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歯車のイタミ 3

<2からのつづき>

栗田はついに。

意図せずに、えみちゃんに対して、
怒鳴ってしまった。

かろうじていつも出来ている、
出来上がりの豚肉商品パックに、
「◯◯豚」というシールを貼るだけ、
その作業が間違っていたからだ。

間違っていたこともそうだが、
間違っている事を強めに問いただして。

ずっと見張っていれば、
ちゃんと出来るから、
余計に腹が立ってしまった。

このクソ忙しいのに、
ずっと見張っていろ、というのか。

ただでさえ、全て自分一人で、
しなければならない日なのに。

見張っていれば出来る、
という事実が、さらに怒りを高めた。

まるで、からかわれているよう、
にも感じられた。

そしてついに、
怒鳴り散らしてしまったのだ。

子供の頃から、
怒り散らしたことは、
ほとんどない栗田にとって。

これは驚きだったし、
自分が間違ってるのでは、
とも考えた。

怒るほどのことではないかも、と。

しかし、
いくら冷静になって考えても。

怒らないといけない理由が、
たくさんあるように思えた。

自分の精神が、
少し壊れかけているような、
そんな気にもなった。

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