きまぐれ短歌その12 2024.05.21
[「見てなさいここがわたしのステージよ」かぐわしき姫咲くどらむかん]
古くなって錆びついたドラム缶にドクダミが根を張り花を咲かせていました。
おそらく、土を入れたドラム缶を庭に放置しておいたのでなく、風に乗ってドラム缶に落ちた土埃が長い年月の間降り積もって、そこにドクダミの種がこれまた風に乗って運ばれ、たまたまここに落ちたのでしょう。
よくある風景です。
よくある風景なのに今日はなぜか心が動きました。
ドクダミは繁殖力が高く、他の植物を枯らしてしまいます。
おまけに独特の匂いが強く、苦手だと感じるひとも多いでしょう。
人間にはきらわれている。
その一方で煎じて飲むと薬効効果もあり、ひとを癒やします。
好きも嫌いも人間(他者)の勝手な論理で、そんなこと関係なく咲いているドクダミが輝いて見えました。
短歌をやっていると、さんざん見飽きた景色や出来事が、特別なものに変わる瞬間がありますよね。
それを言葉にできるか、他者に評価してもらえるか、などはまた別の話で、とてもしあわせな気持ちになります。
「わたし」が見て、聴いて、感じて、「わたし」が書く、描く、という贅沢さ。
生きてるって感じがする。
それにしても擬人法多いな。
孤独なのかな、わたし。
だとしたら孤独って、豊かだな。
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