トキメジロ

トキメジロ

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小鳥が詠みます。「今燃ゆる 初霜溶かし 土湿る」

紅葉は 忘形見で 美しく 過ぎ去る季節 我も重ねゆく

    • 小鳥が詠みます。「痩せ秋刀魚 こんな私に 誰がした」

       痩せ秋刀魚  旨み濃いし  我肴  文句は言わずに  有り難き恵

      • 小鳥が詠みます。「白雲や あまり動かず 秋進む」

         空を突く  コンクリートの  弦楽器  風が通れば  音色奏でる  

        • 小鳥が詠みます。「ガラス窓 月の明るさ 写しでる」

           中秋の   風を感じる  汗が引く  やっと終わるか    月見て思う

        小鳥が詠みます。「今燃ゆる 初霜溶かし 土湿る」

          小鳥が詠みます。「火をかけた 時から見ても 我の奴」

           待つ時間  仕事も忘れ  喉が鳴る  沸き立ち煮えて   のせれば来るぞ  

          小鳥が詠みます。「火をかけた 時から見ても 我の奴」

          小鳥が詠みます。「背を伸ばし 腹から声出す 合唱団」

           皿に立ち  酒のさかなか   子のおやつ  楽しい歌し  食っても旨し

          小鳥が詠みます。「背を伸ばし 腹から声出す 合唱団」

          小鳥が詠みます。「南風や 山で冷やされ 霧となる」

           湿り風  山を走りて  霧が咲く  麓に降りて  露となり  

          小鳥が詠みます。「南風や 山で冷やされ 霧となる」

          小鳥が詠みます。「梅雨終わる 我咲き急ぐ 繋ぎけり」

           雨が止み  季節移りて  花焦る  ゆるりする人  百合と詠うし

          小鳥が詠みます。「梅雨終わる 我咲き急ぐ 繋ぎけり」

          小鳥が詠みます。「香る百合 天を突き抜き 宇宙まで」

           梅雨休み  涼しき空気  大輪が  高貴な香り  空に登るや  

          小鳥が詠みます。「香る百合 天を突き抜き 宇宙まで」

          小鳥が詠みます。「戸を叩く 音で目覚めた 梅雨の朝」

           遅い梅雨  初めて濡れる  紫陽花や  顔を汚すは   土みず飛沫

          小鳥が詠みます。「戸を叩く 音で目覚めた 梅雨の朝」

          小鳥が詠みます。「明星へ 届くと信じ 時鳥」

           夜明け前  伝え鳴いてる  時鳥  たどり着いたは  日の本の国  

          小鳥が詠みます。「明星へ 届くと信じ 時鳥」

          小鳥が詠みます。「波超えて 大陸の味 伝え今」

           港町  暖簾誘われて  席につく  街の香りが  染みる器    

          小鳥が詠みます。「波超えて 大陸の味 伝え今」

          小鳥が詠みます。「喫茶店 あの時あの人 よみがえる」

           喫茶店  店に入ると  足震え  彼女座りて  メニューを探す  

          小鳥が詠みます。「喫茶店 あの時あの人 よみがえる」

          小鳥が詠みます。「燕飛ぶ 雨音感じ 汁すする」

           汁すする   竹の香りと   木の香り  豚の誘いと  麺の喉越し

          小鳥が詠みます。「燕飛ぶ 雨音感じ 汁すする」

          小鳥が詠みます。「席につき 喧嘩始まる じじとばば」

           ここの店  味を求めて  足伸びる  鍋の音鳴る  火が着く油

          小鳥が詠みます。「席につき 喧嘩始まる じじとばば」

          小鳥が詠みます。「さざなみの 音聞こえづ 風浴びる」

           音静か  波も揺れなく  船もいづ  目を閉じれば  華見えるかな    

          小鳥が詠みます。「さざなみの 音聞こえづ 風浴びる」