見出し画像

「ツルハシビジネス」って知ってますか?(2024/04/29)

 テレビネタで恐縮なのですが、先日、テレビを見ていて「なるほど」と思ったことがあったのでシェアしたいと思います。

 「がっちりマンデー!!」

 小学生の息子がミニバスで土日も練習やら遠征が入るようになってからは毎週は見ていないのですが、それまでは数年間、ほぼ毎週欠かさず見ていた唯一の番組です。

 ご存知の方も多いと思いますが、30分ほどの番組にも関わらず、毎回、内容が濃くて面白いです。

 先日取り上げていたのは「カタレン」という片道乗り捨てレンタカーサービスです。乗り捨てにもかかわらず、格安でサービスを提供しているカラクリが説明されていました。

 本来であれば、片道乗り捨てレンタカーは、貸し出した営業所に戻すための移送の費用がかかるため、その分の費用がレンタル料金に上乗せされるわけです。しかし、こちらのサービスは、営業所貸し出しというわけではなく、所定の場所に置かれているレンタカーを客がスマホにより開錠(無人貸し出し)し、そこから目的地まで客が移動することで、「客の移動を利用することで元の場所に戻し格安でサービス提供する」というビジネスモデルのようです。というわけで、現在は、まだ駆け出しのサービスのため、移動区間は限定的のようです。

 この方法だと、貸出車両の存在位置に偏りが出ることになりますが、その場合には、偏った場所から移動させたい場所への移動料金を大幅に低く設定し、その情報を過去の利用者にLINEで案内するなどして利用を促す手法を取っているとのこと。

 このサービスを運営するPathfinder株式会社は、2020年設立のベンチャー企業であり、保有車両が少ないそうです。現在は試験的に大手のレンタカー会社と提携し、当該レンタカー会社の予約閑散の期間と車両を間借りする形で、「カタレン」のサービスを運用しているそうです。

 つまり、タイミングによっては「カタレン」から格安レンタカーを申し込むと、こちらの大手レンタカー会社の空き車両を使って客が移動するというマッチングになるということだと思います。

 現在は、まだデータの蓄積ができていないため、予約・車両の管理等を人間の手作業も混ぜながら行っているようですが、このデータが膨大に蓄積できた場合には、AI等を使って分析したりすることで、そのデータそのものを使って大手レンタカー会社に営業をかけるといったことも将来的に考えているそうです。

 このようなビジネスモデルを、番組では「ツルハシビジネス」と呼んでいました。私は初めて聞いたのですが、経済用語として使われているようです。

ツルハシビジネスとは?

アメリカのゴールドラッシュの時代に、一獲千金を夢見て多くの人が金を掘り出そうとしていたとき、掘削のために使用する「つるはし」が飛ぶように売れたそうです。掘っても得られるか分からない金を求めるよりも、「つるはし」を売ったほうがビジネスになるのではないかと考えて、「つるはし」を売るほうに着眼したビジネスモデルを俗に「ツルハシビジネス」と呼ぶそうです。

 この放送を見ていて、途中で思い出したことがありました。過去の記事になりますが、↓こちらの記事の話です。

 上記の記事では、本来は時間貸し駐車場ではない駐車場(月極など)に空きが出ていた場合、そのスペースを有効活用するため、Web上でマッチングと決済を行うことで、便宜的に駐車場を時間貸しするサービスについて触れています。簡単に言うと、サービス提供会社は「空き駐車場を持て余してる駐車場オーナー」と「時間貸し駐車場を探しているユーザー」のマッチングを行っているわけです。

 こういった「スキマをマッチングするビジネス」のようなものが、様々な分野で商機を見出しているなと思っていたのですが、「カタレン」のサービスも、このようなビジネスの一種であるなと思いました。

 「カタレン」のサービスは、ツルハシビジネスでもあり、スキママッチングのビジネスでもあるようですね。

下記のリンクは、当該放送回についてのリンクです。↓

 それでは、また!

よろしければサポートいただけると非常に励みになります! いただいたサポートは今後の執筆活動のために大切に使わせていただきます。