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|猫文明記述|NEWWHITE

コツコツコツコツコツコツ

コツコツコツコツコツコツ

コツコツコツコツコツコツ

コツコツコツコツコツコツ

ギィーーーーーーーーーーッ……………


暗い夜のことだった。遠くから靴音が響いてそれが黒い森の中のこの家へと近づいてきて、重い年季の入ったほこりの積もった木の扉を、こじ開ける重い音が耳にきしむように入ってきたのは。

暗闇の中から、表れたのは黒い山高帽に黒のコート着、黒光りするオイルを塗りたくった
ブーツに赤い色の古びた樫の木のステッキを手に持ちそれを木の床に鋭角に突き立て、グリグリと回している老人のグレー色の年老いた老人の猫だった。


     夜分にすみません。いえ
     こんばんわ。突然の訪問
     失礼致します。今回は、
     とある要件があって、あ
     なた様のお家へと訪問と
     あいなりまして。話せば
     長くなりますので、チョ
     イとここいらで、お話を
     中断させて腰を下ろして
     休ませてもらえないでし
     ょうかね…………………………


わたしこと、20代の年齢の森の木こりは、この年老いた猫としばらくの間、椅子に座ったまま向かい合っていた。すぐそこのケトル
から熱い湯気がシュンシュンと規律よく吹き上げていた。

老猫は、かすかな声でこう、呟き始めた。実は今回、何の連絡もなくこう、参りましたのは、なんと言いますか、あれがですね、そう
、こうと言うか、


老人の猫は喉のいがらっぽさを、吹っ切るように咳を一つ切って、こう言った。

つまりは、私はこう言いいたいのですよ。

あなた様に、とあるお仕事を依頼したいのですよ、と……………………。

なあに、簡単な事なんですよ。報酬は莫大な額を用意しております。あなた様が欲しいだけの額を。うん百億でもうん百兆でもね。ただ、何と言いますか、多少の勇気が必要ですがね。

そして老猫は懐から一枚の羊皮紙を取り出し
私の手のひらに渡した。

今回の全ての仕事の詳細は、その紙に描かれております。強制ではありませんが、アナタにヤル気があれば、その場所においでください。

        じゃあ、ニャ


そう言って老猫は椅子から立ちあがり、扉を開きキビスをクルリと返し、暗い森の奥へと去っていき、やがて暗い闇の中へと消えていった。


その羊皮紙には、文字は書かれていなかった
、が何かのシンボル、図形、数字が簡素に描かれてあり、正直、理解不能な面もあったが
、何処かへの道筋と、何かをやる行動のパターンの幾つかが描かれている様だった。私は
眠くなったので、すぐに寝ることにした。


メルヘンな山小屋の夜

翌朝、何とか、かんとかその抽象的な難解な
、地図らしきものを解読した私は家を後にして、朝霧の立ち込める深い森の中を地図に描かれた道筋をたどった。昨夜のあの老猫の指し示した地図の場所は離れ森のそのまた東北へ四つ離れた深い深い森であるらしかった。


かなり森の中をさまよったが、どうにかこうにか目的地らしき場所へと辿り着いたが、そこは、かなり時間の立った年季の入った古びた西洋式のメルヘンチックな洋館であった。

霞の立ち込める館の玄関に、なぜか金色に光り輝くファンタジックなネコが座っていた。顔を洗っているのだろうか、前足で手招きをしているように見えた。私は少し変な感じがしたけども、金色のネコを無視して巨大な楠の木で出来た重厚な扉をギシギシ言わせながら、何とか開けて入ってみた。


そこは真っ暗なカビ臭い暗闇だった。でも何かがいる気配はあり、遠くから声が聴こえてきた。

     よう、お出でなさい
     ましたな。お待ちし
     ておりました。ささ
     ……今、灯りを付けま
     すので。


パッと火が灯ると、少しは明るくなった部屋に、あの老人の猫が部屋着姿で、立っていた

その後は、老猫と私の対話と相成った。

老猫は、言った。まどろっこしい、ややこしい前説は、省きましょう。これを見てください、と。手に持った黒塗りの木の杖を後ろの壁に突き付けた、と

壁がグルリと回転し、何か巨大な壁画の様なものが表れた。

それは壁一面のガラスで出来た巨大なケースのようなものだった。そのガラスの中に無数の黒、ミケ、ブチ、茶トラ、キジトラ、シャム、ロシアン、オッド・アイ、様々な猫達が生きたまま、押し込まれていた。


老猫は老眼鏡を付けて、言った。単刀直入に言いましょう。これは私の今までの人生の集大成の実験なのです。この世のかなりの数の猫達をこうやって実験機の中に押し込み、ミキサーにかけてとある特殊な薬液を抽出する

老猫は冷酷な、張り詰めた笑顔でなおも続けた。

その薬液こそ、この老猫の科学者である私が
長年の夢として追求してきた、究極の錬金薬
NEW・WHITEなのです。

その薬さえ生み出せれば、世界中の無駄に増えて生き続ける人間達をドロドロに溶かして
、猫を中心とした動植物達による、永遠の新文明を創り上げられるのです!!

わずか一滴の薬液のシズクで地球上の、人間達を、消し去る事が出来、全ては完了するのです。それを私は生物環境浄化計画と名付けております。狂信的な思想と糾弾、非難されるだろうという事は承知しております、が、これは緊急の課題なのです。分かってください。老人の猫博士はニヤリと笑顔を浮かべた

私は唾液をゴクリと一回呑み込み、顔一面に油汗をかいた。その異常性に。狂った狂信的な思想に。

なぁに、あなた様の身の安全は保証致します
よ。私が創り上げたこの錬金薬をとある場所にまで持って行ってもらえば良いだけの話。

その後も、老猫の計画の話は続き、でもそれは意外に短くして終わり、私はその錬金薬が
入った小さなカプセル一粒と、これまた良く書き込まれた小さな紙片一切れを手渡され、
色々思案した挙げ句、了解して、小切手で数百兆円のギャラを受け取った。


老猫の話によれば、そのカプセルを紙に書かれた、ここからかなり離れた森の奥のとある場所へと運び込み、苔むした地面の浅い土へと夜中にコッソリと埋めてくれさえすればそれでいいとの事だった。

全世界の国家秘密機関や、各国諜報機関の、蜘蛛の糸の様な、網の目のように張り巡らされた諜報機関ネットワークから、その場所は外れているとの事だった。

そこからは、別の猫達による秘密機関ネットワークにより、世界各地に隠密理に配られて
世界各地にゲリラ的にバラまかれる、との事
だった。


私は数週間の間、考えに考えた末、苦悩し続けた末、ついに決断した。とある日の夜中にその紙に描かれた場所に行きその通りにカプセルを埋める様なふりをして、かなりの罪悪感を胸に抱きながらも、


    その場から逃げ出した。


数百兆円のギャラの魔力に纏わりつかれながら、その場を後にした。


家に帰った後、夜中に古い山小屋の中で私はムク材の木で出来た分厚い椅子に座りながらとても熱いブラック・コオフィーを淹れて、ひと口、ゴクリと喉を鳴らして飲み込んだ。


そして様々な事を、思案し、考えを巡らせた
。金の魔力に負けはしたけど、結局、世の中の為に、今回のカプセルを埋めずに持ち帰った行動は、正しかったのだと。そしてこれから、あの老人の猫の科学者が放つ殺し屋の猫達に、殺されるかもしれない恐怖と闘いながら、そんな自分にただ、ひたすら言い聞かせた。自分のした事は正しかったのだと。


それでも、これから猫達による王国が、全世界に成り立ち、世界22大猫文明が発展する。そうなったら自分も猫の遺伝子を身体に埋め込み、猫になりきり、生きていくしかないのだろうと!!


😼新文明の誕生😼

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