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アラフィフ独女の数少ない友達の話……その2

(その1から続く)
 女友達は数えるほどしかいない一方で、男友達ならめちゃくちゃたくさんいる。未婚でも既婚でも、だ。多分女友達の2倍以上はいる。もちろん体の関係はない。男性が私と友達のままでいてくれる理由は、単に私が暇なのと、1人暮らしやアル中への心配(愛!)、フットワークの軽さだと思う。よく生存確認の連絡をしてくれるし、飲みに誘ってくれる。

 例えば、男友達Aとは、「私が足が悪くなったのはセックスをしていないからじゃないか」「うーん、関係あるかもしれないな。確かに体位によっては全身運動だからな」なんてアホな話題を頻繁に、しかも真剣に議論している。彼は見た目だけならかなりイケメン(死語)な部類に入るものの、なぜか彼女ができないのは理想が高いからなのか、はたまたこんな相談も真剣に聞いてくれるくらい優しいからなのだろうか(笑)。

 また、彼は政治や哲学にとても詳しいので、話を聞いているととても楽しい。それと、笑いのツボが一緒なのも大きい。友達として付き合ってなにげに20年以上だし、一緒にいてとても楽なので、「離婚したら結婚してよ(笑)」とプロポーズするも、「サーニャとは無理」と一蹴された。別にショックじゃなかったけど。

 それと、彼はセンスがとても良い。今でこそ万人の趣味になったキャンプや山登りだが、彼は流行る10年以上前にハマり、今は既に飽きている(笑)。ちなみに彼もHSS型HSPだ。

 男友達B(とその奥さん)は、とにかく寛容だ。一度私がそのご夫婦の家で酔って放尿してしまい、布団などをダメにしてしまった時も、「あー、買い替えるチャンスだったんだな~」と言ってくれた。現在そのご夫婦の家に遊びに行く時は子ども用のオムツを装着してくれる。

 連絡もかなりマメで、なぜか私が落ち込んでいる時に、察したのか!? と思うくらい毎回「元気~? 飲んでる~?」と連絡をくれる。きっと彼はエスパーに違いない。

 男友達Cは、「サーニャ、足が悪いんでしょ」と奥さんと一緒にわざわざ私の街まで1時間もかけて飲みに来てくれる。実は旦那の愚痴をいちばん聞いてくれたのは彼ではないだろうか。Bと同様に、私が落ち込んでいる時になぜか連絡をくれる。今は彼もそれなりの年齢になったので一緒に夜遊びすることはないが(飲みに行くとしても昼飲みで夕方解散)、付き合いが長いため、会うと昔のバカ話で盛り上がる。それと老後とか健康の話……まあ、そんなお年頃。

 男友達Dは、仕事柄法律や数字などに詳しいので、私の離婚についてもとても相談に乗ってくれた。離婚に強い弁護士を紹介してくれたのも彼だ。あと、確定申告の時も添削してくれたり。それと、やたら美味しいモノに詳しいので、私1人じゃ絶対に行けない高級店に連れて行ってくれる。先日は9000円もする鰻をご馳走になった。

 と、ラインを見て上から4人だけピックアップしてみたけど、私に連絡をしてきてくれる8割くらいは男性だ。女性の場合は結婚・出産などライフスタイルの変化があり、友達が2の次になるが、男性にはその波が小さいんじゃないかな~と思う。いや、酒で友達を失っていることは事実だが。だから、1%の友達しかいない、というよりも、厳密には1%の女友達しかいない、が正解なのかな。

 そこで、なぜ私には女友達が少ないのか改めて考えてみた。だって、ママになったら「ママ友」っていう友達ができるわけだし、ライフスタイルのどんなステージであっても女性が友達をつくることは苦ではないはずだ。ましてや私はおひとり様。女友達は多い方が良いはず。

 まず私の場合、プライドがエベレスト級に高いのがあると思う。若くてカワイイ子がなついてきても、絶対に相手にしない。若さと可愛さと、それに甘えている姿に、昔の私を重ねて腹が立つからだ(ドヤ)。それと同年代で専業主婦、金持ちの女性は基本的に友達にならない。自分がみじめになり、暗い自宅の部屋の隅で体育座りするほど落ち込むのが見えているから。

 もちろん前述の女友達もみんなカワイイ。が、みんなきっちり自立して生きている。心から尊敬しているから、ドス黒い感情を全く持たない。男友達についてもそんな感じで、皆さんきっちり自立しているし話していて学ぶことが多いから尊敬できるし、そもそも恋愛的に「ライバル」という土俵に立ってないからドス黒い感情も持たない。

 しかしおひとり様の私には、確実に孤独な老後が待っている。そこで、困った時に支え合えるパートナー的な存在を近場で探そうと、区が出している広報誌に載っている「サークル」的なものをチェックするも、ヨガやら脳トレクラブやら、参加条件が65歳以上というものばかり。

 地元の酒場でパートナーを探すのはどうだ。これはあんまりよろしくない。2人とも大酒飲みならパートナーというよりも私のアル中を加速させる。そもそも私は地元の酒場がほぼ出禁なのだった。

 まあ、離婚寸前とはいえ、まだ一応既婚者の私が老後のパートナーを探すというのがそもそもおかしい話なのだが。結婚指輪だって、人妻ブランドを死守したいから外していない……。

 あれっ? なんか話が友達からズレたぞ。きっとね、アル中じゃなかったら、今頃もっと友達がたくさんいたんだろうけど、お酒で仲が深まった友達だっているから、まあ、どっこいどっこいかな。

 まあ、友達が100人いて自慢できるのは学生時代まで、と割り切ろう。女友達が少ない今は「あの子に友達をとられた……」としくしくする必要もないし、とても気楽だ。強がりではないよ。

 今後ますます友達は減っていくのだろうが、せめて「サーニャってアホでアル中だったけど憎めなかったよね~(笑)」とたまに友達から思い出される存在ではいたい。(完)


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