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福祉の仕事:一度入ったら出られない?

大学を卒業したとき、不況に直面していました。

仕事がなかなか見つからず、福祉関係の仕事の面接を受けることになりました。

そのとき、その施設の理事長が面接官で、ふとこんなことを言っていました。

「福祉の仕事についたら、つぶしがきかないけど、大丈夫かな?」

当時は意味がよく分かりませんでした。
しかし、今、振り返ると、理事長の言葉は的を射ていたと思い知らされます。

営業マンや大手企業の社員なら、営業のノウハウやマーケティングの知識などを別の会社で生かすことができるでしょう。

しかし、福祉の仕事は、日常生活を支えることが主な仕事です。

食事、入浴、排泄、更衣など、日常生活を支援する基本的ケア能力こそが求められますが、特別な専門技能や知識が必要な仕事ではありません。

その経験やスキルは、他職種ではほとんど生かすことができません。

そのため、福祉の仕事に就職すると、簡単に他業界に転身することはかなり難しいのです。

私が勤めていた職場には、タクシーの運転手、洗剤の会社の営業マン、フリーター、学校の先生、営業マンなど、さまざまな職業を経験した人がいました。

しかし、私の職場から他の職種に就いた人は、私以外にはいませんでした。

私自身も、福祉の仕事から転職するためには、専門学校に行き、理学療法士の免許を取ることになりました。

介護を含む福祉の仕事についたら、つぶしがきかないというのは、事実なのです。

福祉職には多大な使命感とやりがいがあります。

しかしながら、福祉の仕事は、他の仕事とは異なり、一度入ったらなかなか出られない「つぶしがきかない」という特性があります。

福祉の仕事を選ぶ歳には、頭の片隅に入れておいて欲しい情報です。

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