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「英雄」と「粛清される者」は紙一重「日蝕: Sonnenfinsternis」

<文学(91歩目)>
緊張感伴う古典小説から「全体主義」を学ぶ「日蝕: Sonnenfinsternis」

日蝕: Sonnenfinsternis
アーサー・ケストラー (著), 岩崎克己 (翻訳)
三修社

「91歩目」はアーサー・ケストラーさんのうしなわれた作品がよみがえったもの。

この作品は、「全体主義」の空気を強く感じた。

特に、革命の英雄から転落して粛清の対象になる過程において、主人公のルバショウも、そして誰もが歴史の中の「歯車」に過ぎないこと。

牢獄につながれ、拷問を受ける側も、拷問する側も、些細なことで逆転しうるほど「ナンバーワン」以外は大切な生命も、思想も全て消し飛ぶこと。
ここに「全体主義」の怖さがあることに気づかされました。

友人は、この作品から「共産主義」を学んだとのことでしたが、私は「モスクワ裁判」と捉えずに、主人公のルバショウがどこの世界でもいる人物だと感じた時に「全体主義」を学ぶことが出来ました。

おそらく、また再読すると思うくらい、かつての同僚が拷問する側にまわったシーンが頭に残りました。

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