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随想 ーー心を澄ますーー

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心の奥底に潜む声を掬い上げるエッセイ・詩など
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#自由詩

Vanishing Point

 ポケットの中にあるはずの世界が消えた  手のひらに収まる世界が  目の前には一つの世界し…

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coyoly
4年前
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Human Being −魔法使いの弟子−

 ラジカセを持ち入ってくる修道女  静まる教室  「考えなくていいから聞きなさい」  『星…

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coyoly
3年前
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残照

「昔、秋葉原にもバスケットコートがありましたよね」  私の渋谷の廃墟を見せた彼が言う …

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coyoly
4年前
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さまよい

 ここではないどこかを  探す気力すらなかった  そんなところがあると  憶うことすらでき…

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coyoly
4年前
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naked

 他者からの評価を 震えながら待った  逃げたら一生ここから逃げられない  そう言い聞かせ…

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coyoly
4年前

鼻に残るは君の忘れ香

深く潜る 深く潜るわたしを 私は見る 音もなく雪を吸い込む海 渚に座り 岬に立ち  結晶を顔…

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coyoly
4年前

タイムスリップ

音の向こうに 二十歳の娘がいた 玉音放送を耳にし 何を言ってるのか 何が起こったのか 何もわからなかった わたしの祖母ではない娘だ 孫娘が持ってきた 魔法の道具を握りしめ 明瞭な音に感激し また聞きたいと 何度もせがむ おばあちゃんの顔の下にいる チョコレートが好きな少女が 幼くして父を亡くした少女が 無邪気にはしゃぐ この人が死んだら悲しいだろうなと わたしは初めて思った

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あはれ私は娼婦

終わるまでの時間をやり過ごしていた 何も感じることはなかった 「気持ちええやろ」「感じてる…

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coyoly
5年前
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美しき天然

土を掘り起こし蛹を潰す 毒霧を撒き虫けらを窒息させる やってくる鳥を睨み猫を追い払う 魚の…

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coyoly
5年前
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微睡みの彷徨

冥府で蹲っていると 突然手を差し出された 暗闇に現れた光 再生への密儀 触れた瞬間 温も…

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coyoly
5年前
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浄夜

汚辱に塗れた肉体を 彼は撫で浄める 特に念入りに 胸を 穢され続けた 胸を たとえその…

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coyoly
5年前
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Different phase/12歳、1月13日の金曜日

小学校6年生の冬休み最終週 朝起きるとシーツが赤黒く汚れていた がに股で階段を降りると 動…

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coyoly
5年前
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うらみ

従兄が私の胸を揉みしだく 教師が私の全身を撫でまわす 小学生のわたしは声を出せなかった 父…

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coyoly
5年前
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ただひとり、穴があいたまま立ち続ける 気づいてくれたのは風だけ バランスがおかしくても立ち続けている 教えてくれるのは風だけ 愛するものを失って はじめて穴があいたひとがいる もとから穴があいているわたしは 嘆くひとを見つめる かなしみの涙があふれる穴は わたしと違って 愛を疑うことはない 風を通し続けるうちに かたちがおかしくなったのだろうか 新しい穴と同じかたちのかけらで わたしの穴は塞がるのだろうか わたしは穴を埋めたいのだろうか 愛のかたちをわかるのだろうか

有料
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