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車椅子おばあちゃんのルーツ1

車いすおばあちゃんのルーツ

いろいろな方とお話ししているとよく聞かれることがあります。
「なぜそんなに前向きなのですか?」「どうしてそんなにいろいろできるのですか?」「勇気があるよね、どうして?」
そんな質問をされると、はたと考えてしまいます。
どうしてなんだろうと。
性格のせいかもしれません。

先日も初めましてのある方に「車椅子で大変なのに、なぜこんなにいろいろなことができるのか不思議です。どうして?」と聞かれました。「辛い時とかないの?」とか、「そういう考え方になったのは何かきっかけがあったの?」とも質問されました。
私は「多分性格のせいだと思います」と答えました。
すると、「そう言っちゃったら身もふたもないよ。真似したいと思ってもできないじゃないか」と言われました。
そこで、一生懸命に考えてみました。昔の経験を振り返ったり、子供の頃のことを思い出したりしました。

1957年(昭和32年)私は10か月の時にポリオに感染しました。
高熱が数日間続き、熱が下がったときにはマヒが残っていたということです。
ポリオウィルスは脊髄に入り込み、運動機能の神経を破壊する病気です。
国立病院に入院し、治療を受けました。
母から「何度も脊髄に注射をした」と聞かされています。
1歳になる前の私を抱えて、背中を丸めさせ、背骨に太い注射を何度も打ったそうです。
私が泣き叫ぶ中、母は必死に私を押さえつけたそうで、とても辛かったと言っていました。
症状が落ち着くと、マッサージや電気治療を続けたそうです。
母は、2歳上の兄を親戚に預けて、病院通いの毎日でした。

治療費も大変だったようです。つい数年前に、私が娘たちの学費で苦労をしていた時に父がポロっと言いました。
「お母さんは内緒で借金をしていたんだよ」「何かの拍子で、借用書を見つけてびっくりしたよ」と。
のんきな父です。父はそういう面ではあまり頼りにはならない人なので、母は一人で必死にお金を工面していたのでしょう、まだ20代前半だったはずです。

これだけで、私は私の人生を大切にし、前を向いて生きていかなければと思います。私のスーパーハイパーポジティブシンキングの源です。


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