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最も脆弱な人たちのために働く/五十嵐望美(プロジェクト・オフィサー)

みなさん、初めまして!この度CWS Japanに入職し、プロジェクト・オフィサーとして働き始めました五十嵐望美いがらしのぞみと申します🍀

今回は私の自己紹介を兼ねて、なぜ私がCWS Japanで働き始めることになったのかについてご紹介できればと思います!

これまでの取り組み

私はこの3月に通っていた大学院と専門学校を卒業し、新卒職員として4月からCWS Japanに入職することになりました。

大学院では歴史社会学(アメリカ史)を専攻して、黒人女性史(ブラック・フェミニズム史)の観点から人種やジェンダーという二重の差別によって苦しめられ周縁化・不可視化されてきた黒人女性たちが差別撤廃のために草の根の運動を行ってきた歴史について研究してきました。また、昨年からは社会福祉士の国家資格取得を目指して専門学校にも通い、今年2月に受験した国家試験を無事突破して、資格を取得することができました!

そのため、最近の取り組みでいうとCWS Japanが事業として行う国際協力分野に近い活動をしてきたとは言えませんが、幼い頃からずっと関心のあったNGO/NPO業界で自分のキャリアを始めることになった今は、とてもワクワクしています!🤩

災害ボランティアで得られた繋がりと気づき

これまで私はボランティア(またはインターン、アルバイト)として、さまざまな分野の社会的な活動に取り組んできましたが、その中のひとつがCWS Japanが取り組む災害支援活動です。災害支援の現場におけるボランティア活動の経験を通して、大切な気づきや学びを多く得ることができましたし、今の私にとってもその経験がライフワークのように感じてきたところがありました。

それまで「災害」といえば、関西に暮らす私の祖母が阪神淡路大震災の被災者だったので、その時の話を聞く機会は幼い頃から身近にありましたが、私が生まれる前の出来事だったので正直実感としてはあまり持てていませんでした。しかし、2011年の東日本大震災は私にとって初めて経験した大きな災害であり、私が住んでいる東京でも暮らしに影響がありました。また、当時中学生だった私は、もともと被災地の東北地域との個人的なつながりはなかったものの、甚大な被害を受けている地域に対して何かできることはないだろうかという大きな焦燥感に駆られて、ソワソワしていたことを今でもよく覚えています。

それから被災地のボランティア活動に参加する機会があり、それをきっかけに出会った宮城県南三陸町の漁師さんたちとは今でも交流を続けていて度々訪れるようになりました。

南三陸町の漁師さんが働く港にて、採れたての茹で上げわかめをしゃぶる高校生の私

また、大学生になってからは、東北のほかにも在学中に発生した熊本地震の被災地でのボランティア活動にも参加し、NPO団体が支援して建てた私設の避難所で暮らす方と一緒に生活しながらお手伝いをしたり、地域の農家の方の農作業のお手伝いや、中学生の受験勉強のお手伝いなど、さまざまな活動に関わることができました。

熊本県益城町の避難所で保護されていたワンちゃんと戯れる私
熊本県南阿蘇村の中学校で、受験を控える中学生たちの勉強をサポートする私

これらの経験を通して、実際に現地に行ってみないとわからないことが沢山あること、その地域で生活している人と直接会って話を聞くことの大切さについて気づきました。また、日頃から同じ地域に住む人同士が顔をあわせながら作っていくネットワーク・関係性づくりと防災への意識づけが十分にできているかによって、いざ非常事態が起きてもそこから生じる被害を最小限にするための素早い協力・支援体制が構築できるかが重要であることについても学ぶことができました。

最も脆弱な立場に置かれても、その人らしく生きられる社会とは?

また、社会課題について学べば学ぶほど、構造的に社会から排除されて取り残されてしまう人たちがいることに対して、どうしたらこういう立場に置かれる人が苦しまずにすむような社会にできるのかについてさらに探究したいと思い、一年間大学を休学してイギリスの語学学校や大学で国際関係学などを学ぶ留学を経験したり、帰国・復学してからは大学院に進学して前述のマイノリティ関連の研究や国内でマイノリティ属性がある人をエンパワメントする活動にも取り組みながら、自分なりにその学びを深める時間を過ごしてきました。

その中でも、特に日本でも多文化共生が叫ばれるようになった一方で、日本で暮らす移民・難民の方が外国人としての差別を受けながらきわめて立場が不安定な状態で困難な生活を強いられ続けている状況や、障がいや女性、LGBTQをはじめとしたセクシュアル・マイノリティの人権や尊厳がなかなか守られていない状況に対して、どうにかならないのだろうかと奮闘・模索するようになりました。そこで、今後もし自分がそうした人たちを支える支援者として活動する立場になった際には、支援を必要とする人に対して必要な支援に繋げるための知識・技術を身につけたいと思い、ソーシャル・ワーク(社会福祉)を学ぶことにしました。

よって、これまでの私が最も脆弱な立場に置かれた人が社会的排除を受けることなく生きていくことのできる社会の実現を構想しながら歩んできた道のりには、CWS Japanが実現したい社会像やそれを実現するための支援活動において大切にしてきた理念やアプローチとも重なる部分が多くあったのだと今は感じています。

ただ、私にとってCWS Japanが現在事業を行っているアジア地域の国々のほとんどはこれまで訪れたこともない縁のなかった場所なので、これから新たなチャレンジもあるのではないかと思います。また、社会人経験もない状態でこのキャリアをスタートしているので、周りのサポートを得ながらやっていく場面がたくさんあるかと思いますが、これまで培ってきた知識や経験を活かしてCWS Japanが大事にしてきた現地の人を支えていく支援活動をしていけるように、私もこれから共に探求していければと思っています。そして、たとえ社会的に弱い立場に置かれたとしても、絶望することなく希望を持って一歩ずつ歩いていくことができるような社会にするためにも、今後も奔走していきたいと思います。

これから皆さんにはお世話になることもあるかと思いますが、どうぞよろしくお願い致します!

先日宮古島を訪れた時に、そこで出会った台湾の友人が撮ってくれた一枚。

(文:プロジェクト・オフィサー 五十嵐 望美)

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