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「『 謝恩会 』という名の展示会」

平和紙業株式会社( 西谷浩太郎 )と有限会社コスモテック( 青木政憲 )、その周辺の方々の5年間を振り返る展示会『 謝恩会 』を開催したのが2014年( 11月~12月 )

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僕が平和紙業株式会社の西谷浩太郎さんとはじめてお会いしたのは2009年頃までさかのぼります。

まもなく10年の付き合いになるのかと思うと、感慨深いものがあります。

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『 謝恩会 』 という名の展示会は、西谷さんと僕、その周辺のデザイナーたちの5年間の活動を振り返る展示会
でした。

僕らが出会い、 「 印刷加工実験 」 という大義名分のもと、ただただ興味本位で多種多様な紙に多種多様な箔を押してみたい衝動を満たすために、箔を押して、押して、押しまくっていたというクレイジーな5年間。 

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コトホギデザイン 池上さんによる、A2サイズ( 420×594mm )の全面箔押しポスター。A4サイズの金属版2枚を用いて、なんと箔押し8回押しによる構成。とても美しいだけでなく、実用性もばっちり( 2011年 )

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KOTENHITS 河田さんによる HITSFAMILYの封筒。コンセプトが「 血 」であり、封筒を開封するとまるで血液が滲み出したように見えるという驚くべき設計を、紙の特性から表現しました( 2011年 )

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グラフィックデザイナー 岡本健さんと共に、展示会 トリハク〈TORiと箔の博覧会〉のために様々な変わった材質を使用して箔押しポスターを作りました。写真は連結した薄い紙ナプキンで製作した箔押しポスター( 2012年 )

この5年間は、あっと驚く作品がどんどん生まれた時代であり、紙屋さん、箔押し屋、デザイナーの皆様と、知識と経験が共有できた時でもあります。

教科書や参考書には書いていないような加工体験が、デザイナーと箔押し職人の間で、生で体感できたすばらしい時代でもあります。

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『 謝恩会 』 
という、何の変哲もない展示会タイトルに込められた思いは、現場と会社さらにはお客様たちまで、西谷さんと僕とで巻き込んでご迷惑をおかけしてごめんなさい(謝)。おかげさまでなんとか僕ら、今も生かされております。ありがとうございます(恩)という、西谷さんと僕のそのままの気持ちが込められております。

展示作品やその風景は、今も僕の中で輝き続けてます。

なぜなら、職人もデザイナーもそして僕らも、夢中で、夢中で、良い意味で狂っていたから。なんであんなに夢中になれたんだろうと、今でもふと不思議に思うことがあるくらいです。

『 謝恩会 』 では、展示方法はあえて整えず、現場感や生感、温もりが伝わるよう、西谷さんと僕とで筆を取り、展示台に直接手書きで作品の加工や紙の説明を書き加えました。

製品や作品は美しく、どこかマニアックなものばかり。
展示台に書き綴った手書きの文字は生々しく、泥臭く。一見するとカオスではありつつも、実はきちんと整理されている見せ方です。

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『 謝恩会 』 には、デザイナーはもちろん、同人作家さん、同業者から一般の方々まで、数多くの皆様がご来場くださいました。本当に感謝です。

西谷さんと僕がみっちり組んだ濃厚な5年間の一区切りでもあり、集大成。

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この『 謝恩会 』 は、現在のコスモテックに繋がる大きな架け橋にもなっています。ご協力いただいたデザイナーの方々と共に蓄えた知識や経験、 『 作品づくり 』 が、一般個人の皆様へ加工屋さんがマニアックな 『 製品を販売する 』 という現在のコスモテックサンプル直売所(WEB STORE)開設のきっかけにもなっております。

加工屋が日々のあたりまえである 『 作る 』 から、あたりまえでない 『 売る 』 という身上に辿り着く、大きなきっかけを与えてくれました。

今までインプットさせて頂いたこと、学ばせて頂いたことを、今度は加工所自らがアウトプットとして工場直売で製品を販売してみたい、してみように繋がっております。

これは本当に大きなチャレンジでした。

5年間、熱狂して加工を追求、デザイナーの方々と共にみっちり過ごさねば 『 謝恩会 』 は開催することにはならなかったでしょう。

現在のコスモテックのWEB STORE開設にも繋がらなかった。
そして、何よりも西谷浩太郎さんに出会わなければ、今のコスモテックにはならなかったかもしれません。

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メリット・デメリットや効率を重視して仕事を進めることはもちろん大切なことです。しかし、時には熱狂の渦に身を置いて、気が狂ったようにとことん何かに打ち込んでみることで、通常では得られないような素晴らしい体験ができることもあるのです。

その瞬間には見えないことでも、数年後にふと振り返ってみた時に 「 あの時のことが、こうしてここに繋がっているのか 」「 あの時の頑張りに比べたら、まだまだだな 」 と発見や気付かされることがたくさんあるような気がするのです。

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