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書籍『Character Strengths Interventions』を読み解く #7(第3章_後半)

こんにちは。紀藤です。さて、本日は強みシリーズ「書籍『Character Strengths Interventions』を読み解く」をお届けいたします。強みに関する骨太の一冊の読み解き、7回目です。

前回までのお話

今回は、第三章の「強みの実践 ー強みに基づく実践の6つの統合戦略ー」の後半です。本日は、「4、強みの基づく実践モデルを使う」からのスタートです(前回のお話はこちら↓↓)


4,強みに基づく実践モデル

認識ー探索ー適用モデル

強みの基づく実践モデルとして、『認識(Aware)ー探索(Explore)ー適用(Apply)』が効果的であると紹介されていました。

まず「認識(Aware)」ですが、シンプルに”自分の強みを理解すること”です。自分自身について何らかの変化を起こすための第一歩は、自己認識を高めることです。よって、この段階ではVIAサーベイなどの強みアセスメントを受検し、その結果から自分の特徴的な強みがなにか、を検討することになります。

次に「探索(Explore)」は、強みを理解するだけではなく、”強みを知ったことによる感情を探索すること”です。たとえば、自分の強みと成功体験のつながり、人間関係、幸せな時、大きな挑戦や困難に直面したときと結びつけるのです。そうして、強みと自分の過去・現在・未来の繋がりを知ることで、強みがどのように自分を形成してきたのかより深く理解することになります。

最後に「適用(Apply)」は、”強みを自分の行動に適用する”という段階です。ここでは、自分がこれからどんな変化を起こしたいのか、自分がやりたいことはなにか、などを考えた上で、強みをそれらと紐づけることを行います。

書籍では、クライアントを想定して、「強みを探索する問いの例」が複数紹介されていました。こうした問いを投げかけることにより、内省が進むだろうな、と感じました。

5,強みをプロフェッショナルなアプローチに組み込む

この節では、ポジティブ心理学の要素(強みのアプローチ)を、これまでに存在してきた様々な分野、臨床心理学、カウンセリング、マネジメント、教育、コーチングと統合するための方法やアイデアが検討され、またその論拠となる先行研究を示されていました。

これまでの臨床心理学やカウンセリングなどより、効果が高いものという論拠が示されるというよりも、強みのアプローチを組み合わせる(統合する)ことで、より見えてくる可能性があるのではないか、ということを論じています。

カウンセリングの治療効果などを考えた時に、「どちらか一方というパラダイム」(カウンセリングが強みアプローチか)ではなくどちらも合わせていくことがポイントであり、それは始まったばかりのアプローチであるとのこと。(ややマニアックな実践者向けの内容が英語でしたので、ちょっと噛み砕くのが難しいと感じてしまいました汗)

6,強みをセッションとミーティングに使う

本章の最後の節は、性格の強みをセッション(強みのコーチング)やミーティングに使うメリットと、その方法を提案しています。

その他にも、強みに目を向けることの価値は、「協力的・正直・積極的・力を与える・エネルギッシュ・持続性・洞察力」などのキーワードと用いられる事が多く、会議やセッションでもっと用いられてよいのではないか、と述べます。

研究者の見解ではmハーバード大学の心理学者キャロル・カウフマンは、性格的強みに焦点を当てることで少なくとも以下3つのメリットがあると述べています。

1,強みのラベル付けで新しい言語を開発できる
2,コーチの自己効力感・有効性や熱意を高める。
3,実践者-クライアント関係構築を支援する

(Kauffman et al., 2008).

「じゃあ、実際にどうやってミーティングなどに強みを活かすのか?」については、一つの例として著書に「VIA強みとセッションのためのマインドセット」という表が紹介されていました。(以下引用します)

P74よりChatGPTにて翻訳

まとめ

第三章を読んで、改めて強みを活用するポイントは「強みを理解するのボキャブラリーを手に入れること」、そして「強みの基づいた行動やマインドセットのアイデア」も引き出しとして多く保持し、それを使えるようにすることが重要なのだと感じました。

「認識ー探索ー適用モデル」も、言われて見ればシンプルなのですが、自分の中にしっくりくる強みの活用方法の言語化ができることが重要で、そのために色んな質問があるように感じました。

ということで、次回は「第4章 行動の罠、誤解、戦略」です。
また新しい発見があるとよいな、と期待しつつ読み進めたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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