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水耕栽培施設を見ながらレタススムージーハイを飲むと深ーい気持ちになる理由

自分の好きなことを仕事にできて、評価されて、収入が増えて、美味しいごはんが食べられると幸せを感じますよね。特に美味しいごはんは重要です!

物価が高くなったとはいえ、日本の野菜は世界的に見ても安心・安全でリーズナブル。野菜嫌いの自分でもなぜか大好きなレタスは、今は売値150円くらい。売り手の視点に立つと1,000個で15万円。農家さんの手元に4割残ったとして6万円。種まきから3~4か月、天候を気にしながら育てた結果がこの状況となると、果たして収入はいいと言えるのでしょうか。会社からの帰り道にレタスのスムージーハイを飲んだ時、ふとそう思いました。

レタススムージーもあります(これにはアルコール入ってません)

農家さんの頑張りで野菜が食べられる


レタスミックスサラダ。レタスが小さいころからスキ!

水耕栽培で飲んでいた理由は後で書くとして、大好きなレタスについて少し調べて考えてみました。
ちょっと古いJ2016年のJETROのデータを見てみると、アメリカロサンゼルスでレタスは1個2.59ドル(当時308円/2023年6月では365円:以下同じ)、ロンドンでは0.89ポンド(152円/162円)、シンガポールで3.30シンガポールドル(275円/349円)です。物価や農業国かどうかなど違いはあるものの、スーパーで300円を超えると、買うのをためらってしまう自分の固定概念を反省です。日本産の野菜をもっと食べないといけませんね。

https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Marketing/2016/marketpriceresearch_majorcity_retasu_201604.pdf

2016年4月 日本貿易振興機構(ジェトロ) 農林水産・食品部調べ 現地市場価格調査レタス より

農業で働く人の努力や、外国人技能実習生、障がい者の活躍のおかげもあって、リーズナブルでありながら安心・安全・美味しい野菜が自分たちに届けられているということに安すぎないかという不安な気持ちはありつつも感謝です。皆さん美味しい野菜をありがとう(*ᴗˬᴗ)⁾⁾。

商店街の空き店舗を農業工場に

TVやゲーム、Webなどのクリエイターの生涯価値・収入を最大化させるクリーク・アンド・リバー社(C&R社)が本格的に農業分野に進出したのは2022年4月。誰もが農業に関われて(つくる)、美味しくて体によい食(たべる)を通じて、たくさんの人とつながる(であう)事業モデル「FUN EAT MAKERS」を推進するためにコネクトアラウンドを設立しました。

そして最初に手掛けたのが神奈川県川崎市武蔵新城駅前にあるアーケード商店街「あいもーる」内の飲食店付きの水耕栽培と農業研修ができる施設「FUN EAT MAKERS in Musashi Shinjo」です。

しっかりと衛生管理された水耕栽培施設「FUN EAT MAKERS in Musashi Shinjo」

元々はお菓子屋さんだった建物をリフォームして、クリスピーレタスやレッドカラシナなどをつくる水耕栽培棚が4列並んだ都会の小さな農業工場です。商店街のど真ん中に明るい栽培装置がドーンと見えているので、通る人たちは突如現れた施設に「なんだ、なんだ」と一度は立ち止まります。

買い物客みんなが栽培施設に注目して立ち止まる(2023年2月オープン時)

収穫されたばかりのリーフ野菜は食品工場の衛生管理で栽培されているので、冷蔵保存で2週間も日持ちして洗浄要らずだそう。収穫したレタスは、そのままスムージーハイと呑み始めセットのおつまみになりました。
そう、ここで会社帰りにスムージーハイを飲んでいたんです。

呑みはじめセット。野菜とお酒の相性は抜群!

ごはんとお酒を楽しむだけではない施設の深淵

商店街の中の工場で野菜を作っていて、採れたて野菜をその場で食べられるだけでも驚きですが、栽培・収穫している人もご近所の主婦の方から障害を持っている方、農業を学びたい方と様々。一つ言えるのはみんな最初は農業経験のない初心者だったということ。農業は経験と勘が重要と聞いていましたが、明確に標準化された作業と工程など、とにかく誰でも同じように栽培・育成ができるユニバーサルなワークフローとなっているため、知識・体力・経験関係なく1か月もすれば都会の農業人になれるというわけです。「FUN EAT MAKERS in Musashi Shinjo」では障がい者就労支援のダンウェイという会社と組んで作業モデルを作っていて、企業の障がい者雇用研修も請け負っているそうです。

食事をしている奥、ガラスで仕切られた空間で農作業が行われいている

収穫された新鮮野菜はこの施設入口にある「FUN EAT MAKERS カフェバー」で食べられるほか、川崎市内や東京都内などのレストランに「FUN EAT MAKERS」ブランドで月間150キロものリーフ野菜が出荷されています。まさに、地元密着の地産地消です。

注:「FUN EAT MAKERS」では100g500円(税込540円)、500g2,500円(税込2,700円)でミックスリーフパックを販売しています。
お申し込みは公式LINEから▼

FUN EAT MAKERS武蔵新城 公式LINE

この施設が目指していることを聞いてみた

コネクトアラウンドの浅井さん(左)と江上さん(右)

C&R社の理念「人の能力は、無限の可能性を秘めています。私たちは、その能力を最大限に引き出し、人と社会の幸せのために貢献します。」を体現した、ちょっと変わった農家さんのコネクトアラウンドの浅井社長に、この施設でどんなことを目指しているか聞いてみました。

「日本はものすごい勢いで高齢化や少子化が進んでいる国。農業はかなり昔から労働力不足でしたが、労働力の確保が困難になってきている業種は増える一方です。それは、何を意味しているかというと、私たちが安心して生活していけるために必要なインフラが崩れてしまうということ。とても他人ごとではないのです」
「だからこそ、『こういう人じゃないと働けない・雇えない』ではなく、『どんな人でも働ける・雇入れられる』という環境を、様々な業種において、アイデア、ノウハウ、技術を駆使して作っていかなければならないと思っています。この施設は、『食糧の供給』というインフラを担う施設として、多様な人の可能性を引き出して、『誰でも』プロフェッショナルとして活躍できる環境を目指してきたいと思っています」

ほろ酔い気分が一気に飛びそうな、まっすぐで素敵なお話が聞けました。

福島県大熊町では地方型モデル施設を建設中

コネクトアラウンドの「FUN EAT MAKERS」事業は川崎で都市型モデルとしてスタートしましたが、実は地方モデルが福島県大熊町で2025年にスタートする予定です。2023年1月には大熊町町長議長、浅井社長、C&R社の井川会長も参加して、大型6次化農業施設「Fun Eat Makers in Okuma 」の立地協定締結の記者発表が行われました。

左から、吉岡健太郎大熊町議長、吉田淳大熊町長、コネクトアラウンド 浅井司社長、クリーク・アンド・リバー社 井川幸広会長

例えばクリエイターがアグリテックやユニバーサルなワークフローの力を借りて、午前中は農業をして午後は都内の会社とリモートでゲームや動画制作の仕事するなどといった地方移住を実現するものです。野菜栽培施設+飲食加工施設+飲食・販売施設+シェアオフィスが一体となった大型施設ができることで、新しい就農者兼就労者が大熊町に誕生すると同時に、人が集まる場所がまた一つ増えて東日本大震災からの復興にも協力できます。

どこに向かって進んでいくのか

コネクトアラウンド、C&R社が目指すのは誰でも壁を感じずに活躍できる社会。これが実現できれば、最近よく言われる人材不足や地方から人がいなくなっている問題を少しだけ解決できるのかもしれません。

スムージーハイを2杯空けた自宅への帰り道、夜空を見ながら他人のために本気で幸せを追求するって一番幸せなことかもしれないと思いました。■CR

2023年5月 日本テレビ『news every.』で渡辺裕太さんらが取材に訪れました、笑顔が素敵!

CREEK & RIVER 公式note編集部 TK

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