見出し画像

【続いてる写経 1486日め】八王子の由来は”八人の王子”、では誰の?

東京都の多摩地域最大の市、八王子市。
(なお、面積的には西多摩郡奥多摩町のほうが大きい)

八王子で小学校〜高校まで学んだにも関わらず、
”八王子”の由来は全然頭に入っておりませんでした。

きっと、社会とか地理の時間に習ったこともあったと思うのですけど。

ズバリ、”八王子”とは”八人の王子”のことで、その父は”牛頭天王”でした。
”牛頭天王”とはインド由来の神様で、祇園精舎の守護神とされます。

日本には仏教同様、中国経由で入ってきたようです。

牛頭天王は民話の「蘇民将来伝説」に登場します。

”蘇民将来”は旅の途中の牛頭天王を、貧しいながらも家に泊めてもてなしました。それに感銘を受けた牛頭天王は、”蘇民将来”の一族を末代まで加護すると言い、一族の家には木札を下げるように授けました。
それ以来”蘇民将来”の一族は繁栄し、疫病などの難も逃れたといいます。
(話は多少のバリエーションあり)

ひいては疫病や農作物の害虫そのほか邪気を払い流し去る神として、古代より定着したようです。

伊勢神宮近くの玄関先に飾られている”しめ縄飾り”は、この「蘇民将来伝説」の木札が由来。

https://www.isemiya.com/products/detail.php?product_id=25 より

牛頭大王と奥様の頗梨采女(はりさいにょ)との間にもうけた王子が八人。(7男子、1女子らしい)。
これを”八王子”といい、牛頭大王とともに、ご眷属の”八王子”を祀る信仰が生まれたのだそう。

現在元八王子と言われる地域でも、この八人の王子を祭神とする「八王子神社」創建されたことから、次第に地名として定着していったというわけ。

それで、もってこの”八王子”の名前をよく見ると、、
大将軍、歳破、とか最近みるようになったものが。

陰陽道における”方位の神様”だったのです。

方位の神様が、”八王子”の由来!!

暦の学びを得て、自分の住んでいた町の名前に行き着くとは思わなんだ。

幼い頃に学んだとしても、突っ込んだ情報までは頭には残らなかったでしょう。

なお、牛頭大王をお祀りする神社で有名なのは、京都の八坂神社
明治政府の神仏分離令により、神道以外の神様は排斥されましたので、
現在、牛頭大王は”スサノオノミコト”ということになっています。

ただし、”天王洲”など各地に残る”天王”という地名まで痕跡は消せず。

しかも伊勢神宮のすぐそばで、蘇民将来のしめ縄が掲げられているのですから、”神仏分離”とか、異国の神様排斥は土台無理な話だったわけ。

日本の信仰ってのは、紐解くとホント面白いですねえ…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?