今年のNHK上方漫才コンテストについて

2024年5月15日、
第54回NHK上方漫才コンテストの決勝進出者8組が発表された。

そのメンバーは
・たくろう(4年ぶり3回目)
・フースーヤ(2年連続2回目)
・マーメイド(2年連続2回目)
・ラビットラ(初)
・THIS IS パン(初)
・清川雄司(初)
・くわがた心(初)
・シモリュウ(前田龍二は6年ぶり、シモリュウとしては初)
の8組である。

筆者は今年の決勝進出者がこの8組と知ったとき、正直こう思った。

『今年のメンツ渋っ』

ただ何故そう思ったのかを考えた時、これなのではないかと思った。
それは芸歴である。

NHK上方漫才コンテストの参加資格は『結成10年以内』である。
つまり、お笑いコンビの場合は個人の芸歴が10年以上続いていても現在組んでいるコンビが10年以内であれば出れるのである。
今年の決勝進出者を芸歴順に並べると

ラビットラ 結成10年(芸歴 渡邉:19年目 松本:18年目)
THIS IS パン 結成7年(芸歴17年目)
シモリュウ 結成1年(芸歴 龍二:13年目 シモタ:12年目)
たくろう 結成8年(芸歴 きむら:11年目 赤木:10年目)
フースーヤ 結成8年(芸歴9年目)
マーメイド 結成3年(芸歴5年目)
清川雄司 芸歴4年目
くわがた心 芸歴4年目

決勝進出者が8組に制定されてからは、芸歴10年以上の芸人は3~4組程度進出している。そして今大会も半分が芸歴10年以上である。ただ、芸歴順に並べて改めて分かったのは、

ラビットラとTHIS IS パンの芸歴が15年以上であるということである。

筆者調べだと、決勝進出者8組に制定された2018年以降で、芸歴10年以上芸人は大抵10~12年目の芸人が決勝に進出している。芸歴15年目以上芸人の決勝進出は極めて稀なことであり、この6年間では、2018年のアインシュタイン・河井ゆずる、2019年のジュリエッタ(現在は解散)、そして昨年芸歴15年目で2度目の決勝進出を果たしたパーティーパーティーの3組である。今回に至ってはラビットラとTHIS IS パンの2組がそれに値する。2組と同期・同世代の芸人は祇園、すゑひろがりず、ななまがり、タモンズ、チョコレートプラネット、シソンヌ、見取り図、金属バット、吉田たち、デルマパンゲ、ジャングルポケット、ジェラードン、渡辺直美、令和喜多みな実、ツートライブ、ダブルアートなどのベテランの領域に達していると言っても過言ではないメンバーたちである。この芸歴15年以上という経験値がおそらく筆者が初見で感じた渋みなのだろう。

ちなみにABCお笑いグランプリとytv漫才新人賞の参加資格は、結成10年以内ではなく、芸歴10年以内である。そのため、芸歴が浅い無名のダークホースとも言える存在や、よしもと漫才劇場の翔メンバーに所属する芸人などが決勝進出を果たしやすくなっている。実際、3月に行われたytv漫才新人賞決定戦では芸歴4年目の同期である空前メテオとぐろうが最終決戦に進出している。また、昨年のABCお笑いグランプリでは当時早稲田大学4年生であった友田オレが決勝進出を果たしている。

今年のNHK上方漫才コンテストは筆者的には渋いメンバーが揃ったように感じたが、裏を返せば長い芸歴の分だけ酸いも甘いも経験しており、渋ければ渋いほど熟成され磨き上がった芸を見ることができる。

果たして今年はどの芸人が優勝するのだろうか。

今大会のブロック分けは以下の通りである。
A
1 くわがた心 2 清川雄司 3 ラビットラ 4 フースーヤ
B
1 たくろう 2 THIS IS パン 3 マーメイド 4 シモリュウ

筆者の予想ではBブロックが混戦になると考える。故に4組全員に最終決戦進出の可能性があると考える。そしてAブロックは2年連続決勝進出ならびに昨年M-1グランプリにて準決勝初進出を果たしたフースーヤが最終決戦進出を果たすと予想する。なので構図としては、

フースーヤ vs Bブロック代表X

になると予想する。

ただ、筆者個人の想いとしては今こそフースーヤに優勝してもらいたい。

ここで優勝(本人達からすれば大型賞レース初優勝)すれば、改めてカベポスター、ダブルヒガシ、天才ピアニストと共に肩を並べることができるはずである。そして胸を張ってよしもと漫才劇場を引っ張ってもらいたい。

それが筆者の今の想いなのである。


もう一度言うが


それが筆者の想いなッシングトゥーマッチ オーマイゴッドファーザー降臨 

ヨイショ!



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