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異臭を放つオンナ その3

(その2から続く)

 入浴しないことにおける他人への弊害がある一方で、自分自身への弊害は何が考えられるだろうか。考えてみたが、やはり「(汗疹などで)かゆい」くらいしかデメリットがないように思える。どうしても搔きむしってしまうので、背中やらに掻き傷ができる。まあ、そんなんはどうでもいい。誰に裸を見せるわけじゃないし。

 逆に入浴すると意気揚々と飲みに出かけてしまうので、お金がかかる。酔っぱらうと他人に迷惑をかける。怪我をする。入浴しないことにより外出のストッパーができるので、私にとっては入浴しない方が節約・健全な心身と人間関係につながる。湯上りに湯冷めして風邪をひくこともない。入浴が質の良い睡眠への第一歩とかも言うけど、慢性不眠症の私には眠剤くらいしか手だてがない。私にとって風呂=生きていく上で非常に面倒くさい大イベントでしかないのだ。

 もちろん、風呂上がりの1杯が美味しいという意見もあるだろう。だが、基本は朝から寝るまで酒を飲み続けている私の辞書には、風呂上がりの1杯という楽しみはない。

 風呂嫌いの理由をHSPに絡めて説明してきたが、もちろんHSPの中には風呂が好きだという人も多い。疲れをとったり、リラックス効果とかもあるしね。だが、私にとってはリラックスなんてものではなく、ストレス以外の何者でもない……。私は、万病の元はストレスだと確信している。お前のストレスってそんな程度なのかと鼻で笑われそうだが、他人にとっては「そんな程度のストレス」でも、私にとっては重度のストレスなのだ。病気にだってなりかねない。つまり、入浴しないことが心身のリスク管理の1つ(偉そうだ)。

 2023年の夏は特に暑い。夜、涼しくなってから入浴しよう! と決心して浴室に向かうこともあるが、今度は今度で「24時以降に入浴するのは下の階の人に迷惑なのでは」なんて無駄な不安を抱いたりする。マンションだから、音が聴こえることもないだろうに……。これも音に敏感なHSPあるあるなのはないか。ますます風呂が遠ざかる。

 「テルマエ・ロマエ」や「湯道」などの風呂を題材にした映画も多い。風呂好きの爪の垢を少し煎じて欲しいくらいだ。まあ、彼氏ができたら風呂嫌いも克服できると信じて(一緒に入ったりできるかもだしね♡)、もう少し入浴は封印するスタイルで生きていきます。せめて、入浴が夏よりは快適になる秋までは(まあ、秋になれば厚着になる分、他人への異臭加害は夏よりは少ないだろう)。

(完)


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