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ITが好きな凡人はIT企業に入るな。IT企業の凡人からの忠告だ。

自分は大学はIT系の学部、現在もIT企業に勤めているが、ITが嫌いである。

それはコンビニのセルフレジや、回転ずしチェーン店の無人会計がうまく使えないからいちいち店員に聞かないとできないからではない。
(そもそも店員ではないのになぜか聞かれることが多い…)

IT系の学部にいた就活生は「大学でITを学んだことだし、IT企業に入って日本を変えてやるぞ!」と意気込んでいるに違いない。
しかしGoogleやアップルなどといった超有名企業に内定される天才やとてつもなく強運でない限り、凡人はIT企業はやめといた方が良い。マジで。

理由は「ITが嫌いになる」からだ。

IT企業がIT系の学部出身を採用したい本音

IT系の学部出身の学生は、IT企業にとってはこぞって採用したい人材である。
まあ、やってみると分かるが基本的にIT企業だけ・・は内定を無双できる。
ブルーギルのいる池に生肉を放り込んだようなレベルで入れ食い状態なので、「俺って最強かも?!」と勘違いしてしまう。
(就職氷河期は除く)

その理由は以下の通りである。

・基本的な技術教育にお金をかける必要がない
・技術が育たなかったというリスクが少ない
・IT系の資格取得している可能性が高い

まさにIT企業にとってはIT系の学部出身の学生はカモである。
カモがネギを背負ってやってくる…ではなく、むしろカモが贈答用の鍋セットを背負ってやってくるレベルである。

人材不足で即戦力を求められているIT企業にとっては、なるべく採用と教育にお金をかけたくない。
配属された瞬間に、OJTという名の現場送りにされるなんてざらである。
「え?何も分からないのに現場で仕事させられるの?」と焦る。
そんなパターンの話を自分の大学の友人たちからも聞いた。

本気でOJTという形で、自社の先輩が付くならまだ可愛い方だ。
即戦力として、一人で現場で仕事をさせられる話もある。
(営業から「実務経験のある優秀な若手」として顧客先に勝手に紹介されている)

こういう人を騙すようなことをしているから嫌いである。

普通の日本のIT企業の業務内容(ガチ)

普通の日本のIT企業は、毎日がITの知識のない顧客の無理難題やワガママに合わせるといった事ばかりである。
1日中メンテナンスすると前から約束しているにも関わらず「早く仕事で使いたいから1時間で復旧させろ」とか、「何もしていないのに壊れた」とか、そんなのばかりである。

「ITの力でイノベーション」とか、社長のコメントや会社スローガンではそんなキラキラしたことを言ってたりすることもあるが、実際は泥臭い。
IT企業の泥臭い仕事の一例がこちら。

・他人が書いた意味不明なプログラムのコードを眺めて、1時間でやっと不具合を起こしている原因の1文字を直す
・ジャングルのツタのようなLANケーブルの束をかき分けて線を抜き差しする
・業務に必要な技術力を磨くための自主勉を業務時間外でやる
・深夜にサーバの入れ替え作業(THE力仕事)

うん、「ITの力でイノベーション」をほんの少し期待してただけバカバカしくなる。
会社では正式なエンジニアなのに、給料泥棒やら便利屋みたいな扱いされているのもなかなか嫌いになるポイントが高い。
そりゃあITが嫌になるわ。

IT企業は「ITが進んでいる企業」ではない

さらに言えばリモートワークがされていないIT企業でさえもある。
未だに残業の申請は紙。
万が一上司がシュレッダーにかけたらどうするんだ。

ここまで来るともはや「IT企業is何?」である。
(まさに自分の会社なんですけど…)

キラキラITイノベーション(笑)はどこへ行ってしまったのだろうか…
「朝はゆったり起きてのんびりカフェでリモートワークするアタシ」に憧れるなら、IT企業はマジでオススメしない。
「朝は満員電車に押しつぶされて深夜まで現場で仕事するアタシ」になるからだ。
もちろん後者を憧れるなら止めはしない。

ITの技術で生み出されるもの

ITの技術が発展すると何ができるかって?

「仕事」が増えるだけだよ。

仮にITの技術で、仕事の効率が上がったり楽になったとする。
残念ながら、別の仕事を入れられるだけである。
ひどいとむしろ忙しくなるまである。

過去にエクセルのマクロを組む(プログラミングをする)ことで、業務効率を半日以上上げたことがある。
当時はまだ無知だった自分は自慢げに「効率化させたので終わりました!」と上司に報告した。
これで今日は定時に帰れると思った。
待ち受けてたのは「じゃあ次これやってね」

定時は遠のいてしまった。


こんな感じでITの発展によって人々が便利になったかと思いきや、逆に空いた時間を別の事で埋められる。
永遠に楽になるなんてことはない。
サラリーマンという雇用形態である以上、むしろ技術を買い叩かれるだけだ。

ITなんてくそくらえ!ってなる。

世話焼きには向いている…かも?

ここまで色々IT企業はやめろとかいう話を書いているが、一つ言えることは世話焼きには向いていることだ。

顧客のワガママに対して「しょうがないでちゅねーやってあげまちゅねー」と母性をくすぐるのであれば、ぜひIT企業に挑戦してもらいたい。



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