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被害者と加害者とそれ以外。

うちの店舗の宣伝を、チラシとかで
もっと大々的にやらなくちゃダメよ、とか

女性が教えているということを
もっと全面に押し出したらもっと人気出るのに…

と、ご意見をいただくことがあります。


いや、そうですよね。
ほんとに、そう。そう思います。

ギター教える先生って
勝手に男性しかいないものだと
思いこんでいました!とか

体験レッスンに来てびっくり!
こんなに優しい女の人だったなんて、とか
(ありがとうございます×2億)

女性、だとか
わたしのキャラクターが
音楽講師らしからぬ風体だということを
喜んで、選んでくださる方がいるという
事実があったりします。

音楽教えてる人って
厳しさとか神経質さを
醸し出していますもんね。

みんながみんなではないけれど。
そういう人多いですよね。

そりゃ、そうです。
音大受験されている方とか
一日数時間の厳しい練習が当たり前とか
そういう世界の方々が多いし。

厳しさ、あって当然なんですけど

わたしそういう先生にピアノ習って
すごいつまらなかったんです。
ひとりで弾いて遊んでる方が楽しかった。

ピアノ、嫌いになっちゃいそうだった。

いや、わたしもありますよ。
厳しさとか神経質さとか。多分。へへ。
こう見えて。

わたしの性格にも
めちゃくちゃ神経質な部分があります。
あるらしい、です。

自分では当たり前のことなんだけど
細かくて、理解し難いこだわりを
持っているのだそうです。
(パートナーいわく)


でも、それを人様に向けたくないというか
その自分を見せたくない、といった
想いが強いので
神経質さとか微塵も感じられない
雰囲気が出ているのかもしれないです。

自分でもこの神経質さが厄介なので
意図的に麻痺させてきたところがあり

ほんとに鈍麻に陥ってしまったというフシは
大いにありますね。


カッコつけ、みたいなもんですね。
嫌なんですよね、こだわりを出すのが。
そのくせ、めちゃくちゃこだわりがある。

こだわりを持っているのに
こだわりを持っていないように見せたいという
こだわりを持っている、という。

まぁ、ムッツリこだわりですね。

なんだそりゃ。




でもね、女性がひとりで。
個室で。マンツーマンで教えている

それを大々的にすると
それを目的に変な人間が来るんじゃないかと
恐れている自分がいるんですよね。

別にこんなおばさんをどうこう、って
そういうことじゃなくてですね

そういう意味だけじゃなくて
なんか金目の物盗んでやろうとか

そういう、なんかいかがわしい輩が
来やしないかと…

恐れがあるんですよね。


そもそも
ひとりで家の中にいる事自体
あまり得意ではないので

物音一つ、気配を背中で拾って
ソワソワしてしまう。

これも、すっかり良くなってきたほうなんだけど

どうもまだチャイムが鳴ると
背筋に緊張が走ったり

抜けないんですよねー…なかなか。
過去の恐怖による反応が。


そんなことを
気心知れた生徒さんに話してみると
すごい共感してくれて

その上、
「いつも、ここに一人で怖くないのかなと思ってました!すごいなぁって思ってましたよ!」と、言われて

え?!やっぱりわたしが
気にし過ぎという訳じゃないんだ?!
と安心しました。


立地柄、スナックと間違えて
酩酊状態のような方が
入ってきちゃったりするんですよ。

つい先日もあったけれど
チラホラある。

「ここ何の店なの〜」とか言いながら。

いや…書いてあるのよ…
その何の店かは
文字、っていうものが示しているのよ…
読もう、読もうよ、ね…………





そんなこんなでチラシや
ホームページやら…
講師の名前もプロフィールも載せたくない

そんな勢いなんですけど
そんな店舗……繁盛しないわけだわ、と
思ってはいるんです…。

頑張って、名前は載せました。
顔写真はやはり無理でした。

普通は実績とプロフィールと
顔写真とか載せるもんですなんけどね。

だけど!有難い事に最近は
街の名前+ボイトレとググると 
うちが上位に出るようになっていたらしく
それを見て来てくださる方が増えました。

SEO対策とかしてないのになんでだろう?

やっぱり検索する人が
いるもんなんですかねぇー。

ボイトレ、探してる人結構いるのかも。
こんな地方都市でも。

最近交流のある、とあるセミナー講師さんも
「実は、ボイトレをやってみたいと密かに思っている人は潜在的に多く存在しているっぽいですよ!」
なんて話を教えてくれていたっけ。

そういう、密かな想いに
訴えかけていけば
もっと来てくださる方が増えるのかな〜…。



最近、チラシを手にして
体験レッスンへお越しになった@さん。

他のボイトレなどと天秤にかけていて
迷っていたけれどここにしようと思った、と。

どうしてですか?と聴くと


講師について、プロフィールなどの
詳しいことを細く全く書いていない…

これは自分を大きく見せようとしなくても
確かなもの、自信がある人なのだろうな、
と思った。

との事でした…!!!!!

たまげましたね…!!
そんな解釈の仕方もあるのか!と…!!

そんな意図はなくて
とことん消極的な理由だったから
こんな風に好意的に捉えてくださる方が
居られるなんて、すごく有り難かったです。

まぁ…これはミラクルな一例で
大半の人はそんなふうに 
思ったりはしないのだろうけれど…!

嬉しいことに、この方は体験レッスンの後に
やっぱり自分の勘は間違っていなかった
ここにして良かった!と
入会を決めてくれました。

なにがどう転ぶかわからないものです…。



ぜんっぜん話は変わって…
まだ17歳くらいのころ。

わたしが音楽の専門学校に通っていて
パートナーともう一人の女の子、※ちゃん。
そして当時の彼氏と4人でしょっちゅう
誰かしらの家に集まっていた頃のこと。

その日、わたしは友達と過ごさず
実家で夕飯後にテレビを見ていた。

番組と番組の間に
ニュースやってたじゃないですか。
数分間の。レインボー発、みたいなの。
今もやっているのかな。

あれでね、通り魔殺人事件のこと
報じていたんですね。

そんなテレビの世界とはだいぶ
温度差のある、のほほん具合で

のんきに、
あぁ〜今夜のハンバーグ
美味しかったぁ〜みたいな感じで
寛いでボンヤリと眺めていたテレビ。

現場の中継先…
なんか見たことあるわぁ、これ…

〇〇区かぁ、え…
※ちゃん家の近くだったりして…


景色そっくりだわぁー

なんて思っていたら
なんと、しょっちゅう入り浸っていた
※ちゃんの家の目の前そのもの。

よかった食べてるときじゃなくて。
口に物が入っていたらブホォ!!!って
吹き出していた。

いや、でもそういう時って
えー!って叫ぶとかできなくて
金縛りみたいに凍りつきました。


まさに、全身の血の気が引いた。


え………


※ちゃんは数ヶ月前その現場、
というか自分の家まで
あとほんの数秒というところ

まさにテレビの中継先の
その場所で襲われた。

終電近くの、バイト帰り。

あともう少しで家につくというところで
男に覆いかぶされて
地面に押さえつけられて
そこらじゅう身体を触られた。

何をどうやっても身動きが取れない。

その時、※ちゃんは 
 
っざっけんじゃねええええええええええ!!!!!!!!

と、雄叫びを挙げながら
「思いっきり金○を蹴り上げた!」と。

急所を渾身の力で蹴り上げられた
男は逃げていった…


という話を、笑いに変えようとしながら
本心は恐怖でたまらなかった
心持ちを話してくれた。

許し難い汚らわしさへの怒り
また今夜もあの家に帰らなくてはいけないことや
あらゆる思いを。

どれだけの恐怖だったことか。

彼女は優しすぎるほどの性格だから
まじでクソやべーよ!みたいな
笑いに変えて話してくれていたことも
胸がとても痛かった。

もしも。


もしも友達が叫べなかったら。

叫ぶ事ができたから相手は怯んで… 
その隙に急所を蹴り上げることができたのかも。

友達は、とことん優しい性格で
繊細だけど、何処か肚が座っていて。

それでいて、やはり歌が上手かった。

だから、声が出せたのかな。
それもガナリ声のような。


テレビの中で報じている
通り魔事件の犯人は間違いなく、
友達にそのようなことを働いた人間だ。

友達が無事であったことを心から喜んだ。




そんな事を思い出すキッカケになったのは

最近、生徒さんから聴いた話で
カナダの護身術「WEN-DO」
というものがあるらしく


その、奥義は「叫ぶこと」だそうで…

その生徒さんは、それを
一時期習っていたそうですが

なかなかその雄叫びのようなものを
出すことが難しいとする人は多いのだとか。

いや、わかる!!!!!

咄嗟の時って身体が収縮して
思い通りにならなくなるもんね。

わたしも、究極の恐怖に際した場合
叫べるんだろうか?


そもそも
その護身術はカナダの空手家である
女性が強姦に遭ってしまい

空手家ですら、そのような有事に
抗うことができなかった…
という経験から生まれた護身術なのだそう。

その護身術の奥義、それが叫ぶということ。

正確にはウルフボイスというらしいです。
オオカミの雄叫びのように発声をする。

女性はそのような声を出すことが
難しい方が多いのだそうで。

まさに前述した友達は
その奥義である「雄叫び」に加えて
伝家の宝刀、金的を繰り出したのだから
本当に本当によくやった、と称えたい。

底力が発揮できる人って
何かが違うんだよなぁ。

背もスラリとしていて
グラマラスな美人の友達。

その日から、横山やすしさんバリの
チンピラ歩きを標準とするようになった。
肩で円を描くようにしてガニ股歩きで。

髪も極限までブリーチして
ショートカットで 
ボーイッシュな服装のみになり。

こうやって歩けば女だと思われたり
襲われないだろうから、と。



奥義は雄叫び。

それを聴いて閃きました。

護身ボイスとか面白そうだな、
必要とする方…もしかしたらいそうだな、と。

歌としての声の発声のみならず 
そういった有事に備えての
デスボイス講座とかね…。

女性がみんなで
「デストロイィイイイイイイイイ」
「ヴォオオオオオオオオオオオオ」なんて
発声練習する、っていう。

ないんじゃないの、そんな講座今まで…!

おもしろ…!!!


防犯ブザーよりもいいよね。

まず、発声できる心理状態や
身体感覚ならば
きっと緊張して固まって動けないということは
起こらないんじゃないかな。

まだ憶測の域でしかないけれど。

少なくとも、思考停止してパニック状態…
というものからは離れられるはず。




またまた話は変わって…

以前、近所でシニア向けとした
太極拳らしきものを習っていたのですが

その講師の方が言っていたことがあって。

「自分の身を護るっていうことは、相手を犯罪者にさせない、っていうことになるんだよ」

と。

すごい深いこと仰るなぁ〜って思った。

自分が被害者に成り下がろうとしない。
即ち、相手を加害者とさせない。


もしも、襲われそうになったら

何をお前こんなことやってんだよ、って
だめだろ、って
馬鹿なことするんじゃないよ、って
気づかせてやるんだよ、とか言ってた。

相手の本質を見出す、というか
良心を拝み出すような心持ちか。

いや、それ本当に
何においても大切な心構えだよね。

今度、酔っ払いのおじさんが来訪してきたら
自分を被害者的立ち位置に置かない、
そして相手を加害者とさせない

それ、心に留めて置きたいなって思いました。


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