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「ビジョンを形に:戦略的思考を鍛えるプロダクトリーダーへの道」株式会社Housmart 稲井学さん / Product Leaders Training参加者インタビュー

日本CPO協会では、Product Leadersの育成を目的としたProduct Leaders Trainingを開催しました。このトレーニングプログラムに参加された株式会社HousmartのCPO(Chief Product Officer)である稲井様にインタビューした内容をお送りします。

- 現在のお仕事での役割・ミッションを教えてください

現在、株式会社HousmartでCPOをしています。最近GATechnologiesグループのイタンジへ経営統合されまして、売買領域の営業支援システムの事業を伸ばしてくというミッションを担っています。

- 今回なぜトレーニングに参加しようと思ったのですか?

参加を決めたのは、CPOに就任してから半年が経過していた頃でした。当時は、いままでのPdMの業務とあまり変わらない動きをしており、売上とプロダクトのロードマップの設計に関して課題を抱えている状態でした。自分自身でも情報収集や調査を行っていたものの、実際にフィールドで活躍する方々から直接学ぶ機会が欠けていました。そのため、第一線で活躍されている方々から学びたいと思うようになり、CEOからも推薦されたトレーニングへの参加を決断しました。

また、次のプロダクトの戦略や目標を立てるタイミングでもありました。新たなプロダクトビジョンを策定する際には、ビジョンと事業の目標数値をどのように結びつけるべきか、そしてそのビジョンを実現に導く戦略をどのように立てるべきかを考える必要がありました。このトレーニングが、直近の業務において直接役立つと確信し、積極的に参加することを決めました。


ビジョンと実行の架け橋を築く

- では実際にDay1のセッションを受けてみて、最も印象に残ったことは何ですか?

Day1に受けたセッションの中で、最も強く印象に残ったのはSession3の「戦略に魂を吹き込む」という内容でした。このセッションは、トレーニングを終えた後も繰り返し参考にしています。

特に、企業のビジョンと現在のビジネス活動を結びつける手法として紹介されたNSM(North Star Metric)の概念についての学びが印象的でした。実際のCaseを通じて、この概念をより具体的に理解できたことが大きな収穫となりました。しかし、自社でこの概念を実践する際には、まだまだ数字を把握しきれていない部分があるので、どう計測をしていくかを含めて、設計し具体化していきたいと思っています。

また、戦略、戦術、ビジョンの相互関係についての理解が深まりました。講義中に用いられた地図の比喩が理解しやすく、ビジョンとプロダクトビジョンの関連性や、それぞれの役割についての理解が深まったことで、会社の方向性とプロダクトの目標を社内で明確に伝えることができるようになりました。


グローバル展開を目指す企業から学んだ視点

- 次はCaseについて教えてください。Caseに取り組むことでどのような気づきや学びがありましたか?

Case企業の分析を通じて、世界中で利用可能なサービスを提供することを目指す姿勢に触れることができ、非常に刺激的でした。特に、ローカライズを戦略の中心に据えるのではなく、グローバル展開を前提にして最初から世界展開にスムーズな方法を選択していることを知ることができ、目指している視座や視点の高さについて学べました。自社プロダクトが拡大を目指すにあたって直面している課題と関連している部分だったため、とても気づきが多かったです。

またDay2のプレゼンテーションの準備をするなかで、同じ目的を持つPdMと一緒に学ぶことができたのは非常に良い経験でした。もし参加者が自分だけだったら、このような集中力を維持するのは難しかったと思います。また、それだけでなくCase企業のCPO本人にプレゼンするという責任感は、私たちのチームへのモチベーションに影響があったと思います。正直、CPOの方々が本当に来てプレゼンテーションについてフィードバックしてくれるんだ!と思っていました。笑


- 集中して取り組まれていたのですね。Day2での経験を通して、特にどんなご自身への変化がありましたか?

戦略策定時に考えるべき視点が身についたと思っています。戦略を策定する際には、まず「どこの誰に、何を届けるか」という視点を常に意識することが重要です。プロダクトを作る側としては、どうやって作るかを考えてしまうことが多いですが、最終的にはなぜそのようなことを行うのか、という観点に戻ってくる必要があるのだと改めて気付きました。

またビジョンと戦略、戦術のそれぞれの役割が明確になってきました。ビジョンが何を目指すかで、戦略がそのビジョンを実現するための大まかな計画であり、戦術がその計画を具体的に実施する手段であることが、より明確に理解できるようになりました。これにより、日々の議論がどのレベルの話をしているのかがイメージできるようになり、曖昧だった部分が見えるようになってきました。

- トレーニング後、業務に活かされていることはありましたか?

来期に向けての事業計画を策定する際に、このトレーニングで学んだ内容を参考にしてプロダクトビジョンの再策定へ取り組みました。トレーニングの前からCEOとマンツーマンで検討を行っていたものの、トレーニングを経て、より具体的かつ明確なビジョンの再策定を行うことができました。再策定の際になぜそのようなことを行うのか、という問いに直面しましたが、その際にこのトレーニングで学んだ内容が大いに役立ち、意義や意味の説明をすることでスムーズに進めることができたと思います。

- どのような方にオススメのトレーニングだと思いますか

PdMからPM Manegerにステップアップしたい方や、実践的な内容に興味を持つ実務メンバーの方にもおすすめです。トレーニングは非常に実践的な内容が豊富であり、意思決定を行う立場にある方や、プロダクト開発に深く関わりたい方にとって非常に良い内容だと思います。

- 他のプロダクトリーダーへのオススメする点を教えてください

Caseに取り組む中で、ビジョンの策定とNSMの設定に真剣に向き合うことは、プロダクトの提供価値を再考する上でとても貴重な機会だと思います。このトレーニングで、自社のプロダクトに固執する中で見失っていた視点や、新たなアプローチを学ぶことができました。
自社のプロダクトにはさまざまな制約や課題が存在し、深く考える余地が限られているかもしれません。しかし、他社のCaseや他のPdMとの議論を通じて、新たな視点やアイデアという刺激を受けることはとてもいい経験になると思います。

稲井さん、素敵なお話をありがとうございました!

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