【番外☕】続・あなたと出会う交差点
※この記事は、前記事の【追記】として書いたものですが、独立させることにしました。
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彼は毎日抗がん剤を投与しながら、片道1時間弱(アップダウンのある)を自転車でT大学病院まで通うという強者でした。本編ではもう少し先に出てきます。
通るときに思わず手を合わせてしまう場所は、このT大学病院に曲がる交差点の他にいくつかあります。
できれば通りたくない、私にとって身のすくむ場所なのですが、彼の思いが残っているんじゃないかと感じられる神聖な場所でもあります。
それは、彼の亡骸を安置してくださった葬祭場、彼を火葬してくださった斎場、そして、彼の魂が肉体を離れた病院。この3箇所が同じ道のライン上にあるため、通るときはいっぺんに通ることが多いのです。
あるとき、いつも手を合わせて通る、火葬してくださった斎場への曲がり口、「○○市斎場→」という看板のある三叉路に、
「スナック 再会」
というお店があるのに気付き、私は泣きました。斎場入り口に「再会」というネーミングのスナック。偶然とは思えないこのネーミングを考えたかたの心遣いに打たれ、私の心持ちは温かくなったのです。以来、ここを通るときは手を合わせながら、この看板に「ありがとう」の念を送っています。
“必ず再会しようね”
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