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必要なのは、弱者を犠牲にしない「ベーシックインフラ」と「比例型炭素税」。社会的共通資本から考える、持続可能性の高い社会【勉強会レポート後編】

勉強会レポート前編では、経済学者・宇沢弘文氏が提唱した、「社会的共通資本」という概念について理解を深め、宇沢氏の目指した「ゆたかな社会」の実現について考えました。

後編では、そんな「社会的共通資本」を基軸として、「社会的共通資本×エネルギー」「社会的共通資本×プラネタリーヘルス」の2つのテーマについて考えるパネルディスカッションを行い、参加者同士での対話を実施した様子をお伝えします。

パネルディスカッションには、オムロン フィールドエンジニアリング株式会社 執行役員 エネルギーマネジメント事業本部長 榎並顕氏、関西電力株式会社ソリューション本部開発部門 熊代知暢氏が登壇。株式会社フューチャーセッションズ代表 有福英幸氏のファシリテーションによって、議論が交わされました。

会場にいる参加者のみなさんとともに、これから目指すべき人類のゆたかな生活と地球環境とのバランスが取れた社会について考えます。

前編はこちら

宇沢弘文
日本を代表する経済学者。社会的共通資本という経済理論は新しい資本主義を支えるものとして注目を集めている。1950年代から経済成長に関する先駆的な研究を米国や英国などで行っていたが、1968年日本に帰国後は公害や地球温暖化、格差など、市場での利益を優先することで起こる弊害や、新自由主義的な考えが引き起こす社会問題に向きあった。水俣病や国土開発計画(むつ小川原計画など)、成田闘争などの現場へ出向き調査を重ね、発言・行動する経済学者としても知られていた。本質的に豊かな社会を目指し、様々な提言を行った。地球温暖化に対しても、1980年代から発言しており、国民総生産や熱帯雨林の保有率などを加味した“比例型炭素税”は、炭素税の不平等の是正を目指している。

占部まり
宇沢国際学館代表取締役 日本メメント・モリ協会代表理事。1965年シカゴにて宇沢弘文の長女として生まれる。1990年東京慈恵会医科大学卒業。1992~94年メイヨークリニックーポストドクトラルリサーチフェロー。現在は地域医療に従事するかたわら宇沢弘文の理論をより多くの人に伝えるために活動をしている。宇沢国際学館代表取締役、日本メメント・モリ協会代表理事、日本医師会国際保健検討委員。JMA-WMA Junior Doctors Network アドバイザー。

榎並顕
オムロン フィールドエンジニアリング株式会社 執行役員。 2002年にオムロン株式会社に入社、新規事業開発や、環境事業の立ち上げを経て、11年より欧州に赴任、欧州・中東・アフリカにおける環境事業の拡大に取り組む。19年よりグローバル戦略本部にて長期ビジョン・中期経営計画の策定に携わる。22年からはNTT西日本と環境領域での合弁会社である株式会社NTTスマイルエナジーの取締役を兼務。23年より現職。現在は、製造業を中心にカーボンニュートラル実現に向け大型蓄電池事業を活用した事業を中心に取り組む。

熊代知暢
2005年関西電力株式会社に入社。経営企画部門における組織管理、営業企画部門における電力小売全面自由化対応業務などを経て、2021年より現職。現在は、ゼロカーボンソリューショングループにて、脱炭素に関わるビジネスを中心に新規事業の企画・開発を行なっている。

有福英幸
株式会社フューチャーセッションズ代表。大手広告会社にて、企業のブランディングやデジタルコミュニケーションに従事。クリエイティブの新しい表現に挑戦し、Cannesなど国内外の広告賞を多数受賞。より社会的なインパクトを創出すべく、2012年にフューチャーセッションズを立ち上げ、クロスセクターの共創による社会イノベーションの実現を促進。

多様性に必要なのは、「ベーシックインカム」ではなく「ベーシックインフラ」

パネルディスカッションの前に、占部氏からディスカッションの前提となる考え方について、「教育」を中心に語っていただきました。

占部氏「前半でお話した通り、『みんなのため』を銘打った制度や社会システムでは、弱者が犠牲になるという現状があります。

そんな構造を踏まえたうえで、昨今注目されているのが『ベーシックインカム』です。すべての人が国から一定額を定期的かつ継続的に受け取れる社会保障であれば、多くの人々が救われるのではないかと議論されてきました。

しかし、宇沢はベーシックインカムに対して、はっきりとダメだと言っていました。『今月100円で買えた大根が来月は120円になるから』と。

みんなが必要としているものを市場原理に任せると、価格が上がっていってしまうのです。」

占部氏は、価格が上がると特にまずいものの1つに「教育」があるといいます。その例として挙げられるのが、美術の授業で使われる「絵の具」です。

絵を描く際に、もっとも消費されるのは白色の絵の具ですが、貧困家庭の子どもは絵の具がなくなっても買い足してもらえません。

公教育が進んでいる国では、授業に使われる画材は学校の設備として準備されています。しかし、日本では各家庭で購入しなければならないため、家庭の経済状況によって絵の表現にすら格差が生まれてしまうのです。

占部氏「東京大学の実施している2021年度の学生生活実態調査によると、東京大学に通う学生の家庭の世帯年収は、4割以上が1000万円を超えていることがわかります。

経済的な理由で教育格差が生まれている現状を見ると、必要なのは『ベーシックインカム(所得の保障)』ではなく、『ベーシックインフラ(ゆたかな生活基盤の保障)』を提供することなのではないでしょうか。

とはいえ、ベーシックインフラもまた、無尽蔵に提供できるものではありません。どのように享受するか、その管理を個人と国の2軸で考えていく必要があります」

宇沢氏は「教育とは、多様な人々と出会い、その能力を伸ばせる場所」だと語っていたと占部氏は言います。魚に泳ぎを教えるのではなく、自由に泳げる場所を用意することが重要なのです。

そして、宇沢氏は「ゆたかな教育によって、これから実現すべき社会のあり方が共有されていくのだ」とも伝えていたと、教えてくれました。

宇沢が考案した弱者に負担をかけない気候変動対策「比例型炭素税」「大気安定化国際基金」

宇沢氏は、地球環境の改善に貢献をした人物として、2009年にブループラネット賞を受賞した経済学者でもあります。

ディスカッションの最初のテーマである「社会的共通資本×エネルギー」について考えるうえで、宇沢氏の考案した「比例型炭素税」についても着目していきましょう。

比例型炭素税とは、1人当たりの国民所得や熱帯雨林の保有率などを勘案し、温室効果ガスに対する税率を決める制度のことを指します。

一律に税金を課す従来の炭素税では、発展途上国の経済発展の可能性を潰してしまうと考え、新たに生み出された、まさに「弱者を犠牲にしない」設計が特徴です。

占部氏「みなさんもご存知の通り、温室効果ガスの4分の3を先進国が出しています。先進国はこれまでの発展のために、すでに膨大な温室効果ガスを発生させているのにも関わらず、今から発展しようという国に対して、気候変動を大義名分として、温室効果ガスの発生を抑えさせるのはあまりに不公平。

世界には安全な水を飲めない人々が6億6000万人いることを考えると、その人たちが井戸を掘り、水を汲み上げるために生まれる地球温暖化への影響を批判することはできません。

その不平等を是正するために、単純な炭素税ではなく、国民所得や熱帯雨林の保有率をもとに税率を定めようと宇沢が考案したのが、『比例型炭素税』なのです」

さらに、宇沢氏は「大気安定化国際基金」を設立し、比例型炭素税で得た税収の一定割合を基金に拠出し、発展途上国に配分する仕組みを考案。配分されたお金は、森林の保全や代替エネルギーの開発などに使えるようなスキームを生み出しました。

各国から税収を集めることで、気候変動対策への当事者意識を薄れさせずに、配分額を地球環境に貢献する形で運用できることが、「比例型炭素税」と「大気安定化国際基金」の利点だと占部氏は語りました。

「繋がり」と「意識変容」が気候変動の抑制に繋がるヒントに

(画面左:オムロン 榎並氏、画面右:関西電力 熊代氏)

占部氏からのトスアップを受けて、会場では1つ目のテーマである「社会的共通資本×エネルギー」についてのパネルディスカッションがスタートしました。

この場におけるエネルギーは、電力やガスなどを指し、社会的共通資本のなかでも、「社会的インフラストラクチャー」に位置します。

関西電力の熊代氏によると、東日本大震災以降、エネルギーの節約に対する意識が上がり、以前のように「電力を無尽蔵に消費していい」という意識はなくなってきているのではないかと語ります。実際に、全国の電力需要も震災以降減っているそうです。

しかし、その一方で、都市生活者と地球環境との繋がりの薄さに対して問題提起がなされました。

熊代氏「エネルギーを大事にするためには、都市に暮らす人々が生活の中で触れているものが、どんな生産プロセスを経て、その過程でどんな犠牲にありながら、我々の手に入っているのかを理解しなければいけないと思っています。

自然とともに暮らしている人々と出会うと、都市生活者の世界の狭さを実感するんです。自分や家族だけでなく、近所に住む人や自然環境さえ、自分の範囲として捉えている。

環境課題もまた、自分の範囲を広げ、大切にしていこうという考え方ができれば、これまでと変わってくるのではないかと思います

熊代氏の問題提起に対して、オムロンの榎並氏も「まさに繋がりが重要である」と同意します。

榎並氏「たしかに、東日本大震災が起こるまでは、供給できる電力に限度があることを意識した行動はなかったと思います。

震災によって、電力を供給する側と電力を使う側が繋がったことは、お互いの価値観の変容のきっかけとなったのではないでしょうか。

少し話が脱線しますが、以前SONYのスピーカー神様と言われる方から、再生可能エネルギー由来の電力でスピーカーを使うと、ノイズが少なく、非常に音がよいと聞きました。

電力には色はありませんが、『再エネならいい音が作れる』など電力にメッセージを載せることは、それぞれの繋がりに変化を生じ、意識変容のきっかけになると感じました」

繋がりを感じることが、意識変容、そして行動変容への道だという榎並氏の意見に、熊代氏は繋がりを捉え、自身の範囲を広げていくためには、「実体験」を通じて新たな視点や価値観をインストールする必要があるとコメント。

さらに、2000年代初期に考案された比例型炭素とは異なるシステムではあるものの、現在カーボンクレジットという取り組みの検討が進んでいると熊代氏は述べます。

熊代氏「現在、多くの国が2050年にカーボンニュートラルを目指す取り組みを行っています。

そのなかで、環境保護などによる二酸化炭素の削減や吸収量がクレジット化されて売買されています。そして、結果的に自然が豊かでそれを守っている国に対して、二酸化炭素を排出している国からお金が流れていく

企業がバリューチェーンの外にビジネスの一環としてお金を出すということは、従来にはなかった発想なので、新しい動きが出てきているのではないかと思いました」

榎並氏によると、オムロンの創業者・立石一真が提唱した未来予測理論である「SINIC理論」では、未来を創る原動力となるのは人間の「進歩志向的意欲」、つまり社会をより良くしたいという意欲であるといいます。

しかし、進歩したい意欲の裏には、社会課題の原因となる「欲」望がある。際限なく増幅する欲望を乗り越え、限度と分度を持ち、人間性と自然性の双方に目を向け、人間中心の社会から自然社会との融合のために意識変容していくことが必要なのではないかと、榎並氏はコメントしました。

人類と地球の健康には、腹落ちした「多様性」への理解が必要

2つ目のテーマは「プラネタリーヘルス」。聞き慣れない言葉だという方もいるかもしれません。

「プラネタリーヘルス」とは、直訳すると「惑星の健康」。人間の健康と地球の健康が密接に関連していることを示す概念です。

気候変動や自然破壊が人々の心身の健康に影響するように、人間と地球は相互依存関係にあることを認識し、持続可能な未来を築くために不可欠な概念として、今後さらに重要性が増していくといわれています。

「社会的共通資本×プラネタリーヘルス」についても、1つ目のテーマと同様に、占部氏に解説の時間を設けてもらいました。

占部氏「プラネタリーヘルスとは、地球の健康は人類の健康であり、人類の健康は地球の健康であることを示した概念です。

宇沢国際学館が連携する京都大学の『社会的共通資本と未来寄附研究部門』では、そんなプラネタリーヘルスを出発点として、地球の健康について考えています。

人は基本的に成長を求める生き物であり、文明や科学技術の発展は止められません。では、どうすれば人類の発展と地球の健康を守っていけばいいのかについて、研究を進めてきました」

プラネタリーヘルスについて考えるうえで、人間の多様性や生物多様性について教育によって伝えていくことが重要だと占部氏は続けます。

とはいえ、都市生活を送っていれば目にするのは自らと同じ人間ばかり。人間には案外多様性がないのだと、占部氏は指摘します。これでは、生物多様性について考えるきっかけは得られません。

教育によって、腹落ちする「多様性」に触れてもらうためのヒントとなるのが、社会的共通資本と、未来寄附研究部門の特定教授・舩橋真俊氏が研究を進める「拡張生態系(人間が積極的に関与することで自然状態を越えて生態学的な全体最適化がなされる関係性)」であると占部氏は言います。

占部氏「拡張生態系の1つのアプローチに『協生農法』があります。協生農法とは、土地を耕さず、肥料や農薬も使用せず、多種多様な植物が育つ生態系を人為的に作ることで、食料を収穫しながら生物の多様性を豊かにしていく取り組みです。

拡張生態系を通じて、多彩な植物が混成密生している姿を目の当たりにできれば、『多様性』について考えるきっかけとなるのではないでしょうか」

協生農法の実証現場の様子

昨今、環境問題は人口増加によって、その深刻さを増していると言われてきました。しかし、占部氏によると、自らの力で生物多様性を生み出せるのもまた、人間だけ。人間には、地球環境に対してできることが、まだたくさんあるのだと占部氏は語りました。

地球環境を「ステークホルダー」と捉えれば、新たな視点が生まれる

占部氏の解説を受け、ファシリテーターの有福氏によって、自然を含めたあらゆる生命を「ステークホルダー(利害関係者)」と考えると、新たな視点が生まれるという意見からパネルディスカッションが始まりました。

有福氏「先日、海外でまちづくりの在り方について学ぶ機会がありました。その中で、地球環境や、動植物や微生物などの生物多様性、さらには次世代など、地球全体で見たときのあらゆる生命体がステークホルダーだと考えられるという視点を知ったんです。

占部氏が話したように、『みんな』という枠組みで、我々の視点を拡張するには、この考えがヒントになるのではないかと思います」

また、占部氏の「生物多様性を作れるのは人間だけ」という言葉に対して、有福氏は生物多様性を守っていく文化を作ることが人間の役割と考えると、そのような課題解決のために企業はどんなことができるのかという問いを登壇者へ投げかけました。

そんな有福氏に対し、榎並氏は「お金の使い方」について考えを述べました。

榎並氏「企業が課題解決のためにできるのは、お金は『社会への議決権』であることを意識して、課題解決を拡大・再生産できるように、お金を循環して活用することだと考えています。

かつての芸術家がパトロンの支援によって、より良いカルチャーを未来世代に残してきたのと同じように、社会の議決権であるお金を企業が社会貢献のためにどのように使っていくかが、現代ではより問われているではないでしょうか」

有福氏は榎並氏の意見に対し、「お金を使うことを社会の議決権と捉えると、個人もまたその議決権を持っているのではないか」と議論を展開。

議論に対し、占部氏は「正しいことだけではなく、楽しいことやワクワクすることに人はついていくと思います。楽しいことの先に、正しいことがあるという流れで社会が動くことが理想です」と述べ、パネルディスカッションが締めくくられました。

パネルディスカッションが終了すると、「プラネタリーヘルスが実現されている未来の社会とは?」をテーマに参加者同士の対話が行われました。

参加者からは、「経済成長に必要なイノベーションについて考える視点と、地球を守るための視点を分けて考えたほうがいいのではないか」「資源が有効活用され、人々が豊かに暮らしていた江戸時代に立ち返り、世の中のデザインについて考え直す必要がある」など、さまざまな意見が交わされていました。

また、有福氏から「プラネタリーヘルスの実現に向けて、自ら起こしてみたいアクションは?」という問いが参加者へ投げかけられます。

それに対して、「電気や水があることなど、当たり前のことが当たり前でないという認識を持ち直したい」「このような場で社会的共通資本や比例型炭素税などについて学び、リテラシーを高めていくことが重要」と応える参加者のみなさん。

社会課題という大きなハードルに対して、参加者が前向きな姿勢を見せていたことが非常に印象的でした。

AI時代の今、社会的共通資本という枠組みから「これからの社会」を見つめ直そう

約3時間にわたって行われた勉強会は、参加者のみなさんが社会的共通資本について理解を深め、さらにその先の未来について思いを馳せる貴重な機会となりました。

勉強会の結びでは、占部氏から「私たちが社会的共通資本を通じて社会をどのように見つめればいいのか」について、あるアート作品を通じて教えてもらいました。

占部氏「こちらは、ベネッセアートサイト直島に置かれている李禹煥氏の 『無限門』という作品です。

ベネッセアートサイト直島といえば、草間彌生氏の黄色いカボチャのオブジェ『南瓜』で有名ですが、ベネッセコーポレーションの名誉会長である福武總一郎さんが、弱者を犠牲にする現代資本主義への怒りに対し、現代アートを武器に闘っている場所でもあります。

この『無限門』という作品は、ただの鉄の板ですが、鉄の板があることで、自然風景がより鮮やかなものに見えてくる。社会的共通資本は、この『無限門』のようなものであると私は考えています。

ゆたかに暮らすためには、すべての人にとって必要な社会的共通資本ですが、ふだんはなかなかその大切さに気がつくことができません。災害などによって失われたときに、初めてその重要性に気がつくのです。

しかし、できればそんな悲劇的な文脈ではなく、我々のコミュニティにおいて何が大切なものなのかをあらかじめ考えておくことが重要なのではないでしょうか。

社会的共通資本は、我々の大切なものを捉える1つの枠組みになると思います」

占部氏は父である宇沢氏が、「原典にあたれ」と語っていたといいます。「社会的共通資本に興味を持った方は、ぜひ本を手に取ってほしいです」という言葉で締めくくりました。

勉強会の締めくくりにあたって、熊代氏はこのような機会の意義について語りました。

現在はSINIC理論でも語られているように時代の転換期であり、価値観も今後変容していく、「人々がなぜ生きているかについて考え直す」タイミングがやってきているといいます。

さらに、AI技術の進歩により、これまで人が担ってきた仕事の機械化は大幅に加速していくため、人は人にしかできないことを見つけていかなければならない。

そして、それは「次に何をするのか、したいのかを決める」こと。今日のようにこれからの社会のあり方という未来について考える機会は大変貴重だと、熊代氏は語ります。

宇沢氏が、「資本主義と戦った男」と評されるように、現代には資本主義という枠組みでは解決し得ない課題が多く存在します。

そんな大きな課題に直面したときに必要なのは、大切なものを見定め、理論的に思考し、現実的に手を動かし続けることだと、勉強会を通して再認識しました。

一方で、榎並氏が人間の「進歩志向的意欲」の裏には欲望があると述べたように、成長を求める私たちが、進むべき方向に正しく帆を立て、船を進めるのは簡単なことではありません。

社会が大きく変革する現在、人間にしかできない「次に何をするか」を思考し、新たなムーブメントを起こしていくとき、社会的共通資本は私たち人間が本当に大切なものを見失ってしまわないための、コンパスとなるのではないでしょうか。

高めよう 脱炭素指数!

CQは、カーボンニュートラル社会の実現に向け、一人ひとりがライフスタイルについて考え、行動を変えていくことを目指すプロジェクト。イベント協賛やグッズ展開などを企画しています。
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