2/7/2021 「三行で撃つ」

Clubhouseのアカウントを申請したら、友人が招待してくれた。ツイッターでフォローしている物書きの人たちが話しているのを聴きたくて始めてみたが、まだまともに聴いたことがない。いつ始まるかわからないし、音声記録は残らないのでたまたまタイミングがあって参加できて初めて聴くことができるから。フォローしてる人も数人だし、誰がいるか、どんなルームがあるか掘ってないのでまだどんなアプリなのかわからず。怪しいビジネスとか自己啓発的なものが多いと聞くので、まだ探すほどでもない気がしている。入ってほしくない人が乱入したり、聴いてほしくない人を拒否することはできないので、じっと聴いてるの放置するしかない、などいろいろ事故も起きているらしい(by吉田豪@アトロク)。ラジオを聴くので、音声メディアで話すことで生計をたてている人がClubhouseで話すなんてもったいないし、やらないだろうな、と思ったり。一度だけしばらく聴いたのが、本の編集者が自分が担当した新刊について話しているルーム。こういうのはいいなぁと思う。

「三行で撃つ」という本を読み始めた。出だしが大事、から本は始まる。文章といっても様々なタイプの文章があって、この書き手の文章を読みたくて読んでる、内容に興味があるから読んでる、ような文章はそれほどキャッチーな出だしである必要は必ずしもない。ここで紹介される文章の書き方は、ぱらぱらとめくっていて(ネットサーフィン(死語)してて)、何気なく読み始めた人を惹きつけるための指南ということらしい。書き手が誰であるかにはまったく興味がなく、書き手の関心にもまったく興味がない読者向けの場合。

読んでいて思い出したのが、大学生の頃何か月か通っていた、文章の書き方講座だ。大手出版社も志望のひとつだったので、同じく出版社志望の友人の紹介だった。記憶がおぼろげだが、自宅で行われていたと思う。教えてくれるのは、主に週刊誌に記事を書く、4,50代の男性のフリーライター。ライター稼業の世知辛さをぼやきつつ、課題を添削してくれていた。「出だしが大事」は、まさに週刊誌の記事のように、自分のことを知らない、内容にも興味がない読者にどうやって最後まで読ませるか、に直結している。いわゆる「読ませる文章」を書く練習、あの講座で触れたなぁ、といつも濃いクマを目の下にこさえたおじさんを思い出した。

ここで習ったことが少しだが役だったのが、字幕翻訳講座に通っていた頃に出された課題だった。翻訳とは関係なしに、まず日本語でうまい文章を書けることが大切なので、なんでもいいから800字程度で読ませる文章書いてこい、という指示だったと思う。後日添削され、クラスで良かった人として取り上げてもらった。やったー!と思ったと同時に、読ませるために自分にしては扇情的な表現を使ったり、それこそ週刊誌的な書き方をしたのが楽しかったわけではなかった。こういうのが求められてるんだろうな、ちょっとサムいな、と思いつつ書いたので、なんか複雑だったのを覚えている。

「三行で撃つ」には、ライターでなくても、普段の仕事で書くようなメールにも応用できるコツが紹介されている。下手な文章をどう書き換えるかの具体例も。あー自分やってるかも!と恥ずかしくなりつつ、簡単に直せることも分かるので、誰が読んでも参考になりそう。

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