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作家の死

2024年4月30日、アメリカの作家のポール・オースターが肺がんの合併症のため亡くなった。
77歳だった。
Yahoo!ニュースで、訃報を知ったとき、わたしは些かショックを受けた。
彼の本は、2、3冊読んだだけで、熱心なファンというわけではない。
特に有名な『幽霊たち』は、読んでもよくわからなかった。
あと覚えているのは『ミスター・ヴァーテゴ』と、脚本を手掛けた映画の『スモーク』。
その2作品も、ほとんど忘れている。
ただ、今でもとても好きな印象のある作品。
喩えて云うなら、短い間つきあっただけだけど、なにかの折に深いおはなしをして、自分の価値観に影響を与えた古い友人。
その人を思い出すとあたたかな気持ちになれる。
そんな作品たちだ。
そんな作品たちを産み出してくれた作家さんは、自分の心の中に特別枠があるらしい。
会ったこともないけれど、彼に対する確かな信頼を、彼が亡くなってから自分の中にみつけた。
作品を通して得られた信頼、愛情は、作家さんその人自身にも感じる。
いなくなって悲しい。さびしい。










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