おっさん、さようなら。
この話は、前作【こんにちは、おっさん】の続きになりますので、
まだ、お読みでなかったら是非そちらからお読み下さいませ(^^)
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1ヶ月後に、保育園の入園を控えたえいじだが、相変わらず主人のことをおっさんと呼んでいた。
ある日の夜の事
主人とえいじがお風呂に入っていた。
そして、こんな会話が聞こえてきた。
主人「今から保育園の面接を始めます。大きな声で答えて下さいね。」
えいじ「はい!」
主人「いいお返事ですね。お名前は何と言いますか?」
えいじ「えいじです!」
主人「えいじ君と言うのですね。何歳ですか?」
えいじ「3さいです!」
どうやら、保育園に入園するための面接の練習をしているようだ。
保育園に面接なんてないのに。
主人「好きな食べ物はなんですか?」
えいじ「ごはんです!」
主人「美味しいですよねー。お母さんはどんな人ですか?」
えいじ「やさしいです。」
主人「いいですねー。お父さんはどんな人ですか?」
えいじ「おっさんです!」
主人「‥‥‥‥‥(ピキッ)
えいじ、もう練習終わりにしようか。」
面接官は早々に面接を切り上げた。
どうしよう、いよいよやばい。さすがにまずいと思い、再度主人に伝えた。
私「ねぇねぇ、このままだと保育園で友達や先生の前でも、おっさんて言うよ。保育園のお友達も、きっと、えいじくんのおっさんて呼んでくるよ。もうやめさせてた方がいいよ?」
主人「うーーん。そうだね。OK!自然な形で元に戻る様に話してみるよ。」
あくまでも、自然がテーマのようだ。
そして、数日後、それは起こった。
主人と私とえいじの3人でコンビニに行った時の事だった。
えいじは、ダッシュでお菓子のコーナーに向かった。夢中でお菓子を見ていたが、ふと
私たちの姿が見当たらない事に気付いて
大きな声で叫んだ。
「おっさーん!おっさーん!」
そう叫びながら、店内を探していた。
そして主人を見つけると、
えいじ「おっさん、みーつけた!」
コンビニにで買い物している人達がクスクスと笑っているのが分かった。
主人「‥‥‥。」
えいじ「もう!まいごになったらだめでしょーが!おっさん!」
悪いとは思ったけど、私も他の店内の人と一緒に笑ってしまった。
次の瞬間だった。
そんなえいじに向かって、同じ位大きな声で主人が言った。
主人「さっきから、おっさん、おっさん、うるさいんだよー!!もう、おっさんて呼ばないで!!とーちゃんて呼んで!!わかった?」
人生で初めて、大の大人が「もうおっさんと呼ばないで〜!!」と人目もはばからず切実に訴えている姿を前にして、最初はポカーンとしていた、えいじだったが、
えいじ「はい!」
と、妙にいい返事をした。
主人「いいお返事です!保育園合格しました!」
え?!面接続いてたんかーい!!
無事、保育園に合格したのはいいが、もうしばらくこのコンビニには来れないと思った。
この出来事を境に、えいじは主人の事をおっさんとは呼ばなくなり、おとーちゃんと呼ぶ様になった。
私「えいちゃん、本当におっさんて呼ばなくなったね。」
主人「自然に戻っったね!」
自然ではなく、おもいっきり手を加えてたけどな!!
今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。^ ^
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