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2024年おすすめ新譜アルバムVol. 16: Sy Smith「Until We Meet Again」

新譜アルバム紹介Vol. 16です。

今回紹介するのは、西海岸のシンガーのSy Smithがリリースした「Until We Meet Again」です。

Sy SmithはNY生まれでDC育ち、現在は西海岸を拠点に活動するシンガーです。

1990年代後半に登場。2000年には1stアルバム「Psykosoul」をリリースします。その後はThe Brand New HeaviesやAli Shaheed Muhammadなどの作品への参加を経て、2005年には「Psykosoul」のデラックスエディション「Psykosoul Plus」と2ndアルバム「The Syberspace Social」を発表。以降は2008年の「Conflict」や2012年の「Fast and Curious」、2018年の「Sometimes A Rose Will Grow In Concrete」(と2019年のそのリミックス版)と3枚のオリジナルアルバムをリリースしています。また、客演でもZo! & Tall Black GuyやPhonteといったThe Foreign Exchange周辺、Shelia E.などの作品に参加。マイペースながら堅実に活動しています。

Minnie Rippertonを思わせる、ホイッスルも得意なソウルシンガーです。漂うような歌い方やファンキーな歌い方など、曲によって柔軟にアプローチを変えて聴かせます。サウンドの基本となっているのはネオソウルですが、初期は「サイバー」をキーワードにエレクトロニックな要素を導入。また、作品によってはハウスやジャズに接近したものもあります。

今作はヒップホップやジャズの要素も踏まえつつも、比較的オーセンティックなソウルを軸にした作品です。Minnie Rippertonを思わせるその歌声の魅力が堪能できる快作に仕上がっています。


1. Flowers

Zo! & Tall Black Guyプロデュース。

ドラムは太いですがブーンバップ的な匂いはあまりせず、あくまでもソウルとして聴かせるような曲です。メロウなエレピと歌声の絡みが極上。


2. Why Do You Keep Calling Me

セルフプロデュースのメロウ曲。

優しいエレピと上品なストリングスを使ったサウンドで、穏やかな歌声を聴かせる好曲です。途中のエレピのソロや後半での歌いっぷりには悶絶必至。


3. Photograph

Zo! & Tall Black Guyコンビに加え、Phonteもプロデューサーにクレジットされた曲。

メロウなエレピと美しいギター、控えめなストリングスが沁みる良曲です。Phonteは歌声も添えています。


4. Remember How To Fly (Ft. Chris Botti)

トランペット奏者のChris Bottiをフィーチャー。

トランペットは全編で絡んできますがソロもあります。後半で聴かせるSy Smithのホイッスルとトランペットの絡みは圧巻。


7. Masterclass (feat. Sheila E. & Leo Amuedo)

Sheila E.のパーカッションとLeo Amuedoのギターを入れた曲。

プロデュースはZo! & Tall Black Guyで、サラっと取り入れる声ネタなどヒップホップの匂いも仄かにします。全体的にはラテン風味のあるスムースなソウル。


8. Summer of '93 (feat. Tracey Lee & Dontae Winslow)

今作のベストトラック。

ブーンバップマナーの骨太ドラムやTracey Leeのラップをフィーチャーした、ヒップホップ色の強い曲です。しかしアルバムに馴染んでおり、ヒップホップソウルを正統派ソウルとして聴かせるような魅力があります。


9. All The Ways

スクラッチも取り入れたネオソウル路線。

メロウなエレピとタイトなドラムが効いたビートで、スムースな歌声を聴かせる佳曲です。Phonteも歌っています。

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