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ヨーロッパ的な本

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私の主観なのですが、ヨーロッパ的な本を集めました。
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固定された記事

予想を完全に覆す結末に衝撃を受ける「NSA」

<SF(7歩目)> 予定調和型のアメリカ・日本的でなく、ヨーロッパ的な結末に衝撃を受ける…

読書ノーツ
6か月前
16

テーマは環境問題「タスマニア」

<文学(99歩目)> どうも「旬」は「環境問題」です。 タスマニア パオロ・ジョルダーノ (…

11

フランスのヴィシー政権下でのホロコースト「姉妹のように」

<文学(97歩目)> 15歩目の「ポストカード アンヌ・ベレスト 早川書房」と同様に、今…

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SFの巨匠レムさんの初期作品集「火星からの来訪者」

<文学(93歩目)> SFではないレムさんの才能に触れる作品集です。「火星からの来訪者」…

読書ノーツ
13日前
11

SFの巨匠レムさんの作品を文学として読む「捜査・浴槽で発見された手記」

<文学(92歩目)> かつて熱く読んだ作品を、現在のウクライナの問題と紐づけて読む。相変…

読書ノーツ
2週間前
14

「英雄」と「粛清される者」は紙一重「日蝕: Sonnenfinsternis」

<文学(91歩目)> 緊張感伴う古典小説から「全体主義」を学ぶ「日蝕: Sonnenfinsternis」 …

読書ノーツ
2週間前
12

人間心理の奥底「その昔、N市では」

<文学(90歩目)> ドイツを代表する女性作家から、「人間心理」の奥底を学ぶ。 その昔、N市では マリー・ルイーゼ・カシュニッツ (著), 酒寄 進一 (翻訳) 東京創元社 「90歩目」は戦後ドイツを代表するマリー・ルイーゼ・カシュニッツさんから「人間の負の心理」を学び、「愛(love)」の大切さを理解する作品です。 とても薄い書籍に収められた15の短篇。軽く「読める」と思ったのですが、1つ1つの作品は「濃い」。 短篇集なのですが、どれも研ぎ澄まされたもので、人間を知

シリーズものだが、おそらく単発になりそうな惜しい作品「歴史は不運の繰り返し セン…

<SF(88歩目)> イギリスでベストセラー、10冊以上のシリーズになっているとのこと。 …

読書ノーツ
3週間前
6

空前の悪に対して命をかけた小さな抵抗「ベルリンに一人死す」

<文学(88歩目)> 空前の悪に対して命をかけた小さな抵抗から、21世紀を生きる私たちに…

読書ノーツ
3週間前
9

歴史史料への取組みが作品に昇華した「HHhH: プラハ、1942年」

<文学(87歩目)> プラハの街を舞台にした抵抗運動家たちのナチスNo.3の暗殺の事実を読む…

読書ノーツ
3週間前
10

人間の本質を見つめる「犯罪」

<文学(85歩目)> 刑事専門弁護士の目から見た「犯罪」の数々から、人間の本質を見つめる…

読書ノーツ
4週間前
8

法哲学や歴史を学ぶ「珈琲と煙草」

<文学(84歩目)> フェルディナント・フォン・シーラッハのエッセイは法哲学や歴史を学べ…

読書ノーツ
1か月前
26

戦争犯罪の総括のしかた「コリーニ事件」

<文学(83歩目)> 戦争犯罪の総括のしかたを研ぎ澄まされた小説から学ぶ。 コリーニ事件 …

読書ノーツ
1か月前
12

極めてテクニカルなシーラッハさんの作品「禁忌」

<文学(82歩目)> 緑、赤、青が一つになると白になる。光の三原色を章に使い、人間の本質をテクニカルに描いた作品に耽溺する。 禁忌 フェルディナント・フォン・シーラッハ (著), 酒寄 進一 (翻訳) 東京創元社 「82歩目」はドイツの短篇の名手のフェルディナント・フォン・シーラッハさんによるこれもまた斬新な試み。 連続して一気読みしているのですが、ハズシが無い。そして、色々な手法がとても刺激的。 一気に極東の島国の一ファンになってしまいました。 「犯罪」もの。「法