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GDL-SDLの変容のためには思考・行動・エコシステムまで含むという発想が大事

 最近訳あってNewsPicksに戻ってきた。今日は、「富士通、モデル転換正念場 クラウドに軸、営業6割増益なるか」の記事にコメントした。

 GDL-SDLの変容は、思考、行動の変容を伴うが、それを起こす組織のみではなく、その周りのエコシステムの変容まで考える必要がある。salesforceは、GDL視点ではアプリケーションレイヤーであったが、SDLでは、アセットとエコシステムを保持するキープレイヤーだ。変容を自組織のみでなく、周りのシステムまで認識することが大事。

 これまでのGDL(Goods Dominant Logic、もの中心的論理)では、物理的なものと技術の差別化が競争原理の源であった。そして、HWの上位にできたプラットフォーム、サービスレイヤーの台頭によって、物理レイヤーのみによる優位性が崩れた。

 しかしながら、そうだと言ってプラットフォーム上のSIに基軸を移すと、収益が上がらないことは証明済みだ。つまり、サービス開発には人件費がかかり、生産性が低下する。それを解決するための研究は2000年代からIBMが大学と進めてきたService Scienceが一例である。

 このプラットフォーム上で何が競争優位の源泉となるかを見極める必要がある。その一つは、プラットフォーム上のミドルウエアともいえるアプリケーションアーキテクチャ、アセットが鍵である。SDL(Service Dominant Logic, サービス中心論理)にはそれなりの競争原理があるのだ。

 物理的な製品の競争時には、HW, ミドルウエアまでが武器商人の役目であり、アプリケーションレイヤーに上がることは、はばかれた。一方、プラットフォームが競争のベースとなった今、その上のアセットが狙い目なのである。また、それらのアセットを保持しながら、最終ユーザーである顧客との共創によって価値提供が行われるエコシステムこそ、優位性の源である。企業の未来は、単なるSIerからの脱却をいかに方向づけるかにかかっている。

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