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【番外☕】享年

*【知られざるアーティストの記憶】第68話にちなんで。

「享年68」
それは、目にしたくない文字列だ
心がぎゅっと握りつぶされるよう
わたしが唯一 共に祝えた
あなたがこの地上に生まれた
68回目の記念日
それがあなたの享年になるなんて

いつか心の底から言えるだろうか
享年おめでとう、と
それはわたしがあなたと
同い年になったときかもしれない



知られざるアーティスト、中学生(入学時?)の頃。
証明写真サイズ。母のドレッサーの引き出しに
大事そうに入れられていた。

大変な美少年(だと思う)だが、
彼はこの顔のままで歳をとった。
マリは68歳の彼が少年にしか見えなかった。
彼の中にいつも、この少年を見ていたのだと思う。



ぴんと斜め上を向いている耳。この耳を持つ人は、
繊細な感受性を持つと聞いたことがある。
わが家では、自閉症の次男がこの耳を持つ。
いかにも繊細で神経質そうな立ちかた、
構えかたに見える。

私の次男は家族の誰にも顔が似ていないのだが、
知られざるアーティストの幼少の頃の顔は、
幼いときの次男の顔と不思議と似ているのだ。



高校生の時、大の親友と新宿の喫茶店コボタンにて。
親友のお父さんが二人を車で連れて行ってくれた。
写真提供:親友様※掲載の許可もいただいています。


68話記念をお祝いして、彼の子どもの頃の写真を載せてみました。
いつもありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。
鷺行美


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