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「出産」を考える「星のせいにして」

<文学(31歩目)>
「出産」を経験できない男性にこそ読んでもらいたい。「出産」を考える作品。

星のせいにして
エマ・ドナヒュー (著), 吉田育未 (翻訳)
河出書房新社

「31歩目」はアイルランドのベストセラー作家から、男性には知識として理解できても本質がなかなか伺いしれない「出産」と「女性の権利」について学ぶ作品です。

作者のエマ・ドナヒューさんはアイルランドの人気作家です。

ここ最近の作品は全てベストセラーで、映画化されると「アカデミー賞」にノミネートされています。

この作品も、映画化を意識しての作品で、展開に無駄がなく、そして映像に訴えるような秩序で展開されています。

おそらく「映画化」されるのでしょうが、この作品こそ「文字」の方が伝わりやすいと感じました。

帯を見ると「パンデミック作品」(この作品は「スペイン風邪=インフルエンザ」)をあおっていましたが、「パンデミック」ものとしてではなく(本国での出版時がCOVID19の感染拡大期)、シンプルに「パンデミックと闘う女性看護師」且つ「出産と感染が一緒になった女性を救うための闘い」を主体として、100年前の「女性の権利獲得」をテーマにした作品として読んだ方が理解を深められると感じました。

どうしても、病院内の出来事が主体となるので、映像化すると「赤」がより強く出る作品になるかと思いますが、「文字」で追うことにより「赤」に塗り尽くされないで、ドナヒューさんが伝えたいことが響くと思います。

私たちがアタリマエの様に考えている「女性の権利」も、多くの出来事の結果として獲得したものであることも理解できる作品です。

「出産」についての本質を理解するためにも、是非とも男性に読んでもらいたい衝撃作です。

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