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「ビジョンを実現する戦略とプロダクト組織の構築の習得」Cloudbase株式会社 大峠和基様

日本CPO協会では、Product Leadersの育成を目的としたProduct Leaders Trainingを開催しました。このトレーニングプログラムに参加されたCloudbase株式会社のプロダクトマネージャーである大峠様にインタビューした内容をお送りします。
このトレーニングを通じて得た洞察と実践的な学び、これからのキャリアにどのように影響を与えるかについてお話しいただきました。


現場での挑戦: 1人目プロダクトマネージャーとしての挑戦

ーー現在の仕事での役割・ミッションを教えてください。

AWSやAzure向けのセキュリティリスクを検出していくサービス「Cloudbase」のプロダクトマネージャをしています。
現在、社員約20名にたいしてプロダクトマネージャがまだ1名で、非常に広範囲な企画や開発ディレクションを行っています。また、プロダクトマーケティングマネージャがいないため、プロダクトを売り出していくためのメッセージングまで担当しています。
学生時代、インターンや学生起業で実績を積み、メルカリにエンジニアとして入社しました。この頃からプロダクトマネージャに興味を持っており、再現性高くプロダクトをグロースしていくことに強い関心を持っていました。その興味が高じて、現職でプロダクトマネージャに挑戦しています。

トレーニング参加への動機: プロダクトの進化を支える組織の構築

ーーなぜトレーニングに参加しようと思ったのですか?

Cloudbaseではプレイヤーとしてプロダクトマネジメントを担う経験を積むことができたと思っています。一方で、今後プロダクトをグロースさせていく上で、プロダクト組織を構築し、マネジメントしていくための知見が欠けており、その習得のためにトレーニングに参加しました。

ーー参加する前に、どのような学びや気づきを期待していましたか?

プロダクト組織に関する知見はもちろんのこと、他のプロダクトマネージャとのネットワーキングにも期待していました。
すでにCloudbaseではCTOの宮川がCTO協会に入り、ネットワーキングを広げており、宮川から声をかけてもらったことがきっかけになりました。

トレーニング体験: 講師陣の経験に裏付けされた生きた知見とそれらを実践できるCase Studyの存在

トレーニングはDay1とDay2に分けて実施されました。Day1では理事からの講義、Day2では参加者同士のチームを組んでのCase Studyに取り組みました。それぞれのトレーニングでの体験について伺いました。

Day1の体験について

ーーSession1は「PM Managerに求められるもの」というテーマの講義でした。特に印象に残った点はありますか?

プロダクトマネジメントの手法や方法論はいろんな書籍で学ぶことができますが、PM Managerとしての役割や責任について真正面から定義されたものは少なく、非常に学びになりました。

ーー次のSession2は「ビジョンに至る戦略を作る」をテーマにしたものでしたが、こちらはいかがでしたか?

これまで、ビジョンを作って終わりではなく、チームで伝搬させることまでは取り組んでいました。
このSessionでは「自社のプロダクト戦略を見返し、不足しているところを言語化し、どのように補強すべきか検討せよ」というのワークショップに取り組みました。
ビジョンを実現していく上で、どのような戦略を採用すべきか、この戦略の磨き込みが曖昧だったことに気付かされました。率直にあまり考えられてなかったです。

ーー続いて、Session3は「戦略に魂を吹き込む」と題して、戦略を具体的に戦術に落とし込んで行く講義でした。学びにつながったことはありますか?

新規事業を進めるに辺り、基幹事業の周辺に染み出していくパターンや、逆に基幹事業とあまり関連性のない飛び地の領域を攻めるパターンなど、事業展開していく上での類型が押さえられました。
また、このSessionは実際に様々な実践を行ってきた講師の方々が、自身の経験を元に話してくれたことで、例えば海外展開の難しさなど、事業展開について実感値が持てたのがよかったです。

ーーここまでの戦略面とは系統が変わり、Session4は「実行力と仕組み」という組織をテーマにしたSessionでした。このSessionはいかがでしたか?

このSessionはワークショップが印象的で、普段のカレンダーを見て、どのようなことに時間を割いているのか、個々のMTGの成果について評価し、振り返りを行うものでした。
自分で振り返った結果をプレゼンしたところ、どうやって時間を捻出していくか具体的な指摘がもらえたのがよかったです。特に、自分だけで棚卸しするのではなく、チーム全体で棚卸しすべきというフィードバックは開発チームも交えてレトロスペクティブで話そうと思っています。

ーー最後のSession5は引き続き組織を題材にした「採用と育成」に関する講義です。

プロダクト組織の設計、構築に関する知見が体系化されている唯一の講義だと思います。これまで組織設計について学ぼうとしても材料がありませんでしたが、プロダクト組織の立ち上げ初期はこの資料通り実践していくことが近道だと思います。
プロダクトマネージャーの募集要項を作るというワークショップにも取り組んだのですが、他の方のアウトプットを見て、意外と求めている人材像が違っていることがわかって、面白かったです。

ーーDay1を通じての感想を教えてください。

Session1−2で、ただビジョンを要素分解するだけではなく、どのタイミングでどのように立てていくのかが特に学びに繋がりました。さらに具体的な戦略に落とし込めていないことに気づき、補うことができたのがよかったです。

Day2の体験について

ーーDay2ではチーム毎に具体的なケース企業を用いての「戦略・戦術・組織・仕組み」の作成と発表を行いました。どのような点が特に印象に残りましたか?

まず、ターゲットとなるマーケットに対してどのようなプロダクトを作っていくべきか、議論が始まり、プロダクトマネージャとしてハッとさせられました。リリースして終わりではなく、最終的にユーザに届ける必要があるので、マーケット視点から考える重要性を改めて再認識しました。
また、社内にプロダクトマネージャが1人だと、プロダクト観点の議論が十分にしきれないこともあるのですが、プロダクトマネージャ同士で、プロダクトビジョンとNSMの話ができ、発展していくのが純粋に嬉しかったです。


ーーDay2はCase Studyの対象企業でプロダクトの責任者をされている方々にもお越しいただき、フィードバックしてもらいましたが、この点いかがでしたか?

一定の情報提供を受けてCase Studyを進めていましたが、あくまで推測の部分もあったので、現状を踏まえ、具体的にフィードバックしてもらえたのが良かったです。推測で終わらず、答え合わせができて、納得感が出ました。

ーーDay2の後は参加者の皆様だけではなく、Case Studyの対象企業の皆様、講師陣も含め、懇親会を行いました。ネットワーキングとしていかがでしたか?

プロダクトマネージャのコミュニティに参加するという目的が果たせました。参加者以外に理事の方々とも話すことができて非常に良かったです。
懇親会では話しきれず、参加者の有志で二次会に行き、みんなの悩みをお互い議論しました。社内でプロジェクトマネージャがいないためにCSからプロダクトマネージャに転向された方の悩みをお聞きしたり、世界中のトイレを研究している人がいて、プロダクトマネージャがよってたかってトイレについて深堀りしました。不動産向けのプロダクトのCPOの方は、不動産に詳しい方を捕まえて、個別に具体的な事業の相談をしていました。

実践への反映: ビジョン実現に向けた戦略策定と組織構築の実践

ーー トレーニングを通じて得られたスキル・知識は具体的にどのように自身の業務に活かせそうですか?

Case Studyを通してチームメンバーと3−4時間/週ほどがっつり議論していました。特に戦略レイヤーに焦点を当てて議論していたので、知識はもちろん、かなり実践に近い形で戦略構築ができたと思います。
実際の業務をイメージすると、ちょうどシリーズAの資金調達を終えたタイミングで、バリュープロポジションを確立する時期に差し掛かっています。向こう半年以内に具体化していく予定です。また、Session5の採用、育成に関する資料は中長期的に都度立ち返り、参考にしようと思います。

オススメの参加者: シニアプロダクトマネージャだけでなく、CTOやVPoEにも受けてほしい

ーーどのような人にオススメのトレーニングだと思いますか?

今回のカリキュラムであれば、一定プロダクトマネージャを経験したミドル以上が対象だと思います。
講義の内容としても採用、育成などが入っており、組織を持っている方向けのコンテンツも一定割合を占めています。また、Day2の演習自体は比較的高度な内容を行っていて、ビジョン、戦略から組織まで取り扱っていました。
講義には一般的なプロダクトマネジメントの書籍には書かれていない実践を踏まえた知見や説明があり、ここでしか学べないコンテンツに仕上がっています。Case Studyではビジョン策定から実行している流れを実践さながらの形式で経験できます。
他にも少し視点を変え、CPOやプロダクトマネージャ以外にも、CTOやVPoEなどにもProduct Leadershipの理解があると良いかもしれません。プロダクトマネジメントの経営近い論点は、このトレーニングでだいたい網羅されているので、周辺領域の経営レイヤーの方にもおすすめです。

インタビューありがとうございました!

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