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「産後うつ」「育児うつ」を予防するために

再び緊急事態宣言を受けて

緊急事態宣言が再び発令され、在宅ワークをする人が増えました。
在宅ワークをしながらの育児の課題について、前回の緊急事態宣言の状況を踏まえて、考えていきたいと思います。
前回と今回との違いは、学校や幼稚園、保育園を休校にしてないので、同じ課題が起こるかどうかは分かりません。在宅ワークと未就学児がいる家庭での育児はかなり大変な状況で、6割の人たちが精神的に問題ありと診断されてもおかしくないという結果が報告されていました。産後に起こる「産後うつ」は最近注目されていますが、未就学児がいる家庭で起こるストレスによる「育児うつ」もCOVID-19では課題です。

在宅ワークと在宅育児で課題が発生する3つの理由

1)パパもママも共働き
現在の子育て世帯は6割が共働きなので、緊急事態宣言で在宅ワークとなると、二人とも自宅で仕事となります。保育園が休園となると、そこに小さな子どもがいるという状況になります。どちらかが仕事をしている時、どちらかが子どもの相手をしたり、お世話をしなければならない状況になります。

2)企業と社員の間に「在宅ワーク」に対する考え方のズレ
企業は「在宅ワーク」に対して、自宅で仕事ができるので、通勤がなくなり、時間的な余裕ができ、育児や家事などがやりやすく、仕事も継続できると考えているように思います。確かに、時間的な余裕はできましたが、育児や家事がやりやすいかというと、子どもが小さいと必ずしもそうではありません。そして、子どものお世話で割り込みがいつ入るかわからない環境で、仕事のパフォーマンスを維持することはかなり大変なことです。

3)現役子育て世代と周りの人たちとの間にある「育児」に対する考え方のズレ
現役子育て世代は夫婦二人で子育てをすることが前提になっています。そして、それを男性であるパパも受け入れています。しかしながら、少し前の子育て世代、子どもが小学生以上になった世代は、男性は育児に参画するという意識は芽生えていましたが、あくまでも奥さんをサポートするという感じであり、現代のように授乳以外の全てを夫婦で分担するような考えではありません。従って、現役子育て世代と主にその上司との関係において、「育児」という言葉からくるイメージがずれているため、部下の状況が正しく把握できない可能性があると考えています。

在宅ワークにおけるメンタルヘルスの課題を解決するために

1)「意識」のギャップをクリアに
当事者が抱える課題と周りの人たちの意識のギャップはいろいろなところで発生しますが、企業と社員、上司と部下との関係において、意識のギャップが存在するのかを感覚ではなく、データで把握し、これは解決すべき課題であると認識するために。そのために、今、私たちはアンケート調査を実施するために準備を進めています。

2)カウンセリングを行える体制
育児の悩みや不安がある時、専門家に相談をしてくださいというメッセージはいろいろなところで目にしますが、主に行政の窓口の電話番号が示されているだけです。また仕事と育児の掛け合わせの課題になった途端に相談する窓口がどこなのかわからなくなります。
このような状況に対して、企業むけに従業員に出産、育児の課題、在宅ワークや仕事の課題などを相談できるカウンセリングのサービスを提供し、育児の課題と企業との折り合いをつけるところを行うサービスを提供する準備を進めており、実証実験の準備を進めています。

3)いつでも声をかけることができる仕組み
育児の課題は家庭に閉じやすく、外部の人が立ち入ることが難しいという課題があります。だから、いつでも外から声をかける仕組みが必要となります。この仕組みを、「産後うつ」や「育児うつ」の予防としての認知行動療法と組み合わせることで実現しようと考えています。日々の気分の状態をアプリで記録し、その気分の状態を専門家が確認し、状態がよろしくないと疑われた時、専門家から「最近どうですか?」「困っていませんか?」と声がけをするようにすることで、家庭で起こっているトラブルに耳を傾け、サポートできる仕組みになると考えています。これもカウンセリングと合わせて実証実験に向けて準備をしています。

在宅ワークを新しいワークスタイルにするために

今回は在宅ワークと育児の課題について書きましたが、在宅ワークと育児のメリットも多いと感じています。通勤時間がなくなり、9:00スタートの会議に保育園の送迎で遅れるかもという不安も減り、夜も家族と過ごす時間が増えるなど。
在宅ワークは非常時だけでなく、日常的なワークスタイルになると思いますので、より働きやすい環境、働きながら育児がしやすい環境を目指すために、1つずつ課題を解決していく必要があると思ったので、あえて書かせていただきました

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