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文化の読書会

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読んだ本の趣旨を1章ずつ1000字以内で書いていっています。
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記事一覧

『ホモ・ルーデンス』(ホイジンガ)‐序説、第1章「文化現象としての遊びの本質と意味…

今回から『ホモ・ルーデンス』を読んでいく。まずは序章と第1章。「遊び」とはなにかについて…

自由で人生に不可欠で時限的な「遊び」

 今回からホイジンガの「ホモ・ルーデンス」を読んでいきます。今回は、「序章」と、「1. 文…

日常生活から、敢えて離れて「演じる」こと。ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』を読む(…

文化の読書会、今回からはヨハン・ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』(中公文庫版)を読みます。…

遊びの規則に対して懐疑はありえない。

文化の読書会ノート。 ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』序説および第1章 文化現象としての遊…

『ニコマコス倫理学』第10巻-快楽の諸問題と幸福の生

哲学初心者の僕がアリストテレスに向き合う。今回はいよいよ最終の10巻を読む。快楽や苦痛を考…

快楽と幸福。“teleiosな状態”はどこにあるのか。リストテレス『ニコマコス倫理学』…

アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストと…

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活動なしに快楽は生じない。同時に、あらゆる活動を完全なものにするのも快楽である。

文化の読書会ノート。 アリストテレス『ニコマコス倫理学』第10巻 快楽の諸問題と幸福の生 納富信留『ソフィストとは誰か』と交互に読んでいる(読み終えたので、正確には「きた」)。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 第10巻は前半、快楽について論じ、半ば以降は幸福を語り、後半は知性の至高性や徳と幸福を経由して教育・立法・政治で終わる。つまり政治学の序章にあたる。 ここでは快楽についてまとめる。 人生の全体を貫き、徳と幸福な生活に対して重要性と力をもつ快苦をめぐ

きっと『政治学』を読まないとわからない『アリストテレスの世界観』

 前回はアリストテレスの「二コマコス倫理学」第9巻 愛(フィリア)について続き を読みました…

『ソフィストとは誰か?』(納富 信留)を読む−第2部第8章「言葉の両義性」と結章

アリストテレスの『二コマコス倫理学』と納富 信留氏の『ソフィストとは誰か?』を交互に読み…

Dialogueこそ創造の源、書き言葉はその保管庫

 『ソフィストとは誰か』読書会最終回は、8章「言葉の両儀性ーアルキダマス『ソフィストにつ…

「語り」の根源性:語られた言論と書かれた言論の交錯、そこから哲学(史)が生まれる…

アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストと…

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書き言葉は話し言葉の影に過ぎない

文化の読書会ノート 納富信留『ソフィストとは誰か』第2部第8章 言葉の両義性ーアルキダマス…

ポリス共同体/社会的共同関係を支えるのは、やはり愛だ。アリストテレス『ニコマコス…

アリストテレスの『二コマコス倫理学』(朴一功訳、京都大学出版会)と納富信留『ソフィストと…

『ニコマコス倫理学』第9巻-友愛(ピリアー)の続き

哲学初心者の僕がアリストテレスに向き合う。今回は第8巻からの友愛の続きとなる第9巻を読む。恋など、友愛と似ている各種の価値観について整理していく、友愛のまとめになる。 ■概要 ⚫友愛の形としての「恋愛」 あらゆる友愛は双方の比例関係であり、それは貨幣が尺度として用いられている。一方でアリストテレスは、それとは異なる友愛の形として恋愛について述べている。 まず恋愛を次のように整理している。  恋する者:恋される者を自分の快楽のために愛する  恋される者:恋してくれる者を有用