トト

まだ2月16日から投稿したばかりです。 自分の事、読書の事、映画の事、漫画の事、落語、…

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まだ2月16日から投稿したばかりです。 自分の事、読書の事、映画の事、漫画の事、落語、旅の話を書いていきます。

最近の記事

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書く ①

書く 書く。 とは、掻くか?古代中国の占い師が、亀の甲羅を引っ掻いて占ったのが文字の、始まりなのであろうか? 古代の人たちは、どんな思いを込めて文字(?)を掻いたものか? 文章を書くのが好きであったけれども、生活に追われてそんな暇が少しもない。 そんな暮らしを7年以上続けてしまい、書くことからとても遠のいてしまった。 その挙げ句、何もかも失って無一文になっていた。 唐突な話のようだが、私は齢55歳で無一文になってしまったのだ。仕事も家も失って、夜逃げして街を彷徨っ

    • カラフル ☆68

      小4くらいの時の話。図画工作の課題に「ステンドグラス」が出た。 小学生の事だから、本物のガラスではなく、黒い画用紙をカッターで切り絵のようにくり抜いて、裏からセロハンフィルムを貼ったものを、そう呼んでいた。 普通の絵とは違うので、クラスメート達はみな図案に悩まされているようだったが、 私は瞬時にアイディアが浮かび、黙々と作業を進めていた。 画面いっぱいに、大きくアゲハチョウの絵を描いて、切り抜いたのである。 私は図画工作が得意であったし、本来が昆虫少年なのだから(虫

      • やさしくしないで ☆67

        中学の時観た、劇場版『銀河鉄道999』の挿入歌に「やさしくしないで」というのがあった。 これは、『999』を軸にして、実は松本零士ワールド全開の映画だったので、当時のファンは大喜びした。どこがと言うより、全編ずっと面白かったのだが、 「やさしくしないで」は、リューズという、酒場の歌手(美しい女性)がギター抱えて歌うのだが、 西部劇と、昭和の新宿ゴールデン街を足したようなディープな雰囲気の暗い酒場で、藤圭子(宇多田ヒカルの母)みたいに歌うのだ。 私はこの曲がとても気に入

        • 風に乗って ☆66

          高校の時、バイト先に大学生の先輩がいて、彼はウィンドサーフィンを趣味にしていた。 ウィンドサーフィンは、波と風を読まなくては出来ない、なかなか奥深い世界のようだった。 その頃、『風の谷のナウシカ』もちょうど上映されていたのかな?オープニングで腐海に侵されて滅んだ村の暗い情景を見た後、 輝くような真っ青の空に、入道雲がもくもくと広がり、そのすぐ下を、白い翼の飛行体がまっすぐに突っ切って行く、 それが、主人公ナウシカであった。彼女は風使いとも呼ばれるほど、風を読むことに長

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        書く ①

          楽園 ☆65

          我が家と祖父の家は至近距離にあったので、とても頻繁に行き来していた。 祖父は下駄屋(主力商品は靴であったが下駄屋と称していた)で、簡単な修理なども請け負っていて、 仕事部屋で作業しているのを、よく近くで見ていたものだ。優しい人で、叱られた記憶が全くない。 祖父は酒もタバコもやらなかった。唯一の楽しみは、温泉(公衆浴場)へ行く事で、自転車で30分くらいの所に温泉があった。現在のSPAではない、当時はサウナなんて設備もない、ただ浴場があって、畳の広間に客は雑魚寝して休んでい

          楽園 ☆65

          刹那 ☆64

          刹那とは、人が認識出来ないくらいの本当に僅かな瞬間の事である。 人間には意識があるが、それはずっと繋がっているのではなくて、実はほんの刹那のあいだ途切れている。意識がない、つまりは死んで居るのだが、 次の刹那には又、意識を取り戻すのである。 だから、自分は今までずっと連続して生きて来たと思っているけれども、本当は(仏教的には)生きて、死んでを刹那毎に繰り返しているのだ。 そんなバカなと思いますか? けれど、そんなの当たり前じゃねえかと思って生きてる人達もいるのだ。

          刹那 ☆64

          生きる意味 ☆63

          たぶん、 「生きる意味は何だろう」なんて考えても何も出ない。 でも、 意味を作ろうと思えば、 いくらでも創ることが出来るのが人間だ。 とも、思うのだ。 『赤毛のアン』で、アンは初めて家に向かう途中、白い花の咲くリンゴの並木道を通り、そのあまりの美しさに、感動し、しばし黙り込む程だった。 あれは何という名前の場所かとマシュウに尋ねたが、「並木道だ」との答えに、 「あそこを並木道なんて呼んじゃいけないわ。そんな名前には意味がないんですもの。 こんなのにしなくては……え

          生きる意味 ☆63

          善悪 ☆62

          善悪はその都度、人が判断しているだけなのだろう。 例えば、私は銀シャリ(白い御飯)が大好きで、これだけあれば生きて行けそうな気がするが、 本当にこればかり食べると肥るし、栄養が偏り、病気になり早死にするだろう。ご飯ですら善になったり、悪にもなる。 最近話題のアニメ『ダンジョン飯』ではエルフで魔法使いのマルシルが魔法に善悪はないと言っていた。 >「回復魔法すら拷問に使えるんだからね!」 つまり、怪我や病気を快復するための魔法は使うと痛みも伴うので拷問に使えるのだ。これ

          善悪 ☆62

          西遊記 ☆61

          私は仏教系の幼稚園に通ったため、そこで教えられた影響は大かったと思う。理屈を習う前からお釈迦様が偉いと教え込まれたのだ。 そうして次は『西遊記』である。おそらく手塚治虫の『悟空の大冒険』を最初に見ていたし、父が「世界の文学」でかなり本格的な『西遊記』を読み聞かせてくれた。 そのスケールの大きな物語は、子供の想像力を存分に楽しませてくれた。そこに登場する仙人、神々よりも猿の孫悟空は強かったが、彼もまたお釈迦様には全く歯が立たなかった。 あの物語のクライマックスは、実は前半

          西遊記 ☆61

          ルール ☆60

          『薬屋のひとりごと』は、中国唐時代の宮廷をイメージされて作られたマンガだが、 宮女達はガチガチのルールに縛られてか細く生きていたようだ。 そもそも皇帝の為の宮女であるから、ルールも皇帝ありきで作られている。宮女の人権など毛程も考えられていないのだ。 例えば、自由にトイレに行く事が出来ない。運悪く失禁などしようものなら死罪であるから、ご馳走があったとしても少しだけしか食べない、飲まない。それはルールにはないが、排泄しないためには結局そうせざるを得ない。 このように、昔作

          ルール ☆60

          noteでMOAT ☆59

          茂木健一郎のYouTubeを見ていたら、 今、シアトルではWhat is your MOAT? などと訊く事が流行っているという話題が出た。(16分辺り) <【AI】人工知能の現在を日本はどこまでわかってる?脳科学者・茂木健一郎が講義! :IMAGINE イマジン大学> MOATとは「堀」のことだが、この場合は「得意分野」とか「他人には負けない誇れるもの」などと訳すべきかも知れない。 ⇑の動画を要約すると、いま人工知能が熱くて、その進歩速度は何年単位ではなく、1日違え

          noteでMOAT ☆59

          雫 ☆58

          ずっと前に、家のベランダでトマトを育てた事もあったが、毎日水をやるのが楽しかった。 ジョウロでたっぷり水をあげるのだが、トマトが喜んでくれているようで、まだ実をつけていないのに、ほのかにトマトの香りがした。 収穫しても、食べるのが惜しく感じたので野菜をベランダで栽培するのは止めてしまった。 香港、タイ、マレーシア、・・・東南アジア好きでよく行ったが、毎日のようにスコールがあった、 良く晴れているのに、急に空が暗くなったかと思うとザァーっと激しい雨が降って、少しするとそ

          雫 ☆58

          ちいさなミイ ☆57

          前回の記事は『ムーミン』に関する思い出だったが、アニメと原作で1番印象が大きく変わるのはミイかも知れない。 初期のアニメ版ではミイがとても意地悪で、口煩くて、癇癪持ちの嫌なキャラに描かれているが、原作のミイはリアリストで、冷静で、頭の回転が速い。一言で云えばカッコイイのである。 因みに、原作ではスナフキンの異父兄弟で、ミイの方が年上なのだ。 でも、ミイの身長は伸びず、スナフキンのポケットに入るほど小さい。 ミイがカッコ良く見えるのは、原作者トーベ・ヤンソンの理想像だか

          ちいさなミイ ☆57

          ねえ、ムーミン ☆56

          私が子供のころ、アニメ『ムーミン』が初めて放送されて、その主題歌もそこそこヒットした。 私はすぐ好きになったが、原作者のトーベ・ヤンソンはとても不愉快に思ったらしい。日本国内だけの放送をは辛うじて許したが、門外不出の作品となってしまった。 中学の頃、私は仲間と勝手に「漫画・アニメ研究会」のサークルを作って、漫画やアニメのキャラを模写しまくっていたが、原作のムーミンも読んでいて、トーベ・ヤンソンの描く挿絵が気に入って、やはり模写していた。 だから、原作とアニメの設定が、か

          ねえ、ムーミン ☆56

          桜散る ☆55

          咲いた桜になぜ駒つなぐ、 駒が勇めば花が散る~♪ てな唄がある。 私は落語ファンだが、落語には四季がある。 春夏秋冬(しゅんかしゅうとう)にそれぞれ合う噺があるから、春になったら落語の枕に、よく上の文句を引用する噺家がいる。 駒と言えば、馬肉の事を「サクラ」と呼んだりする。切ったばかりの馬肉は綺麗なサクラ色をしているからそう呼んだのだとか、 或いは、「けとばし」とも称する。今は馬肉なんて高級食材だが、昔は安い肉の代表みたいなものだったようだ。 だいたい浅草辺りの古

          桜散る ☆55

          夢見る心 ☆54

          布団の中で、いろいろな事を空想するのが好きだった。 子供の頃、四畳半に父と母が寝て、襖を挟んで、八畳に私と姉が寝ていた。 父は、良い父親とは言えない人であったが、3人兄弟(後に4人となるが)の為に『世界の文学』全巻を買い揃えてくれて、それを私と姉に読んでくれた。 これだけ書くと素晴らしい父親のようだが、そうは行かないのである。ま、それは置いておこう。 『世界の文学』が私に与えた影響は大きかったと思うが、 当時の私の夢は、ウルトラマンになる事だった。 いや、笑うなか

          夢見る心 ☆54