立て直しバスが走った方向と逆に思いっきり合わせる。
ラインはフロロリミテッド12lb(ハード)、僕が知る限りこの世で一番強いフロロ。
バラくらいなら・・・

イケる!

フッキングとともにバラの枝が弾ける。
流れに乗って走るバスをなんとか止めてランディング。

40くらいのサイズ。

なんとか繋がった。
ボロボロになったメンタルが少し回復。

昨日までとは違う魚(な気がする)。
なんか変わった?
冷えたからメスが差して来てない?
天気予報は帰着前から晴れて暖かくなる予定。
多分差すなら・・・この時間から・・・
ただ時間を考えるとその時間までここにはいられらない・・・どうする?

もう一度、メインエリアを流し、ルアーを変えて対岸も流す。
反応は続かない。

他の選手も入ってくる(ちゃんと声かけてくれましたのでヨシ)


うーん・・・


捨てよう・・・

そしてちょっと下流、水深があるアシ。
いつもはヘラ師の方々がいっぱいいるけど、日曜日はいない事は確認済み。

ひたすら無心で、無音で、ファットヤマセンコーのノーシンカーを撃ち続ける。

WBSで金栗さんと長岡さんに見せてもらった釣り。
ひたすら丁寧に無駄なく、ペンペン草も生えないくらいの密度で撃っていく。

昨日より少し増水、昨日はノンキーしかいなかったけど今日はいる・・・気がする。

クラッチを切る音、ルアーの着水音、そして降りつづく雨の音。
他には何も聞こえない。
ひたすら無心。

そしてふいにラインが横に走る。

溜めてから思いっきり合わせる。

そしてそのまま宙を舞うバス。

小さい!けど(キーパーサイズ)ある!

こういうサイズで下手にネットを使うとバレる!
とっさの判断でそのまま抜きあげ、脱ぎ捨てたびしょ濡れのレインコートに突っ込む(後で結構後悔した)

キーパースケールで確認。
30はないけど、25はある。
キーパーサイズを再度確認。
大丈夫!

あと1本、あと1本で・・・勝てる。

この時点で残りの釣り出来る時間は一時間弱。

このまま流すか?予報より早く暖かくなってきたからもう一度メインエリアに戻るか?

初日のトップとの差、元々の予想ウェイト、今持ってる魚のウェイト、釣れた魚の状態。

迷う、めっっちゃ迷う。

そして判断。もう一度メインエリアを流す。

流れが当たる場所にフィーディング。
当たらない場所に差すメス。
どちらか1本でも入れば勝てる。

このままアシで流してもノンキーの可能性や釣ったところで勝てない可能性。

1本を獲れば…

制限時間が迫る。
黙々と撃ちつづける。

時計とバンクをひたすら交互に見る。

あと10分・・・

あと5分・・・

あと3分・・・

あと10投・・・

あと5投・・・

あと3投・・・

ラスト1投!




何も起こらない。


現実を受け入れ帰着へ

正直勝てはしないだろうと分かっていたけど、もしかしたら、もしかしたら・・・と


2本で1325g 
目標の4kgには届かず。

二日間合わせて3635g
目標まで届かず、あと1本が本当に遠かった・・・

結果は3位(4位の加藤さんと同ウェイトだがフライト順の関係で。ここは本当に運だけ。)
1位の鈴木さんとは350g差。

また幸せまで一本足りない辛島。

正直結果を残せた安堵感や、このメンツには相手になんとか戦えたこと、それなりの満足感を感じているのも事実。

ただTOP50やWBS選手は直前まで別の試合があって、プラに満足に入っていた訳ではないし、遠征組だって予算や時間に限界はある。
そんな中、毎週末釣り出来ていながらサブパターンまで探せなかった事、
あと1本、本当に1本を探し出せなかった事が悔しくて悔しくて。
日に日に増していく気持ち。

嬉しいけど悔しい。

とても複雑、だけど釣りをしてたから、トーナメントに出てたから、味わえる気持ち。

街中で過ごす普段と変わらない毎日でこんなドキドキは見つけられない。
たかが魚釣り。けど大人が本気で心から叫んだり、悔しがったりと感情が揺れる。

だからこそまた夢中で僕は釣り場に、トーナメントに向かうんだと思います。

おわり

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