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風に乗って ☆66

高校の時、バイト先に大学生の先輩がいて、彼はウィンドサーフィンを趣味にしていた。

ウィンドサーフィンは、波と風を読まなくては出来ない、なかなか奥深い世界のようだった。

その頃、『風の谷のナウシカ』もちょうど上映されていたのかな?オープニングで腐海に侵されて滅んだ村の暗い情景を見た後、

輝くような真っ青の空に、入道雲がもくもくと広がり、そのすぐ下を、白い翼の飛行体がまっすぐに突っ切って行く、

それが、主人公ナウシカであった。彼女は風使いとも呼ばれるほど、風を読むことに長けているのである。

元来、昆虫少年であった私にとって、『風の谷のナウシカ』の舞台装置、最初から最後までウジャウジャと登場し、活躍する蟲達はたまらなく好みに合っていた、正にヨダレものである。

後年、私もよく空を飛んだ。

もちろん飛行機に乗ってだ。しかし、飛行機の窓から眺める景色は、ナウシカが見たものとそんなにも変わらないだろう。

特に、香港には何回行ったか分からないくらいだが、飛行機で香港まで4時間くらいの所要時間だったと思う。

ところが、香港から成田までは3時間くらいで到着してしまうのであった。予定は4時間くらいだが、実際にはそうなる。

本当の事は知らないが、これは、気流に乗って帰れるので、行きよりずっと早く来れるのだろうと解釈している。たぶんそうだ、

だから、列車やバスと違って飛行機は時間通りの運行など不可能なのだ。

風を利用する事によって、時間も燃料も大幅に節約出来る、とも言えるが、実際はそんなに人間の思い通りに風は吹いてくれないのだろう。

だからこそ、風を読むことは、大事だと思う。ウィンドサーフィンはしなくても、ナウシカのように空を飛ばなくとも、

いつでも、どこでも、風は吹いている。

一流の風使いになったつもりで、周囲の風を読んでみてはどうだろう。

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