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80'sの短すぎる小説

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80'sの短すぎる小説(字数色々)をまとめました!!隙間時間に読んでみて下さい(*´ー`*)
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記事一覧

54字の物語「雨のち虹」

54字の物語「雨のち虹」

彼女は雨女。
ケンカしている最中、雨が降り始めた。
彼女は、鞄の中に入っていた折り畳み傘を僕に差し出した。
虹だ。

54字の物語「タイムカプセル」

54字の物語「タイムカプセル」

タイムカプセルが見つからない。
絶対にここに埋めた筈なんだけどなぁ。
タイムマシンで、どこに埋めたのか確認した。

54字の物語「わたしの宝物」

54字の物語「わたしの宝物」

宝物のおもちゃのペンダント。
何度言われても頑なに捨てなかった。
思い出も一緒に捨てたくなかったのかもしれない。

54字の物語「連載の行方」

54字の物語「連載の行方」

長期連載をしていた漫画家が編集者に意見を求めた。
「シンプルが一番です。簡潔に。」
次週、連載は最終回を迎えた。

54字の物語「ゴォーガツ」

54字の物語「ゴォーガツ」

新緑が瑞々しく、草木も成長する季節。
深夜、立派に成長したあなたが、轟かせる轟音に生命のイブキを感じた私です。

54字の物語「自信満々」

54字の物語「自信満々」

「春が一番人気がある季節だよね?」
「え?!どうして?調べたりしたの?」
「知らないの?春一番って言うじゃん!」

54字の物語「約束」

54字の物語「約束」

十年前、私達は桜の木の下で再会の約束をした。
十年後、部屋の窓を開けると春風と共に桜の花弁が部屋に入ってきた。

54字の物語「烏」

54字の物語「烏」

烏は何故鳴くのか?
鳴きたい時に鳴いているのではないか。
僕もやりたい時にやりたい事をやってやると言いわらった。

54字の物語「謎」

54字の物語「謎」

彼女の自宅でお家デート。
彼女がトイレでいない隙に、ふと卒業アルバムを開く。
彼女の名前の上には知らない女の顔。

54字の物語「祝福」

54字の物語「祝福」

あなたは、俺の前で
いつも嬉しそうに、
しあわせそうにして
ての指輪を見つめて
た…。おめでとう。
よい花嫁になれよ。

54字の物語「想い」

54字の物語「想い」

「絶対に結婚しないから。」
なんて言うんじゃなかった。
まさか、時代がここまで変わるなんて。
この世に絶対はない。

54字の物語「おつかい」

54字の物語「おつかい」

お母さんにおつかいを頼まれた。
シーフードドリア。
エビは買った。
お米は買った。
野菜も買った。
あ…かいわすれた。

54字の物語「卒業」

54字の物語「卒業」

卒業式の日、恥ずかしくて、声が掛けられなかった。
人生は、やり直しがきかない。
後一歩を踏み出せていたのなら…。

54字の物語「失恋」

54字の物語「失恋」

「へ?」
僕がそう呟くと、彼女は、顔を真っ赤にして、僕の頬にビンタした。
「デリカシーのない男ってサイテーッ!」