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Grote GR-Modern-T 一週間レビュー 弾きやすさ+サウンド編

先月購入したGroteのGR-Modern-Tを、その後一週間ほど調整しながら弾いてみた。弾きやすさやサウンド、その他細かい点も色々見えてきたのでそれらの点についてレビューをしていきたい。

弾きやすさ

開封レビューにも書いたが、購入時点ではナットやブリッジ、ピックアップなどが調整されていない状態で、弾きやすいセッティングとは言えない状態だった。この一週間の間に、ナットの溝切り、ブリッジ調整、ピックアップの高さ調整をさらに煮詰めた。ひとまず他の手持ちのギターと比べても同じような弾き心地で演奏できる状態まで持ってこれたが、若干妥協が必要な部分もあった。

現在弦高は1弦側1.6mm、2弦側1.8mm程度に設定している。もう少しだけ下げたい気もするのだが、これ以上下げると若干ポジションによってビビりが出て、響きも悪くなるのでこのセッティングに落ち着いた。これ以上は擦り合わせによる調整が必要そうだ。ここに関しては価格帯が上のクラスのギターに比べると違いを感じる部分ではあるが、値段を考えるとこれ以上は流石に求めすぎだろう。

フレットは購入当初は表面にざらつきがあったが、一週間ほど弾いている中でざらつきはなくなり、チョーキングやビブラートもスムーズに行えるようになった。

一方、二点支持式のトレモロブリッジは若干気になるポイントの一つだ。アームのロックやコマの動きは問題ないのだが、アーミングをする際に若干ブリッジがたわむような感覚があり、アームに対して与えた力に対してブリッジが動く量が少ないような気がする。アーミングを多用しない人であればそこまで問題ではないだろうが、アーミングを多用する人には少し気になる点かもしれない。

サウンド

一週間ほど調整しながら弾いたことで演奏性・サウンドも落ち着いてきた感があるので、一旦今の状態で録音をしてみた。弦高を下げた際の響きの変化の影響か、ボディの特性の問題か倍音成分が少し少なめで多少篭りがちな傾向があるので、ディストーションサウンドはアンプ側でハイを少し強めに出すようにセッティングをして弾いた。

リアのハムバッカーはよく言えば癖が弱い無難なキャラクターで、ニュアンスは少し出しにくいが音が暴れにくいという点では弾きやすいと感じる。なんとなく、弾いている時の感触は以前所有していたBacchusのBST-2-RSMのリアピックアップと似ているように思う。スムースジャズなどで平坦で耳障りが良い演奏を目指すならこれでも全然良いとは思う。

フロントのシングルコイルは、ローステッドとはいえメイプル指板との組み合わせだが、こちらも音が暴れる感じはない。金属のカバーが付いているせいか、ノイズも割と少なめだが少しハイが弱めで自分の思う「シングルコイル感」は弱めだった。自分の好きなフロントのシングルの音の方向性とは少し違うので、今度チャンスがあったらSuhrのV63+に交換してみようかと思う。

その他

今のところチューニングはとても安定している。ナットは自分で調整してしまったので評価が難しいが、ペグに関してはトルクも揃っており使用に関して問題がない。

演奏やサウンドには直接関係ない部分ではあるが、使っていて微妙に気になるのがジャックの位置だ。割と下向きの角度で穴が空いているので、座って弾く際に椅子の形状によっては若干位置が気になる時がある。

まとめ

以上、一週間使ってみて気になる点も少し出てきたが値段以上に楽しめるギターだ。購入当初のセットアップでは弾きやすさもサウンドも良いとは言えない状態だったが、セッティングを詰めるごとにギターのポテンシャルが見えてくるような感じもあって、「ギターを安く買って自分で育てていく」ような楽しさがある。一方で、自分での調整を楽しめない/自信がない人にとってはあまりオススメはできない。

残念ながら、このギターは2023年11月現在通販でしか販売されていない様子で調整されたものを楽器店などで購入することはできないようだ。それが安さの理由の一つなのだろう。自分で調整することに自信がない場合には別のギターを選んだ方が良いと思う。

自分の場合は調整を含めて今のところ楽しんでいるが、まだいくつか調整しなければいけないところが残っている。弦高を下げた時の響きについては若干の妥協が必要で、それがサウンド面に多少影響しているのではないかという気はしているので擦り合わせも試した方が良さそうだし、フロントピックアップはあまり好みの音ではなかったのでSuhrに交換してみたい(見た目の問題はあるが)。

なお、どうやら自分が買ったブルーのカラーは2023年11月現在Amazonでは取り扱いがなくなってしまったようだ。


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