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2024年おすすめ新譜アルバムVol. 19: Lil Vada「King of Ratchet」

新譜アルバム紹介Vol. 19です。

今回紹介するのは、西海岸のラッパーのLil Vadaがリリースしたミックステープの「King of Ratchet」です。

Lil Vadaは西海岸出身のラッパーです。

2010年代後半に登場。2019年頃から「Ratchet Anthem」の「Back That Ass Up」など、シングルを精力的に発表していきます。そのほかSteelzやWiz Khalifaなどの作品に客演で参加。EPやミックステープ、アルバムとしては今作が初のリリースとなる新進ラッパーです。

オフビート気味のフロウを得意としており、DaBoiiのようにパワフルなラップやDrakeo the Rulerのようにシリアスなラップも聴かせるラッパーです。サウンド的にはラチェット系が軸。ヒップホップクラシックをサンプリングしたビートを好んで使います。

今作はシリアスな曲もありますが、パーティチューンが多く大ネタもふんだんに使ったお祭りのような印象の作品です。現行ウェッサイ好きの方はもちろん、長くヒップホップを追っている方は是非。


2. On My Mama

Dr. Dre「2001」系のピアノやストリングスをループした曲。

「Boyz-N-The-Hood」ドラムも使ったバンガーです。某2000年代南部Gクラシックの引用にニヤリとするはず。


3. Chow Town

この曲も2000年代南部ヒップホップからの引用フックです。

ビートはシリアスなシンセをループし、そこにダーティな低音を合わせたもの。フックでの囁きラップが見事にハマっています。


4. No Stylist (with Wiz Khalifa)

シリアスな空気が漂うバンギン。

ここでのLil Vadaのラップは、Drakeo the Rulerを思わせる冷たいスタイルです。Wiz Khalifaのキレキレのラップも強力。


5. Eat It Up (feat. DonnySolo)

ラチェット名曲ネタのラチェット。反則技!

「Boyz-N-The-Hood」ドラムも取り入れて現行仕様にアップデートしています。コール&レスポンス的なフックも楽しく聴けます。


6. Chanel Bag (with YN Jay)

ミシガン的なバンギン。

シリアスな歌声のループとダーティな低音が効いたビートで、YN Jayの怪フロウとDrakeo the Ruler風のラップで絡む好曲です。YN Jayのヴァースは入りからインパクト大。


8. Beat It (with Ty Dolla $ign)

なんかもうタイトルが全てみたいな曲。ヒーッヒーッ!

大ネタを使ってマイアミベース的な軽いドラムを絡めたビートに、忙しいラップを乗せたパーティチューンです。Ty Dolla $ignはラップらしいラップを披露。


10. BTS (with Jemouri)

哀愁漂うメロウ曲。

スムースなエレピに手数多めの808を合わせたビートで、Jemoouriのねっとりとした歌をフックに配した良曲です。Lil Vadaのシリアスなラップもばっちり。


13. Light It Up

衝撃のネタ使い。

イントロからまんまだと思ったらイントロ以外もまんまです。少し早めたサンプリングとパワフルなラップで見事にねじ伏せています。


14. Wop It

衝撃のネタ使い再び。

「Light It Up」からの流れで思わず吹き出す方も多いと思います。時折入るチョップなどは現行ウェッサイマナーの味。


15. UP! (with DonnySolo)

メロウなエレピをループした曲。

スムースなラチェット系の路線で、この曲でのLil VadaのラップはSuga Freeっぽく聞こえます。連呼フックがキャッチー。

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