見出し画像

コミュニケーションのちから ~ベラルーシ人に聞いてみた③

【ベラルーシ人から2018年秋に聞いた話】

ベラルーシで一人旅をしながら現地の人へ話しかけて、彼ら/彼女らから聞いた話についてのシリーズ。今回は第三回目、コミュニケーションのちからについて。

これまで各国を旅行してきた経験でつくづく思うのが、人は意思疎通が取れる人たちに対して、共感を感じたり、連帯感を持つようになる。

そのため、当たり前だけども「母国語でコミュニケーションが取れる」ことは、人と人の関係において非常に重要な役割を果たしている。それをベラルーシで改めて実感した。

というのも、ベラルーシではロシア語を母国語として生活している人が多数派。そしてベラルーシ人は、ロシアに対する感情がすこぶる良いと聞いていた。実際に聞いてみてもやっぱり、、、

ベラルーシ人
「僕たちのロシア人に対する感情?それは『共感』か『愛』だね。決して反感ではないよ」

これまで旅行した旧ソ連の国々では、どの国でも多かれ少なかれ、ロシア人に対する反感しか聞いたことがなかった。でも、ベラルーシでは180度違った。


「ベラルーシ人は、ロシア人に対してどうしてそんなに好意を持っているの?お隣のウクライナでは、逆に反ロシアの気風が強いでしょ。現に彼らは今も戦争状態だし。この二つの国で何が違うからなんだろ?」

ベラルーシ人
言葉の違いが原因だと思うよ。ベラルーシ人は主にロシア語が母国語。でもウクライナ人は主にウクライナ語が母国語だから、その影響でロシアからの独立意識が強いって言われている」

ということで、母国語の違いによって、国と国の関係が大きく違っている様子。

画像2

という話を聞いて思ったのが、話が少し飛躍するけど、今後ITの発展が世界を変えていくのでは、ということ。

今回僕と話をしてくれたベラルーシ人の中の一人は、英語は聞き取れるけれども話すのが苦手ということで、タブレットのGoogle翻訳アプリを使って会話した。彼がロシア語でタブレットに入力して、それを翻訳したものを僕が読む。それに対して僕が英語で話して聞いてもらう。つまりこの人とは、従来だったらコミュニケーションを取ることができなかったはずだけど、ITの発展でコミュニケーションできるようになった。

更に、すぐ近い将来にはオンラインで通話しながら、「お互いに喋った言葉が同時に相手の言語に変換されて伝わる機能(=自動で同時通訳される機能)」が実用化するはず。

そうなると、いま僕が趣味でやっている「いろんな国を旅して、そこの国の人と喋って、その国のことを知る」というのと同じようなことが、そのうち誰でもお茶の間で簡単にできるようになる。それどころか、英語を喋られない人とさえ自由コミュニケーションできるようになる。

言葉の壁がなくなると、何が起こるのか。僕の経験として、これまで数十ヶ国の人たちとそれなりにじっくりと話をしてみると、そうやって話をした人たちやその国に対して、親近感が湧いてくる

ITの発達で誰でも言語の違う人と容易にコミュニケーションが取れるようになり、そして実際にコミュニケーションする機会が増えたとしたら、国民同士や民族同士の対立感情はいくらか減っていくのではないか。学校の授業でも、海外の学校の生徒とオンラインで繋いでコミュニケーションしてみれば、生徒にとても良い影響があると思う。

今後ITの発展で、そうやって国民や民族の垣根が低くなっていくといいなぁ、、、とスケールの大きな話になったところで、ベラルーシ人に聞いてみたシリーズを終わります。

画像2

by 世界の人に聞いてみた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?