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ブラジル人の人生の優先順位について聞いてみた

むかしドイツで働いていた時、同じ職場にブラジル人の同僚が入社してきた。僕はブラジルへ行ったことがなく、またブラジル人の友人もいなかったので、知らない国の人に興味津々。

ということでブラジル人について知りたくて、彼とお昼ご飯を一緒に食べながらブラジル人の国民性について聞いてみた。

具体的に何を聞いたかと言うと、国民性を理解するのに役立つ僕のお決まりの質問、「ブラジル人の人生の中の優先順位は?」と聞いてみた。

ブラジル人同僚
「うん、一般的にいえば、ブラジル人の優先順位で一番にくるのはやっぱり『家族』だね」

この答えは、ヨーロッパやヨーロッパの影響が強い国では一般的な傾向。なので、それ以降の優先順位に、その国の特徴が出てくる。

ブラジル人同僚
「そして次に来るのは・・・『パーティー』だな。人と集まって、食べたり、飲んだり、踊ったり、喋ったり。例えば家族の誰かが誕生日だったら、家族や親せきで集まる。友達が誕生日だったら友達で集まったり。あと会社で昇進したら、同僚たちを家に招いたり。ブラジルではパーティーの優先順位は高いよ。一方で仕事の優先順位は低いね。それじゃダメなんだけど」

南米の国は、もともとは南ヨーロッパのラテン系の国(ポルトガルやスペイン)の血が入っていて、文化的に影響を受けているからなのか、パーティーの優先順位が高かった。

ブラジル人同僚
「ブラジル人とかラテン系の人たちのメンタリティーはね、とにかく有名になりたいんだ。パーティーに参加して友達の人数を増やして、人との繋がりを広げたがる。友達についても、質より量。良い友人や良い交流を増やすということではなくて、とにかく数なんだ。南米全般にこの傾向があると僕は思っている」

ちなみに、僕がこれまで旅行した中で、同じようにパーティーの優先順位が高いと口を揃えて言っていたのは、バルカン半島にある北マケドニアの人たち。ブラジルと何か共通点があるのかな・・・?


「でもさ、ブラジルってカトリックの国でしょ。キリスト教の信仰心が篤いってことはないの?」

ブラジル人同僚
「いやー、一般的にブラジル人は宗教はあんまり大事にしていないなぁ」

やはり、いまや信仰心は世界の人々の人生の中心に存在してない様子。なので、他に大事にしてそうなことを聞いてみた。


「ドイツだと、自然の中で時間を過ごすことを大事にしている人が多いよね。で、ブラジル人は自然を大事にしているってことはないの?」

ブラジル人同僚
「正直、自然はあまり大事にしていないと僕は感じるね。ブラジルはアマゾンがあって世界有数の豊かな自然がある。だけど、周りに自然がふんだんにあるから、逆に大事にしない。ほら、人って恵まれているものは大事にしないって傾向があるよね」

・・・アマゾンの自然保護が心配になる。


「じゃあさ、みんな普段はどんなことを考えながら生活しているんだろ?」

ブラジル人同僚
「ブラジルで生活していてとにかく気になるのが、汚職がひどい。社会のシステムのいたるところに汚職がはびこっている」

具体的な事例も教えてくれた。

ブラジル人同僚
「例えばね、うちの叔父は農業をしていて、収穫したものをスーパーに卸していたんだ。でも別の人が、そのスーパーの仕入れ担当者に袖の下を渡して買収した。すると、その人がスーパーに野菜を納入するようになってしまって、それによって叔父は野菜を買ってもらえなくなったんだよ。何をやるにしてもこんなことの繰り返しだ。汚職があまりに日常に入り込み過ぎていて、ブラジルは正直者が馬鹿を見る世の中だ」

これまで色んな国で話を聞いてみると、「うまくいっていない国」の共通点は、汚職の多さ。汚職が多くて国や社会への信頼度が低下すると、国民の幸福度に大きな悪影響を与えると思う。

他にも、僕が一人旅をした国の中で汚職に対する不満を特に聞いた国は、アルバニアコソボ北マケドニアモルドバなどだった。

逆に、汚職が非常に少ないとされている国は、デンマークフィンランド。これらの国では「社会への信頼」が国民の幸福度が高い秘訣として語られる。

まとめ

ということで、ブラジル人同僚に聞いてみたブラジル人の人生の優先順位は、一番が家族。二番がパーティで多くの人と知り合いになって交友関係を広げること。

ただ、汚職によって社会への信頼度が低く、人々はこの点に対して不満が大きいとのこと。

今回は話を聞いたのがたった一人ということで、本当にこれが広くブラジル人の傾向を表しているかは全く分からないけれども、国のイメージを掴むための一つの足掛かりとして、非常に興味深かった。

ブラジルの写真がなかったので、お隣ペルーのチチカカ湖で撮った写真を

by 世界の人に聞いてみた

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