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AI時代のリーダー育成 自然体験✕プログラミング的思考「デジタルガキ大将キャンプ」――トヨタ白川郷自然學校で9月に開催

近年、プログラミング的思考の重要性が問われ、教育現場でのプログラミング教育が求められるようになっている。一方で、自然環境の中でのさまざまな体験も、子どもの生きる力を育むために必要だともいわれている。この両方を組み合わせたユニークなプログラム「デジタルガキ大将キャンプ」が9月の連休に開催予定で、現在参加者を募っている。

デジタル領域と自然体験領域の学び

小学3~6年生とその保護者を対象に、現在募集が行われている「デジタルガキ大将キャンプ」は、9月16~18日の2泊3日予定のプログラムで、「にほんげんき」の企画協力の下、開催地となる「トヨタ白川郷自然學校」が実施する。

AIを中心とするテクノロジーが急速に進化する今、そのシンギュラリティー(技術的特異点)後の人材育成が本キャンプの目的だという。デジタル領域と自然体験領域での学びをバランス良く組み合わせることで、真のICT教育と生きる力を育むことを目指しカリキュラムが組まれる。

生きるツールとして”デジタル”に向き合う

従来の「自然体験学習」の中で取り扱われてきた火やナイフといった生きるツールに“デジタル”を組み込み、テクノロジーとしてではなくツールとしての向き合い方や態度、生きる力としてのプログラミング的思考の基盤づくりが特徴になるそうだ。

具体的な活動としては、スクラッチを使い「森のデジタルマップ」や「大窪池デジタルマップ」のプログラミング体験、実際に大窪池を散策しながら魚や虫、植物のスケッチや記録を行うフィールドワーク、テント張りや夕食時の火おこし、伝統技術体験といったものがスケジュールに組み込まれている。

テントでの野外泊や自然体験活動を通じて、生き抜く道具として、火やナイフ、デジタルテクノロジーに向き合う思考を育む

コーチングスタッフの一人である、東京大学大学院情報学環特任研究員の倉本大資氏は、「どのような環境であっても受け身ではなく、モノ・コトを起こし作り出していく力や感覚を備え、作る側に立つことを少しでも経験し未知の環境に立ち向かえる力の源泉としてほしい。デジタル環境と自然や野外活動は対比されることが多いが、どちらも子どもたちにとって大切なフィールドであり、自分たちでよりよい未来に変えていけると考えています」とコメントしている。

「デジタルガキ大将キャンプ」基本情報
会場:トヨタ白川郷自然學校 (〒501-5620 岐阜県大野郡白川村馬狩223)
実施期間:2023年9月16日(土)~18日(月・祝) 2泊3日※雨天決行
募集対象:小学3~6年生とその保護者(募集定員:親子15組※子どものみの参加も可能)
参加費用:親子1組(子ども1人+保護者1人)29万7000円(税込み/朝食2+昼食3+夕食2 付/テント1泊+ホテル1泊)
※子どものみの参加の場合は、1人14万8500円(税込み)
申し込み:トヨタ白川郷自然學校 申し込みサイト
募集締め切り2023年9月1日

世界遺産白川郷拠点の自然体験型宿泊施設

実施場所となる「トヨタ白川郷自然學校」は、世界遺産白川郷(岐阜県)を拠点とした白川村に、同村と環境NGOが連携して立ち上げた自然体験型宿泊施設だ。地域に根差した環境教育プログラムの提供や、SDGsに着目した社会課題への取り組みにも注力した運営が行われている。また、トヨタ自動車が提唱する「トヨタ環境チャレンジ2050」の一環として、生物多様性の保全活動とともに、人と自然が共生できる社会を目指したESD(持続可能な発展のための教育)を実践する場ともなっている。

本施設では、今回のキャンプ以外にも個人の宿泊や団体向けプログラムも提供しているので、興味ある方はこちらのウェブページも確認していただければと思う。

文:遠竹智寿子
フリーランスライター/インプレス・サステナブルラボ 研究員

トップ及び文中画像:トヨタ白川郷自然學校/にほんげんき
編集:タテグミ

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