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山の手言葉の衝撃から、地域の言葉の消失を思う

こんばんは、クラフトビア子です。
みなさんは、日常生活で山の手言葉を聞いたことがあるでしょうか。

山の手言葉とは、東京の山の手方面(物理的に高台の土地。たとえば港区白金台など)で暮らした近代の中上流階級の人たちの言葉です。

都内の西の方に住んでいても、下町のようなエリアで暮らすと「あさひしんぶん」を「あさししんぶん」と言ったり、「バカ野郎」と怒鳴ったりする江戸っ子べらんめえおじさんに出会うことが多く、おばさんも「いやねえ」「そうなのよー」といったちょっと昔のドラマに出てくるような話し方ばかりなので、てっきり山の手言葉は絶滅したと思っていたのですが。

山の手言葉というのは「ざあます」といったドラえもんのスネ夫のママのような話し方だよ、という記事を多くみかけますが、個人的には小津安二郎監督の『東京物語』に出てくる原節子の話し方がリアルな山の手言葉に近いと思っています。黒柳徹子さんが近い感じです。

黒柳さんよりもさらに控えめな発声、若い人には意味が通じなさそうな古風な言い回しをするのが、リアルな山の手言葉だと勝手に思っています。

そんなリアル山の手言葉を話すご婦人たちを、それも山手線の中でお見かけしたのは、もう20年くらいも前のこと。

あまりの上品さに、腰を抜かしそうになったのをいまでも覚えています。

それ以来、どこかで山の手言葉に再会できないものかと思っていますが、まったく出会えていません。絶滅してしまったのか、山の手言葉を操るような人は電車に乗ったりしないのか――。

皇室の方々の話し方とも違うんですよね…。どこかでまた出会いたいものです。

ところで、伝統文化や固有動物が失われるのと同じように、方言もまた消滅の危機にあります。

たとえば沖縄ことば。同世代の沖縄出身の人は、あまり話せないようです。
実際に方言消滅の危機にさらされているようで、ユネスコが危機言語に認定しています。

東日本大震災の影響で、特に甚大な被害を受けた被災地域の固有の方言が失われることも危惧されているのだそう。

たしかに東北弁を話す同世代は、親世代や祖父母世代にくらべてめっきり方言度合いが弱くなっています。ましてや、人口が少なく、特徴ある方言を話していた地域では、離散とともに言語そのものが失われていくのでしょう。

形にはなっていないけれど、確実にその土地固有の文化だった方言。

決して地方だけではなく、東京のような都市部でも、固有の方言は多様な背景を持って集まる人たちに飲み込まれて消滅していく運命なのでしょう。

文化庁では方言の保存や調査に努めているようですが、時代の波にのまれて消えていく前に、どうにか残していけたらうれしいですね。

ちなみに我が家は、私が西日本と東北のハーフの東京育ちで、夫が九州出身の両親を持つ大阪育ちで、子どもたちとの言葉は完全なごちゃまぜとなっています。それはそれでおもしろいのですが。

みなさんのご家庭の特徴的な言葉はどこの地域由来でしょうか。

それではまた。



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