白杖使用者の冒険―通りすがりにわざわざ…!

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#バリアフリー

いつもいつも、さり気ない支えの暖かさ、本当に嬉しいのですが、これに輪をかけて感動した出来事がまた、ありました。

ある時、車通りも歩行者通りも少ないが歩道のない道路を歩いていると、後ろから自転車の車輪の音が。
ん、と思って歩く速度をゆるめると、私の右側を通り越しながら女性の声が「あ、ごめんなさいね、通りまーす」と、わざわざのお声がけ。
これ自体もありがたかったのですが、その道路を抜けると十字路になっているのです。そこを左に曲がると郵便局があるので、郵便局に行こうとしていました。
まず左に曲がり、端っこの建物のヘリ沿いに白杖で探りながらゆっくり郵便局はどこかなと歩いていると、どうやら道路の端、そして私の目前に、私がそのまま進むと挟み込まれてしまうような形で自転車が…2台くらいなのかな?止まっていた様子。
気付かずに自転車に挟み込まれたところに入ってしまい、自転車にぶつかりそうになったとき、後ろからさっきの女の人の声。「あ、そこ今自転車が止まっています…」
え、と思い、しかし行ってみてぶつかってみて探ってみないと状況がわからないので、では探ろうとゆっくりと白杖を前に出して探ろうとしていると、「ちょっと待って、今お手伝いしますねー」と、恐らくはなんと自転車に乗っていた女の人、自転車から降りてそれを道路に停めて、助けに来てくれた。
そして私の目前にとまっていた自転車を少しどけて私が真っ直ぐ行っても通れるようにしてくださり、「この先が郵便局ですよ」と教えてくださった。
私を通り越していった自転車なのに、十字路のあたりで恐らく一旦とまって、私ももしかして道路をわたるのか、どちらへ行くのか、見守っていてくださったのでしょう。


エピソード2もあります。

その後、郵便局で用を済ませ、郵便局を出て少し行くと、また道路を横切らねばならないのですが、横断歩道もないところ。
一方通行の一車線しかない道路なのですが、耳を澄ませて渡るタイミングをつかもうとしていると、どうやら前からささっと渡ってきて私に「今、渡れますよ」と声をかけて来てくれた女の人。腕に触れて渡るのを手伝ってくれて、その後、「渡り終えました」と教えてくれ、私がお礼をいうと、そのまま颯爽とまた別の方向へと去って行かれました。
このかたももしかして、私が道路で渡るタイミングを掴もうと必死で耳をそばだてているのを見守ってくださっていて、わざわざ向こう岸からささっとわたってきてくれて、横断を手伝ってくださったのですね。


ご本人には恐らくさり気ない、しかし大きなお心遣いの見守りと支えの手。
私には、本当に感動するほどのありがたく暖かい出会い、存在でした。

ご本人にとってはきっとさり気ないことかもしれないけれど、私には、神様にも、周りの人たちにも、こんなことがあったのだよと、伝えたくなるような、できごと。

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