点字教室 5回目…と、点字図書の疑問

さて。点字教室。
気付いたらもう5回目。

そして、先週の点字教室の帰りに点字図書「銀河鉄道の夜」を借りてきて、その夜から少しずつでも読み進めるという点字訓練会を始めたので、そこからもう一週間…毎晩1時間ずつ配信していたので、こちらも7日続けたということ。そして、この1週間で第1話「午後の授業」をちょうど解読し終え、2週目で第2話に入るという、心地の良いタイミングの揃い踏み。

今までの経緯はどうぞこの記事の「点字」マガジンにまとめております。

さて、この日は五回目。

五十音がヤ行まで終わり、濁音、ガ行とカギカッコ(3・6点の記号で文章を挟む)を終えていた。

この度、次はザ行だった。
ちなみにこの資料(教材)は一枚ずつ渡され増えて行く。右上にページ番号も打ってあるため、数符とページの数字を触ることにも少し慣れてきたかもしれない。

ザ行の文字をランダムに。
その後、今までの文字に更にザ行も加わった単語群。

そして、文章。


読み終え、次の1枚。
ダ行……と、最後にもうひとつ何かある。
「メ」と…2・6の点で表される記号。
ちなみに「メ」は、新しい記号や文字が出てきたときに、点の位置関係を把握しやすいために「メ」で挟んだり、その前に「メメメ」と打ってあったりする。

さて、2・6の点。
これは、実は私は、これ自体は打ったことも読んだこともあった。
私は音楽のレッスンをするとき、楽譜をメモするときに点字楽譜をまだ知らないため、「ドレミファ」を便宜的一時的に五十音でそのまま打ち込んでいる。この時、「ファ」を表すときにつく、特殊拗音とでもいうのか?その記号が、2・6点なのだ。<2・6点><ハ>で、「ふぁ」となる。
ちなみに、普通の拗音…しゃ、しゅ、しょ、きゃ、きゅ、きょなどは、4点のみ、つまり「きゃ」なら、<4点><カ>で、「きゃ」となる。

さて…しかし、文字の前につけばこの2・6点、特殊拗音なのだが、今回出てきたこれは、「?(クエスチョンマーク、はてなマーク)」のことらしい。
文章の最後にこの2・6点記号がつくと、クエスチョンマークを表すのだそうだ。

さて。そんなわけで、ザ行の文字をランダムに…
その後、単語…

その後、文章を。


読み終わり、本日の3枚目。
バ行。

バ行の文字をランダムに。
単語…
文章。

さて、それを読み終わり…本日なんと、4枚目に突入することができた。

ついに濁音も終わり、半濁音に。

パ行だ。濁点記号は今までその文字の前に<5点>であったが、半濁音は<6点>である。<6点><ハ>なら、「パ」になる。

文字をランダムに、そして、単語。
そして、文章…
もう、濁音も促音もやっているので、その上に半濁音まで出てくると、本当に次にどの文字が出てくるか…

しかし、「銀河鉄道の夜」を読む、の配信を一週間やっていることもあってか、文章を読むということへの身構えは…少し…減って…いる……だろうか…?

つっかえつっかえながら、果敢には読むようになってきたかもしれない。


そしてなんと。本日は、5枚目にも突入することができた。
実は、後日現在、点字教室5回目の記録を記すために振り返りながら初めて気が付いた。

さて、次は…ついに、数字が出てきた。
しかも、1から0までいっぺんに出てきた。

その上、ゼロの横にさらに何かあるぞ。
「メ」そして…2点。
これは五十音の文章の途中で出てくれば促音(小さい「っ」)と同じだが、
これは数字の中で出てくると「小数点」を表すそうだ。
つまり、2.6などと表したい場合は、<数符><2><2点><6>と…なるのかな。

そして次の行か…と思いきや、もうひとつ記号が!
「メ」そして…ん?またも、3・6の点。
これは、文章の中で「<3・6>文章あれこれ…<3・6>」とくると、カギカッコの始めと終わりの記号となる。
これが、数字の中で出てくると、「つなぎ符」となる。
この「つなぎ符」は、使い道がいろいろありそうだ。

例えば、
①「135円」などと表したいとき…
 <数符><1><3><5><つなぎ符(3・6点)><え><ん>となる。
 この時、つなぎ符を使わずにしかもくっつけてしまったりなどすると、<え>は数字の中で出てくると「6」になってしまうので、「1356ん」と、わけのわからないことになってしまう。

②電話番号を表す時、例えば「03-1234-5432」などとしたいとき、
 <数符><0><3><つなぎ符><数符><1><2><3><4><つなぎ符><数符><5><4><3><2>となる。
 ちなみに、先程の①の例で示したように、つなぎ符のあとで五十音とつなぐ場合があるため、つなぎ符があってその先がまた数字の場合は、毎回数符を打つ必要がある。


今回、教わったつなぎ符の使い方はその2点。

そして、最後に、「ダ行」をやっていた時に先生から教わったこと。
ダ行の「ぢ(ちの濁音)」「づ(つの濁音)」と、サ行の「じ(しの濁音)」「ず(すの濁音)」など、文字は違っても発音としては結果的に同じとなる文字がある。
この場合、点字は確かに表音文字なのだが、例えば「鼻血」などは、墨字で書いたときにひらがなにすると「ち」の濁音となるので、点字表記でも「ち」の濁音「ぢ」となる。
「図形」なども同じだ。ひらがなにすると「す」の濁音で「ずけい」となるので、点字表記でもそうなる。
そして…少し難しかったのが、「地面」。
これは、漢字で書くと「土地」の「ち」であり、それが濁っているのだが、どんなに少なくとも現代日本においては、「地面」をひらがな表記するとき、なぜだか「し」の濁音で「じめん」となる。
そのため、点字表記でも「し」の濁音での「じめん」となるのだそうだ。
総合的に考えると、「ち」の濁音より「し」の濁音を使う割合のほうが高い、ということだ。

「傷つく」は「す」に濁音、
「気付く」は「つ」に濁音だろうな。


そして本日は、最後にもらった数字のページの半分くらいのところで終わった。
数字の1~4桁がランダムで出てくるのを読んでいる最中であった。


来週は点字教室は休館日のため休み。
また次回の続きを、どうぞお楽しみに。

そして、2週目も毎日、<点字訓練枠「銀河鉄道の夜」を読む>続けております。
宮沢賢治の文章は、その文章を読んでいるだけで不思議なほど催眠と同原理の強い効果というのか、メタファーでぐいぐい肯定的治療的な暗示が入ってくる。
「ヒト」の発育発達に本当にすばらしい…この辺りのことも、実は記事や座談会にしようと思っておりますが、本当に深い作品です。
その意味でも、あらゆる角度のことを共有し伝えて行きたいためにも、毎日少しずつでも継続していきます。
こちらもどうぞ、お越しください。


ところでこの記事の最後に、この銀河鉄道の夜の点字図書を読んでいるときにも、どんどん不思議な点が出てきます。
ここは分かち書きだろうと思うところが分かち書きになっていなかったり、今までで思わぬところが分かち書きであったり、
現段階で一番不思議なのは、墨字本との差異があること。
「脂油(脂肪や油脂の<し>に、<あぶら>)の球(球体のきゅう)」を、少なくとも私の今読んでいる点字本では「あぶらのきゅー」としていたのです。
「しゆ」が意味が取りづらいから「あぶら」に変えるのはまだわかります。しかし、それでもわかりにくい言葉や同音異義語などはたくさんありますから、どこまで変えて良いかというところは問題になってくるかと思いますが。
しかし、それと同じ法則でいくなら、球体のきゅうは「たま」と表音するのではないか??ですとか、
第2章、「活版所」にはいったところでは、墨字で「扉」ルビがわざわざふってあって「と」と書いてあるところを、点字では「とびら」。まあ、これはわかりやすいため、とはいえ、わざわざルビがふってあるものをどこまで変えて良いのか…?
「きれで頭をしばったりランプシェードをかけた…」という記述では、「きれで あたまを しばった ランプシェードを かけた…」となっていました。
更に一番は、描写の記述、つまり文章自体が思いっきり割愛されている部分があったこと。
これは、物語の中で、しかも序盤で午後の授業など台詞ばかりで構成された章が終わり、その後、客観的にジョバンニを見ている視点になり、その後活版所に入って行ったジョバンニの視点に移り変わっていく…つまり作品の構成としてはジョバンニから見た「白いだぶだぶの人を着た」などの非常に大事な個所と思われるのですが、その辺りの描写がごっそりと抜けて短い文章になってしまっているのです。
この辺りの情景描写は、その後の銀河鉄道の中からの情景などを読者が読んだときに感じるものの布石ともなっているはずですから、いろいろな意味で、それが抜かされる…というのは、どういうことなのだろうと疑問に思うところです。

もし、ご存知のかたがおられましたら、ぜひご教授ください。
私も、点字図書館の点字制作課など寄った際に少し聞いてみようか…と、考えているものです。

疑問が日々どんどんあふれ出してくるので、どんどん記録していきたいと思います。

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